(8061)西華産業株式会社 化学・エネルギー事業の大幅増収増益
櫻井 昭彦 社長 |
西華産業株式会社(8061) |
|
企業情報
市場 |
東証プライム市場 |
業種 |
卸売業 |
代表取締役社長 |
櫻井 昭彦 |
所在地 |
東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル |
決算月 |
3月末日 |
HP |
株式情報
株価 |
発行済株式数 |
時価総額 |
ROE(実) |
売買単位 |
|
1,663円 |
12,320,650株 |
20,489百万円 |
7.6% |
100株 |
|
DPS(予) |
配当利回り(予) |
EPS(予) |
PER(予) |
BPS(実) |
PBR(実) |
70.00円 |
4.2% |
208.30円 |
8.0倍 |
2,516.57円 |
0.7倍 |
*株価は6/8終値。各数値は22年3月期決算短信より。
業績推移
決算期 |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
EPS |
DPS |
2019年3月(実) |
157,145 |
2,118 |
2,418 |
1,587 |
125.50 |
45.00 |
2020年3月(実) |
140,677 |
2,809 |
3,122 |
-1,262 |
-100.73 |
45.00 |
2021年3月(実) |
71,933 |
2,581 |
2,906 |
2,721 |
221.87 |
45.00 |
2022年3月(実) |
85,307 |
3,824 |
3,879 |
2,246 |
186.85 |
65.00 |
2023年3月(予) |
95,000 |
3,700 |
3,700 |
2,500 |
208.30 |
70.00 |
*単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」を適用しており、2021年3期のみ比較のため同基準を適用。
西華産業株式会社の2022年3月期の決算概要などをお伝えします。
目次
今回のポイント
1.会社概要
2.2022年3月期決算概要
3.2023年3月期業績予想
4.今後の注目点(VIORB2030)
5.トピックス
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
今回のポイント
- 2022年3月期の取扱高は前期比1.5%減の1,342億61百万円。売上高は同18.6%増の853億7百万円。電力事業や産業機械事業は減収となったものの、化学・エネルギー事業では前期に連結子会社化したセイカダイヤエンジンの業績が通期で計上されたことや、グローバル事業で中国向け繊維原料の販価上昇が寄与し増収となどでカバーしたため増収。また、営業利益は同48.2%増の38億24百万円と期初予想の28億50百万円を大きく上回って着地した。関連会社の寄与が大きかった。純利益は同17.5%減の22億46百万円となった。
- 2023年3月期の業績見通しについて、取扱高は前期比26.6%増の1,700億円、売上高は同11.4%増の950億円、営業利益は同3.3%減の37億円、当期純利益は同11.3%増の25億円を予想。2020年4月より取り組んでいる中期経営計画「Re-SEIKA 2023」の最終年度にあたる2023年3月期の数値目標は達成可能としている。配当は2022年3月期より5円/株増配し70円/株を予定。予想配当性向は33.6%。
- 2023年3月期は中期経営計画「Re-SEIKA 2023」の最終年度であり、営業利益37億円、当期純利益25億円は達成できる見通しであるが、2022年5月27日に発表した長期経営ビジョン「VIORB 2030」達成に向け、連結子会社(セイカダイヤエンジンや、敷島機器)などの寄与拡大に加え、ドローンによる生産設備の点検や西華デジタルイメージの盛土材料品質確認装置など、新たな分野への挑戦も期待したい。
1.会社概要
「社業の発展を通じ社会に貢献する。これをわが社の信条とする。」を企業理念に、機械総合商社として、電力、化学・エネルギー、産業機械分野の機械設備や機器等の販売およびサービスの提供を行っている。
現場密着の営業力、各事業における専門性の高さ、国内外103拠点に上る広範なネットワークの3つが特長および強み。
【1-1 沿革】
太平洋戦争終戦後の1947年7月、連合国最高司令官ダグラス・マッカーサーの覚書により旧三菱商事株式会社が解体を命ぜられると同時に、同年10月、初代社長中林恒治氏ら同社門司支店機械部門関係者が中核となり福岡県門司市(現・福岡県北九州市門司区)に西華産業株式会社を設立。
「商道の精華:商いの本質を極める。自分も儲けるが、相手にも便宜を与える。」、「西の花形:西日本の花形企業を目指す。」、「華:将来、対中国貿易が盛んになるときに役立つかもしれない。」の3つが社名の由来である。
東京、大阪を含む国内各地に支店を開設した後、1954年10月には当時日本人が数名しか在住していなかったドイツ(旧西ドイツ)・デュッセルドルフに海外事務所を開設するなど、積極的な事業展開を行い、1961年10月には東証1部に上場した。
その後も、西日本を中心とした営業基盤の強化と、米国、欧州、アジア各地への拠点展開により機械総合商社として発展してきた。
2023年3月期は中期経営計画「Re-SEIKA 2023」を推進すると共に、2022年5月27日に2030年に向けた長期経営ビジョン「VIORB2030」を発表。
【1-2 企業理念等】
以下のような企業理念および行動規範を掲げている。
企業理念 |
「社業の発展を通じ社会に貢献する。これをわが社の信条とする。」
|
行動規範 |
1. 信用は、なにものにも代え難い財産である。 2. 常に存在意義を高く評価されるようにすることが、商社活動の基本である。 3. 迅速、適確な情報活動と効果的な対応は、すべてを制する。 4. 直観的思考に偏することなく、客観的考察と必然性、合理性の追及を行い諸事判断処置すべきものとする。 5. 開拓精神に燃え、あらゆる困難、障害、激動に挑戦し、これを克服することを誇りとすべきである。 |
また、西華産業グループとしての結束力やグループ経営を推進していくため、「グループポリシー」、「グループ行動規範」、「グループミッション」を定め、グループに属する各社および、そこで働く社員一人ひとりがこれらを共有し、日々の行動に繋げ、グループ全体で企業価値の向上を目指している。
グループポリシー |
私たち西華産業グループは、お互いが連携し、高め合い、公明正大な企業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献します。 |
グループ行動規範 |
一人ひとりが法令を遵守すると共に 社会から信頼されるよう倫理観を持って行動します。 |
グループミッション |
グループ全体で豊かな社会を実現します。 |
【1-3 事業内容】
(1)事業セグメント
機械総合商社として、電力、化学・エネルギー、産業機械分野の機械設備や機器、附帯製品の販売およびサービスの提供を行っている。
報告セグメントは、2021年3月期より「電力事業」「化学・エネルギー事業」「産業機械事業」「グローバル事業」の4セグメント。
①電力事業
関西電力、九州電力、中国電力、四国電力、電源開発の電力会社および共同電力会社など、西日本地域の電力会社を顧客とし、ボイラー、ガスタービンなどの事業用発電設備、排水や排ガスを処理する環境保全設備の販売やアフターサービスを提供している。
また、原子力発電所向けにセキュリティ設備や消火設備などの防犯・防災設備などを販売している。
この他にも、小型水力、風力、バイオマス等の再生可能エネルギー向けの発電設備やアフターサービスを提供している。
仕入先は、主に三菱重工業グループであり、西華産業は、同社グループの火力発電設備の販売代理権を有している。
|
|
(同社資料より)
②化学・エネルギー事業
石油精製、化学、製紙、鉄鋼等の事業会社向けにボイラー、タービンなどの自家用発電設備、排水や排ガスを処理する環境保全設備などの販売やアフターサービスを行っている。電力事業と同じく主に三菱重工業グループから仕入れて販売している。
また、環境負荷低減商材やバイオマス発電向け設備および燃料の販売を行っている。
|
|
(同社資料より)
③産業機械事業
幅広い産業分野の顧客に対して、国内または海外メーカー製の繊維設備、食品加工設備、醸造設備、各種プラント設備、液晶関連設備、環境関連設備、無停電電源装置(UPS)、電子機器用プリント基板などを販売するほか、官公庁や研究機関向けに、レーザー計測機器や細孔径測定装置など先端技術を駆使した計測機器を納入。
また、中国におけるEV(電気自動車)向けリチウムイオン電池用関連設備やモーター製造設備などの販売も行っている。
子会社の日本ダイヤバルブでは、各種産業用バルブの製造・販売を行っている。
|
|
(同社資料より)
④グローバル事業
(欧州)
自動車分野として車載関係の顧客に産業用ロボットを販売しているほか、社会インフラ分野として公共工事などで使用される水中ポンプの販売およびレンタルも行っている。いずれも仕入先は日本メーカーが中心。
(北米)
自動車分野として主に自動車部品業界向けに日本メーカー製のエレクトロニクス基板実装関連機器を販売している。
(アジア)
産業機械分野として主に自動車、化学、繊維業界向けに日本メーカー製の機械設備を販売しているほか、繊維メーカーに対し繊維原材料を海外で調達し販売している。
|
|
(同社資料より)
(2)地域別売上高
2022年3月期から会計基準の変更に伴い海外比率が一気に高まっているように見えるが、実質0.7ポイント程度の向上。引き続き伸びしろの大きい海外市場の開拓、海外売上高比率の拡大が課題である。
2022年3月期地域別売上構成
|
海外売上高推移
|
【1-4 特長と強み】
(1)現場に近い営業力
70年超の歴史の中で培われてきた現場に近い営業力が同社最大の強み。
きめ細かい対応で、人脈を形成し、信頼関係を構築することが安定的な受注獲得に繋がっている。
(2)各事業における専門性の高さ
同社は豊富な情報収集力と、顧客の先を行く提案力など、高度な専門性を有する必要不可欠なビジネスパートナーと評価されている。
(3)国内外103拠点に上る広範なネットワーク
M&Aを通じて国内拠点の拡充に加え、グローバル化を見据えヨーロッパおよび東南アジアを中心に急速に拠点を拡大させてきた。情報のスピード、網羅性はさらに高まっており、有効に活用することで存在価値を更に高めていきたいと考えている。
(4)社員教育・営業力強化施策
社員の育成・強化はOJTが中心で、先輩社員や上司がビジネスに必要な基本動作を重点的に教育しており、また、各種階層別研修や海外研修制度にも力を入れている。
加えて、最近はメーカーや顧客のOBにコンサルティングおよび営業現場の支援を依頼している。
各種アドバイスは同社の専門性を更に高め、更なる営業力強化に繋がっている。
【1-5 ROE分析】
|
17/3期 |
18/3期 |
19/3期 |
20/3期 |
21/3期 |
22/3期 |
ROE(%) |
7.9 |
5.9 |
5.6 |
-4.7 |
10.0 |
7.6 |
売上高当期純利益率(%) |
1.42 |
1.00 |
1.01 |
-0.90 |
3.78 |
2.63 |
総資産回転率(回) |
1.45 |
1.53 |
1.71 |
1.58 |
0.76 |
0.84 |
レバレッジ(倍) |
3.82 |
3.83 |
3.24 |
3.32 |
3.50 |
3.42 |
2022年3月期の売上高は「収益認識に関する会計基準」を適用の売上高を使用。2022年3月期を会計処理の変更前の従来ベースでみると売上高当期純利益率は1.67%となるが、レバレッジは比較的高水準であるため、利益率の向上を期待したい。
中計経営計画「Re-SEIKA 2023」最終年度である2023年3月期の当期純利益目標25億円を達成するとROEは8%以上となる。
【1-6 ESGへの取り組み】
<E:環境>
環境方針として「地球環境の保全と向上に努め、産業界に価値をもたらすクリエイティブパートナーとして持続可能な社会の実現に貢献する」という基本理念を掲げている。その一環として、2005年にISO14001を取得しており、環境配慮型商品の拡販に努めている。
同社が取り扱う環境配慮型商品は、ボイラーおよび焼却炉用排ガス処理設備や、化学・半導体工場向け有機溶剤回収装置など多岐に亘り、下記のように2022年3月期の取扱実績は13,345件(前期比7.0%増)、取扱高843億円(同4.9%減)。
引き続き、単なる社会貢献という観点のみでなく事業活動を通じて地球環境の保全に寄与する考えだ。
(同社資料より)
<S:社会責任>
「社会責任」として、以下のような働き方改革に取り組んでいる。
「女性の活躍推進」
● 女性総合職採用の強化
● 女性社員のキャリア形成支援
● 女性管理職の登用
「従業員の健康促進」
● プレミアムフライデー制度(カジュアルデー同時実施)の導入
● 有給休暇の取得推進
● 健康診断における腫瘍マーカー費用の会社負担
● インフルエンザ予防接種費用の会社負担
「人材育成」
● 各種階層別研修
● 海外研修派遣制度
<G:ガバナンス>
2021年11月改訂後のコーポレートガバナンス・コードに基づき、全項目に対する取り組みをホームページで開示している。
2022年3月期の「取締役会の実効性評価」はコーポレートガバナンス・コードに対応し、任意の仕組みとして社外取締役および社外監査役で構成される「指名審査委員会」「報酬審査委員会」を取締役会のもとに設置した。
また、招集通知の一部英訳や、決算説明会資料やファクトブック作成による英語での情報提供に取り組むと共に、議決権電子行使プラットフォームも導入している。
持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために引き続きコーポレート・ガバナンスの充実を図ると共に、健全で透明性の高い経営体制を追求する。
【1-7 株主還元】
株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとしており、安定的な配当を基本方針としている。
営業・財務両面の効率的な業務運営により、経営基盤の強化を図るとともに、新しい事業の開発等の資金需要に対応しながら、連結配当性向35%を目途としている。
2023年3月期は、中間35円、期末35円の合計70円/株を予定しており、予想配当性向は33.6%。
配当方針および通期の業績等を総合的に勘案して積極的に株主還元に取り組む。
2.2022年3月期決算概要
(1)連結業績概要
|
21/3期 |
構成比 |
22/3期 |
構成比 |
前年同期比 |
受注高 |
78,843 |
109.6% |
83,137 |
97.5% |
– +5.4% |
受注残高 |
60,926 |
84.7% |
58,756 |
68.9% |
-3.6% |
取扱高 |
136,273 |
189.4% |
134,261 |
157.4% |
-1.5% |
売上高 |
71,933 |
100.0% |
85,307 |
100.0% |
+18.6% |
売上総利益 |
14,672 |
20.4% |
18,026 |
21.1% |
+22.9% |
販管費 |
12,091 |
16.8% |
14,202 |
16.6% |
+17.5% |
営業利益 |
2,581 |
3.6% |
3,824 |
4.5% |
+48.2% |
経常利益 |
2,906 |
4.0% |
3,879 |
4.5% |
+33.5% |
当期期純利益 |
2,721 |
3.8% |
2,246 |
2.6% |
-17.5% |
*受注高・受注残高は、会計基準適応前。取扱高は従来基準の売上高。
*単位:百万円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
増収・大幅増益
2022年3月期の取扱高は前期比1.5%減の1,342億61百万円。売上高は同18.6%増の853億7百万円。電力事業や産業機械事業は減収となったものの、化学・エネルギー事業では前期の10月に連結子会社化したセイカダイヤエンジンの業績が通期で計上されたことや、グローバル事業で中国向け繊維原料の販価上昇が寄与し増収となどでカバーしたため増収。また、営業利益は同48.2%増の38億24百万円と期初予想の28億50百万円を大きく上回って着地した。関連会社の寄与が大きかった。純利益は同17.5%減の22億46百万円となった。
(2)セグメント別概要
◎売上・利益
|
21/3期 |
構成比 |
22/3期 |
構成比 |
前期比 |
売上高 |
|
|
|
|
|
電力事業 |
12,156 |
16.9% |
11,363 |
13.3% |
-6.5% |
化学・エネルギー事業 |
11,100 |
15.4% |
22,261 |
26.1% |
100.5% |
産業機械事業 |
37,067 |
51.5% |
35,191 |
41.3% |
-5.1% |
グローバル事業 |
11,608 |
16.1% |
16,490 |
19.3% |
42.1% |
売上高計 |
71,933 |
100.0% |
85,307 |
100.0% |
18.6% |
セグメント利益 |
|
|
|
|
|
電力事業 |
1,325 |
1.8% |
1,192 |
1.4% |
-10.0% |
化学・エネルギー事業 |
84 |
0.1% |
745 |
0.9% |
786.9% |
産業機械事業 |
1,179 |
1.6% |
1,143 |
1.3% |
-3.1% |
グローバル事業 |
-7 |
– |
733 |
0.9% |
– |
セグメント利益計 |
2,581 |
3.6% |
3,815 |
4.5% |
47.8% |
*単位:百万円。売上高は外部顧客への売上高。利益の構成比は売上高利益率。
①電力事業
減収・前期並み。
敦賀地区にて発電所向け安全対策工事等の大型商談が売上に計上されたものの、火力発電分野では発電設備の定期修理や設備更新等の延期の影響を受け減収。セグメント利益は、ほぼ前期並みとなった。
②化学・エネルギー事業
大幅増収・大幅増益。
前期の10月より連結子会社化した船舶用エンジンを取り扱うセイカダイヤエンジンの業績が通期で計上(前期は3ヵ月分計上)されたことに加え、敷島機器の業績が寄与し、売上高が大幅に増加。セグメント利益は増収に伴い大幅増益となった。
③産業機械事業
減収・前期並み。
飲料会社向け新設バイオマス関連設備の大型商談が売上に計上されたものの、国内繊維およびエンジニアリング会社向け産業機械等の売上が減少し減収。セグメント利益は、日本ダイヤバルブの業績が堅調に推移したものの、中国向け一部取引における費用負担があり、やや減益となった。
④グローバル事業
増収・黒字転換
中国向け繊維原料の販売価格上昇および西曄貿易(上海)有限公司の石油化学会社向け排水処理設備の売上が寄与したため、売上高が増加。セグメント利益は、主に建設工事用ポンプを取り扱うTsurumi (Europe) GmbHグループの業績が好調に推移したことも加わり、黒字転換した。
(3)財務状態とキャッシュ・フロー
◎主要BS
|
21年3月末 |
22年3月末 |
|
21年3月末 |
22年3月末 |
流動資産 |
81,371 |
89,746 |
流動負債 |
64,536 |
70,409 |
現預金 |
15,763 |
17,334 |
仕入債務 |
32,730 |
31,602 |
売上債権 |
36,159 |
36,029 |
短期有利子負債 |
7,565 |
5,506 |
棚卸資産 |
7,636 |
7,007 |
前受金 |
21,913 |
29,354 |
前渡金 |
20,639 |
28,551 |
固定負債 |
3,032 |
3,354 |
固定資産 |
16,087 |
15,119 |
長期有利子負債 |
53 |
27 |
有形固定資産 |
2,816 |
2,743 |
負債合計 |
67,568 |
73,764 |
無形固定資産 |
834 |
793 |
純資産 |
29,889 |
31,101 |
投資その他の資産 |
12,436 |
11,582 |
利益剰余金 |
17,907 |
18,734 |
資産合計 |
97,458 |
104,865 |
負債純資産計 |
97,458 |
104,865 |
*単位:百万円。有利子負債にはリース債務を含まない。
前渡金などが増加したことから、資産合計は前期末に比べ74億7百万円増加し1,048億65百万円となった。有利子負債の減少や仕入債務の減少などがあったものの、前受金が増加したため、負債合計は同61億96百万円増加し737億64百万円となった。
利益剰余金の増加などで純資産は同12億12百万円増加し311億1百万円。
自己資本比率は28.7%。
3.2023年3月期業績予想
◎連結業績予想
|
22/3月期 |
構成比 |
23/3月期(予) |
構成比 |
前期比 |
取扱高 |
134,261 |
157.4% |
170,000 |
178.9% |
26.6% |
売上高 |
85,307 |
100.0% |
95,000 |
100.0% |
11.4% |
営業利益 |
3,824 |
4.5% |
3,700 |
3.9% |
-3.3% |
経常利益 |
3,879 |
4.5% |
3,700 |
3.9% |
-4.6% |
当期純利益 |
2,246 |
2.6% |
2,500 |
2.6% |
11.3% |
*単位: 百万円。予想は会社側発表。
増収減益予想
2023年3月期の業績見通しについて、取扱高は前期比26.6%増の1,700億円、売上高は同11.4%増の950億円、営業利益は同3.3%減の37億円、当期純利益は同11.3%増の25億円を予想。配当は2022年3月期より5円/株増配し70円/株を予定。予想配当性向は33.6%。
4.今後の注目点(長期経営ビジョン「VIORB2030」)
「地球環境と調和したサステナブルなエネルギー創出・産業活動を支援する」というパーパス(存在意義)を実践し、豊かな社会の実現に貢献するために策定。
◎同社の存在意義
エネルギーおよび産業のインフラ分野に強みを持つ商社を核とする企業グループとして、地球環境と調和したサステナブルなエネルギー創出・産業活動を支援して行きたい。
◎事業面での重点分野
脱炭素:脱炭素のユーザーニーズと技術革新を機敏に捉えビジネス化
省エネ・省資源:産業界の恒久ニーズへの支援を拡大
サーキュラーエコノミー:循環経済の進展・実現の動きへの対応を強化
DX:広義に捉え商機を探求
◎経営面での主要5施策
①キャッシュマネジメントの仕組みの整備による資金余力の最大化
②100億円規模の事業投資による既存事業の深化と事業領域の拡張
③SDGsに資すると判断される事業や活動を応援するための10億円のファンドを設定
④組織スリム化と生産性向上による重点分野への人的リソース投入
⑤グループ各社毎の特性を踏まえた強みを明確にし経営資源を集中
◎成果を測るための指標
2030年度グリーンイノベーション関連取扱高 1,200億円。
◎連結純利益到達目標
2030年度当期純利益到達目標 40億円
5.トピックス
◎ドローンビジネス
超音波検査装置搭載のドローンによる点検サービスの拡大。~省エネ・省資源化への取り組み~
超音波検査機能を活用し、足場の設置が不要なため、タンク・煙突・ボイラー等の点検時間・コストの削減につながる。
2021年3月からサービスを開始、需要も期待も上昇中。着実に実績を上げてきている。
Terra Drone社への出資・国内総代理店契約を締結(2022年3月23日)電力、鉄鋼、石油、化学等の現場において高い評価を得ており、プラントや製造設備の「スマート保安」に貢献すると考えている。
(同社資料より)
◎盛土材料品質確認装置
西華デジタルイメージ(同社100%子会社)は、西松建設株式会社と共同で、一般土木工事などに使用される土砂の品質を現場で効率的に管理できる画像解析技術を用いた盛土材料品質確認装置を開発(2022年5月12日)。
従来、粒度試験を現場で行うには、試験室を設け、試験時間も2日間以上を要するため、実施には大掛かりな手間、費用や人工がかかるなどの問題が生じる。本装置を導入することで、粒度測定に要する時間は数十分(1試料当たり)と大幅に時間を短縮でき、1日に複数種類の土砂の測定も可能。
(同社資料より)
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
◎組織形態、取締役、監査役の構成
組織形態 |
監査役設置会社 |
取締役 |
8名、うち社外3名 |
監査役 |
4名、うち社外2名 |
2020年6月開催の定時株主総会にて独立社外取締役が1名増(総勢3名)となり、取締役の3分の1以上を確保。ガバナンスの強化を図っている。
◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2021年11月5日
<基本的な考え方>
当社は「社業の発展を通じ社会に貢献する。」を企業理念に掲げ、あらゆるステークホルダーと良好な関係を築きながら、中長期的な企業価値の向上に取り組んでおります。こうした取り組みを実行していくため「経営の健全性と透明性」「迅速な意思決定と実行」が必要不可欠であると考え、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。
なお、当社は独立社外取締役および独立社外監査役による経営の監督体制の強化を図っております。
<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示>
原則 |
開示内容 |
【原則1-4 政策保有株式】 |
「政策保有株式に関する方針」 当社は、取引先との取引内容や取引の規模・期間等を鑑みて、取引関係の維持・強化のために必要と判断する企業の株式を保有しております。 当社は、保有の意義が希薄と考えられる政策保有株式については、できる限り速やかに処分・縮減していくことを基本方針とし、毎年、取締役会で個別の政策保有株式について、保有目的が適切か、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかを精査し、検証の結果を有価証券報告書に開示しております。 なお、当社では、2021年3月期に一部保有株式を売却致しました。
「政策保有株式に係る議決権行使に関する方針」 当社が保有する株式の議決権の行使については、当該企業の経営方針を尊重した上で、当社の中長期的な企業価値向上に資するものであるかを議案毎に確認し、総合的に判断致します。
|
【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】 |
当社は、株主、機関投資家との積極的な対話を通じ、中長期的な企業価値の向上を図るため、年二回の決算説明会において社長自ら決算状況や中期経営計画の進捗状況を説明している他、株主総会においては、質疑応答時間を十分に設け、株主からの質問に対して丁寧な対応に努めております。 また当社は、個人株主からの対話(面談)の申込みに対しては総務・人事部が、機関投資家等の法人株主に対しては企画部が対応しております。 |