株式会社システナ(2317) 増収増益、DX関連が引き合い

2021/12/09

 

逸見 愛親 会長

 

三浦 賢治 社長

株式会社システナ(2317)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

情報・通信

代表者

逸見 愛親、三浦 賢治

所在地

東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階

決算月

3月

HP

https://www.systena.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

2,016円

96,847,828株

195,245百万円

20.6%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

-円

-%

55.46円

36.3倍

280.64円

7.2倍

*株価は11/26終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
* ROEは21年3月期実績、EPSは22年3月期予想、BPSは22年3月期第2四半期決算短信より。
*2021年12月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を行うことを決議。2022年3月期(予想)の1株当たりの期末配当金は、当該株式分割を考慮すると単純合計ができないため非表示(考慮しない場合の年間配当金は20円となり、前期と同水準)。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2018年3月(実)

54,320

5,170

5,147

3,542

36.32

46.00

2019年3月(実)

59,742

6,902

6,706

4,584

47.00

16.00

2020年3月(実)

64,552

8,163

7,871

5,471

56.22

20.00

2021年3月(実)

60,871

8,006

7,507

4,974

51.36

20.00

2022年3月(予)

66,100

8,300

8,004

5,371

55.46

*予想は会社予想。単位:百万円、円。2018年6月、1株を4株に分割(EPSを遡及修正)。2018年3月期のDPSは株式分割前の数値。
*2021年12月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を行うことを決議。2022年3月期(予想)の1株当たりの期末配当金は、当該株式分割を考慮すると単純合計ができないため非表示(考慮しない場合の年間配当金は20円となり、前期と同水準)。

 

(株)システナの2022年3月期第2四半期決算の概要と通期見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.中期経営計画(19/3期~25/3期)
3.2022年3月期第2四半期決算概要
4.2022年3月期業績予想
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 22/3期上期は前年同期比5.4%の増収、同4.8%の営業増益。売上高は同5.4%増の308億76百万円。クラウド事業は高成長を継続。また、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業はいずれも堅調な業績となっており、全体をけん引した。全社的にデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の引き合いが引き続き良好となっている。利益面では、高収益案件が増加傾向にあるソリューションデザイン事業が支え役だ。また、金融分野は回復途上であるものの、公共分野及び流通/サービス分野で新規案件獲得が進んだフレームワークデザイン事業も2桁の増益に。

     

  • 業績予想に変更は無い。22/3期の会社予想は、前期比8.6%の増収、同3.7%の営業増益。新型コロナウイルス感染拡大により抑制されていた顧客のIT投資の回復に加え、DX促進やテレワーク常態化への取り組み拡大が予想される環境下、主力事業であるソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ビジネスソリューション事業(ソリューション営業から名称変更)の全てにおいて増収増益を見込む。一方、新会計基準の適用や新価格設定の影響によりクラウド事業においては増収減益となる計画。配当予想は、株式分割を考慮しない場合、前期と同額の1株当たり年20円を予定(上期末10円、期末10円)。

     

  • 第1四半期時点では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていたものの、ようやく感染収束が見えてきた。フレームワークデザイン事業において、回復が遅れている金融分野も新規開発が徐々に動き出すだろう。加えて、想定以上に「DX」領域の案件深耕が順調であり、アフターコロナに向けて同社の成長期待が強まっている印象。「Canbus.」の米国展開が開始となることから、その進捗も注目ポイントとなろう。

     

1.会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社8社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。

 

【経営目標 - 日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える! 】

経営目標実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という、相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

 

【目標とする経営指標】

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)として、25/3期に連結売上高1,010億円、営業利益152億円(営業利益率15%)、一人当たり営業利益260万円、ROE25%を掲げている。

 

1-1 事業内容

事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ビジネスソリューション事業(ソリューション営業から名称変更)、クラウド事業、海外事業及び投資育成事業に分かれる。グループ全体で、自動運転・車載システム、社会インフラシステム、Webビジネス向けシステム、IoT関連システムおよびロボット/AI、モバイル機器等のソフトウェアの開発・品質検証、金融機関向けシステム開発、システムの運用・ヘルプデスク、IT商品の販売およびシステムインテグレーション、クラウドサービスの提供やゲームコンテンツの開発など、システムの企画・設計・開発・導入から保守・ユーザーサポートまでのトータル・ソリューション・サービスを提供している。

 

ソリューションデザイン事業(21/3期構成比39.1%)
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発や検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。顧客は、通信キャリア、通信機器メーカー、自動車メーカー、インターネットビジネス企業等。

 

フレームワークデザイン事業(21/3期構成比8.4%)
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システムや対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。以前は業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めていたが、業務自動化(RPA)、クラウド、データ分析、音声認識、画像認識などの新規事業が売上高の4割を占めるところまで育ってきており、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

 

ITサービス事業(21/3期構成比15.4%)
システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

 

ソリューション営業事業(21/3期構成比35.2%)-22/3期よりビジネスソリューション事業へ名称変更
ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

 

クラウド事業(21/3期構成比2.4%)
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「Google Workspace」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや2017年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.(キャンバスドット)」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「Google Workspace」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。顧客は、中堅から大企業までの一般事業会社等。

 

海外事業(21/3期構成比0.3%)米国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。顧客は、日系企業、アメリカ企業、通信キャリア、通信機器メーカー等。

投資育成事業(21/3期構成比0.3%)
戦略子会社(株)ONE Tech Japanが、AI、IoT、ロボット、FinTech、ソーシャルメディア関連の企画・開発・販売・サービス提供を手掛けている他、(株)GaYaがスマートフォン向けゲームコンテンツの開発・大手SNSサイトへの提供及び他社が開発・リリースしたゲームの運営受託を手掛けている。

 

*調整額▲1.1%

 

1-2 グループ会社

(同社資料より)

(同社資料より)

2.中期経営計画(19/3期~25/3期)

同社は、2019年に策定した、2024年3月期を最終年度とする「中期5カ年計画」を推進中であったが、21/3期は新型コロナウイルスによる経済活動の停滞などの影響で、減収を余儀なくされた。このような状況に鑑み、中期計画の達成年度を1年延ばし、新たに2025年3月期を最終年度として従来の計画目標である、売上高1,010億円、営業利益152億円を目指すこととした。
22/3期と23/3期は先行投資の時期となり、業績が本格的に拡大するのは、24/3期と25/3期となる見込み。

 

【経営の大方針- データ経営による生産性向上 - 】

・自社開発のCanbus.プラットフォームで構築したIT経営システムを活用した精度の高い原価管理とリアルな損益の早期掌握を行う。
・経営データの見える化とAI予測により数値化された経営情報をもとに、徹底した生産性の向上を図り、利益の最大化を目指す。

 

【ストラテジーと重視する経営指標及び25/3期目標】

今後10年で最も伸びる分野と位置付ける、オートモーティブ、キャッシュレス/決済、ロボット/IoT/RPA/クラウド、自社製品・自社サービスに経営資源を集中させる。

 

重視する経営指標と25/3期目標
重視する経営指標として、連結売上高、営業利益、営業利益率、一人当たり営業利益及びROEを挙げており、25/3期の目標として、連結売上高1,010億円、営業利益152億円、営業利益率15%、一人当たり営業利益260万円、ROE25%を掲げている。

 

【セグメント別の目標と取り組み】

ソリューションデザイン事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期予想

25/3期中計目標

売上高

212

229

238

208

395

営業利益

37

40

41

39

71

*単位:億円。
*22/3月期からソリューションデザイン事業に含まれていた子会社ProVisionのセグメントをITサービス事業に変更し、同じく子会社IDYのセグメントをビジネスソリューション事業に変更。変更に合せて22/3期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高395億円(19/3期212億円)、営業利益71億円(同37億円)を目指している。COVID-19の影響による社会的な需要増となっているネットビジネスに集中し業界の拡大を目指す。業界変革期にある車載事業は長期戦を視野に選択と集中を行う。また、顧客のビジネスモデルやプロセスの変革によりデジタルトランスフォーメーションの需要を喚起、システムインテグレーションだけでなく自社サービスの提供により事業拡大も目指す。
25/3期の分野別の計画は、車載の売上高が65億円(19/3期27億円)、社会インフラ/プロダクトの売上高が80億円(同8億円)、ネットビジネスの売上高が200億円(同102億円)、DXサービスの売上高が50億円(同23億円)。
車載は、現在の主力であるインフォテインメントやシェアリングに加え、MaaS、コネクテッドカー、更には自動運転や安全対策等、ビジネスチャンスが多い。社会インフラ/プロダクトでは、コミュニケーションロボットに加え、介護等の生活ロボット、産業用ロボット、医療用のロボットやシステムの開発需要が見込まれる。ネットビジネスでは、教育関連、5G関連サービス、更にはAI・IoT等の技術領域が注目され、この他、業務システムにおいても、現在需要が多い働き方改革やオープンソース活用に加え、AI・業務自動化、DX、人材不足対策等の開発需要が期待できる。

 

フレームワークデザイン事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期予想

25/3期中計目標

売上高

53

58

51

51

75

営業利益

8.4

10.6

8.6

8.7

12.5

*単位:億円。
*22/3月期からフレームワークデザイン事業に含まれていた新規サービス分野のセグメントをビジネスソリューション事業に変更。変更に合せて22/3月期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高75億円(19/3期53億円)、営業利益12.5億円(同8.4億円)を目指している。金融系システム開発のノウハウ展開と同時に、DX対応へ向けた変革を実現し、新規と既存顧客への積極展開を図る。また、受託開発体制の強化、開発、インフラ、保守の総合支援を実現するとともに、DX時代に向けた新たな成長エンジンを創出し、SaaS活用開発へ展開する。保険・銀行・社会インフラでは、既存顧客において領域拡大、デジタル化対応の基幹システムの刷新、統合対応の獲得を目指す。公共・流通サービスでは、金融系ノウハウの展開により新規領域の拡大を図るとともにDX関連開発で、最大化を目指す。
25/3期の分野別の計画は、既存の金融系ビジネスが売上高30億円(19/3期25億円)、公共等の新領域ビジネスが売上高20億円(同5億円)、DX関連ビジネスが売上高15億円(実績なし)。

 

ITサービス事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期予想

25/3期中計目標

売上高

78

87

94

154

180

営業利益

11

13

14

20

35.5

*単位:億円。
*22/3月期からソリューションデザイン事業に含まれていた子会社ProVisionのセグメントをITサービス事業に変更.。変更に合せて22/3月期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高180億円(19/3期78億円)、営業利益35.5億円(同11億円)を目指している。プロジェクトで培ったノウハウをもとに高い付加価値を有した「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」の請負型業務と「アセスメント」、「コンサルティング」のサービスに注力する。また、「ソフトウェア品質保証サービスの拡大」、BtoBtoC「ソーシャルゲーム」、「ネットビジネス」等のエンターテイメント領域に加えてBtoBのエンタープライズ領域の拡大を目指す。これら領域において、アライアンスと新サービスの強化と拠点の拡大を通じてビジネスフィールドの拡大を図る。
25/3期の分野別の計画は、「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」、請負型業務が売上高80億円(25/3期45億円)、品質検証業務が売上高60億円(同33億円)。

 

ビジネスソリューション事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期予想

25/3期中計目標

売上高

240

259

214

238

353.9

営業利益

12

16

14

16

24.5

*単位:億円。
*22/3月期からフレームワークデザイン事業に含まれていた新規サービス分野およびソリューションデザイン事業に含まれていた子会社IDYの
セグメントをビジネスソリューション事業に変更。変更に合せて22/3月期以降の数値を組み替えて記載。

 

25/3期に売上高353.9億円(19/3期240億円)、営業利益24.5億円(同12億円)を目指している。同社の総合営業として生産性向上・コスト削減・セキュリティ強化といった顧客の経営課題の解決に向けたソリューションサービスの提供に取り組む事で、付加価値ビジネスの創造と拡大を図り、顧客の事業を支えるICTパートナーへ変革し、継続的な売上・利益の向上に繋げて行く。25/3期の数値目標は、既存ビジネスを19/3期比で40%増、サービスビジネスを同180%増、DXビジネスを同350%増。

 

クラウド事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期予想

25/3期中計目標

売上高

11

14

15

15

19.7

営業利益

2

2

3

1

5

*単位:億円。

 

25/3期に売上高19.7億円(19/3期11億円)、営業利益5億円(同2億円)を目指している。DXを推進するDXプラットフォーム「Canbus.」によるサブスクリプションモデルを加速する。更に、テレワークなど働き方改革によるプロセスの変革を支援すべく「Cloudstep」と「Canbus.」による高付加価値型事業の成長を目指す。

海外事業

 

19/3期実績

20/3期実績

21/3期実績

22/3期予想

25/3期中計目標

売上高

1

1

1.9

2.3

6.4

営業利益

-0.3

-0.2

0.07

0.08

2.5

*単位:億円。

 

25/3期に売上高6.4億円(19/3期1億円)、営業利益2.5億円(同△0.3億円)を目指している。米国内では日系企業の技術支援をベースにエッジAI分野においてOne Tech社との共同営業を推進する。また、米国内の日系企業の技術支援、米国内でのPoC、インキュベーション支援業務を行い、売上・利益の基盤を強固なものとする。

 

*2010年3月期は、決算期変更に伴う5ヶ月間の変則決算。

3.2022年3月期第2四半期決算概要

3-1 上期連結業績

 

21/3期 上期

構成比

22/3期 上期

構成比

前年同期比

売上高

29,304

100.0%

30,876

100.0%

+5.4%

売上総利益

6,928

23.6%

7,417

24.0%

+7.1%

販管費

3,245

11.1%

3,558

11.5%

+9.6%

営業利益

3,683

12.6%

3,858

12.5%

+4.8%

経常利益

3,723

12.7%

3,738

12.1%

+0.4%

親会社株主帰属利益

2,511

8.6%

2,518

8.2%

+0.3%

*単位:百万円。

 

前年同期比5.4%の増収、同4.8%の営業増益
新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響により、経済活動が抑制される中、引き続きリモート営業、テレワークによるITサポートやソフトウェア開発支援にて、事業活動を推進。既存顧客の囲い込みに重点をおいた営業展開を積極的に進めた。

 

売上高は前年同期比5.4%増の308億76百万円。テレワーク需要の一巡や半導体の供給不足によってIT機器の調達の難しさに繋がっているビジネスソリューション事業は苦戦。ただし、クラウド事業は高成長を継続。また、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業はいずれも堅調な業績となっており、全体をけん引した。全社的にデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の引き合いが引き続き良好となっている。

 

利益面では、高収益案件が増加傾向にあるソリューションデザイン事業が支え役となっている。また、金融分野は回復途上であるものの、公共分野及び流通/サービス分野で新規案件獲得が進んだフレームワークデザイン事業も2桁の増益に。クラウド事業についても、独自サービス「Canbus.」を中心に積み上げが進み増益に貢献している。一方、赤字幅は縮小したものの海外事業が重しとなった他、世界的な半導体の供給不足等の影響を受けたビジネスソリューション事業が前年同期比16%の営業減益となっている。なお、売上高総利益率は前年同期比で0.4ポイント改善の24.0%。売上高対販管費率は同0.4ポイント上昇し11.5%となった。

 

※当第1四半期より経営管理区分を見直し、「ソリューションデザイン事業」に区分されていた株式会社ProVisionの事業を「ITサービス事業」に、株式会社IDYの事業を「ビジネスソリューション事業」にそれぞれ区分変更。また、「フレームワークデザイン事業」に区分されていたRPAなどの新規サービス分野を「ビジネスソリューション事業」に区分変更している。

 

※前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後の報告セグメントに組替えた数値で比較(以降も同様)。

 

3-2 セグメント別動向

 

21/3期 上期

構成比・利益率

22/3期 上期

構成比・利益率

前年同期比

ソリューションデザイン

9,422

32.2%

9,718

31.5%

+3.1%

フレームワークデザイン

2,219

7.6%

2,370

7.7%

+6.8%

ITサービス

6,553

22.4%

7,443

24.1%

+13.6%

ビジネスソリューション

10,578

36.1%

10,472

33.9%

-1.0%

クラウド

655

2.2%

1,003

3.3%

+53.2%

海外

91

0.3%

88

0.3%

-4.1%

投資育成

86

0.3%

87

0.3%

+0.5%

調整額

-304

-1.1%

-306

-1.1%

連結売上高

29,304

100.0%

30,876

100.0%

+5.4%

ソリューションデザイン

1,523

16.2%

1,606

16.5%

+5.5%

フレームワークデザイン

357

16.1%

421

17.8%

+17.9%

ITサービス

913

13.9%

952

12.8%

+4.3%

ビジネスソリューション

812

7.7%

682

6.5%

-16.0%

クラウド

104

16.0%

212

21.1%

+103.0%

海外

7

7.6%

-1

-1.4%

投資育成

-35

-41.1%

-15

-18.3%

調整額

連結営業利益

3,683

12.6%

3,858

12.5%

+4.8%

*単位:百万円。

 

ソリューションデザイン事業-売上高97億18百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益16億6百万円(同5.5%増)
「モビリティ」、「5G」を中心に車載事業、社会インフラ事業が堅調。アフターコロナを意識してDX関連の引き合いが増加傾向にある。会社側も成長分野として、積極的に新規開拓しており、売上高の増加に繋がった。

 

フレームワークデザイン事業-売上高23億70百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益4億21百万円(同17.9%増)
金融分野では、コロナ禍の不透明感に伴う大型プロジェクト縮小傾向が収まったものの、新規開発案件の展開が遅れており、未だ回復途上にある。ただし、会社側は上期が底であるとの認識を決算説明会の中で示している他、DX関連案件の引き合いは順調に増加傾向を見せており、積極展開を続けている。
公共分野では、マイナンバー関連、基盤構築関連案件でプロジェクト拡大が進み、受注増に繋がっている。こちらの領域についても、金融と同様にDX関連案件の獲得を目指して、積極展開を図っている。
流通/サービス分野では、一般中堅企業をターゲットに受託開発ビジネスを強化し、開発ラボを活用した保守開発サービスにより、新規案件獲得が進む。

 

ITサービス事業-売上高74億43百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益9億52百万円(同4.3%増)
コロナ禍の中、DX促進や更なる働き方改革に取り組む企業が業界を問わず増加しており、従来のIT環境を再構築/最適化する動きも見え始めている。こうした背景もあって、顧客の事業推進を支援するITサポートやクラウドソリューション導入が加速する状況下でのモバイル環境構築等、顧客の働き方を創造する高付加価値な案件が増えていることが、売上・利益の増加を牽引した。また、テレワークを推進する「ITトレーニング」、「セキュリティサービス」を営業フックにメーカーとのアライアンスを強化し、新規顧客開拓へ繋げた。

 

ビジネスソリューション-売上高104億72百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益6億82百万円(同16.0%減)
テレワーク需要の一巡に加え、世界的な半導体の供給不足により、IT機器の調達が困難な状況が続いていることも追い打ちをかけ、売り上げは微減。しかし、システムインテグレーション事業では、セキュリティ及びハイブリット環境の構築、また期初に統合したDX推進部にてデジタル化に向けたクラウド環境への移行、システム開発案件を受注。加えて、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発、保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件が拡大している。

 

クラウド事業-売上高10億3百万円(前年同期比53.2%増)、営業利益2億12百万円(同103.0%増)
テレワークにより働き方改革を進める企業、アフターコロナを見据えてデータドリブンな業務にシフトする企業から「Canbus.」の引き合いが増加した。同社自体も「Canbus.」を全社的に導入し、データ経営を推進。また、テレワークに適したグループウェアの再構築を検討する企業からも引き合いが増加しており、「Cloudstep」も堅調に推移している。

 

海外事業-売上高88百万円(前年同期比4.1%減)、営業損失1百万円(対前年同期8百万円の損失)
日本市場では、準備していたPOCがコロナ禍の影響でストップするなど、厳しい状態は継続。ただ、米・日の企業からAIやIoT(LoRa)を使った独自の業務効率化サービス、スマートファクトリー化案件の引き合い・追加受注が増加。この他、同社エンジニアによるアウトプットの質の高さが評価され、競合他社から同社に業務を集約する動きが加速中である他、日本で実績を積み上げている独自サービス「Canbus.」の米国展開を開始するなど、着実な事業進展が見られている。

 

3-3 財政状態

財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

 

21年3月

21年9月

 

21年3月

21年9月

現預金

19,037

19,513

仕入債務

5,257

4,098

売上債権

12,826

11,750

未払金・未払費用

1,872

2,210

たな卸資産

831

655

未払法人税

1,681

1,352

流動資産

33,420

32,885

賞与引当金

1,227

1,202

有形固定資産

917

973

有利子負債

1,550

1,550

無形固定資産

307

305

負債

12,889

11,271

投資その他

4,240

4,652

純資産

25,996

27,545

固定資産

5,465

5,931

負債・純資産合計

38,886

38,817

*単位:百万円。

 

21年9月末の総資産は前期末との比較で69百万円減の388億17百万円。資産サイドでは、受取手形、売掛金及び契約資産が減少した一方、現預金の他、敷金及び保証金の増加に伴う投資その他の資産の増加が目立った。負債では、買掛金、未払法人税等が減少した。自己資本比率は70.0%と前期末で4.1ポイント上昇。

 

3-4 最近のトピックス

新市場区分の選択申請
東京証券取引所は、2022年4月に予定する市場再編に伴い「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つの市場区分を新設する。なお、同社は新市場区分の中で最上位と位置付けられる「プライム市場」を選択・申請することを取締役会で決議したことを2021年9月16日付で発表している(※2021年7月9日付で同市場の上場維持基準に適合していることを確認済み)。

 

「WinActorラウンジ2021」への出展
NTTデータが開催しているイベントで、大きな転換期を迎えているビジネス環境を乗り越えるために、未来の企業のあり方を考える経営理論、日本を代表する各社の先行事例、これを実現する最先端の連携ソリューション情報を一気に収集することができる。2020年に続き、2021年もオンラインでの開催となった。

 

同社は、「AIとRPAを導入しよう!」をテーマに、日本企業の業務にマッチしたRPAとして、幅広い分野の6,500社超に利用され国内シェア1位の「WinActor」とAI・AI-OCR製品との連携について紹介した。WinActorの他にも多数のRPAツールを取り扱っている同社だからこそできる提案を求めて、バーチャル展示ブースへの訪問者も多かったようだ。

4.2022年3月期業績予想

4-1 連結業績

 

21/3期 実績

構成比

22/3期 予想

構成比

前期比

売上高

60,871

100.0%

66,100

100.0%

+8.6%

営業利益

8,006

13.2%

8,300

12.6%

+3.7%

経常利益

7,507

12.3%

8,004

12.1%

+6.6%

親会社株主帰属利益

4,974

8.2%

5,371

8.1%

+8.0%

*単位:百万円。

 

業績予想に変更無し。前期比8.6%の増収、同3.7%の営業増益予想
22/3期通期の会社計画は、売上が前期比8.6%増の661億円、営業利益は同3.7%増の83億円の予想。新型コロナウイルス感染拡大により抑制されていた顧客のIT投資の回復に加え、DX促進やテレワーク常態化への取り組み拡大が予想される環境下、主力事業であるソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ビジネスソリューション事業(ソリューション営業から名称変更)の全てにおいて増収増益を見込んでいる。一方、新会計基準適用や新価格設定の影響によりクラウド事業においては増収減益となる計画。既存金融分野において新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新規案件の引き合い減少、延伸、中断などが発生し前期の落ち込みが大きかったフレームワークデザイン事業で売上、営業利益ともに最も成長率が高くなる予想となっている。また、人員増強や拠点の拡張やプロモーション費用の増加など先行投資負担の増加により、売上高営業利益率は12.6%と前期比0.6ポイント低下する計画となっている。

 

配当は中間配当として計画通り10円を実施。なお、同社は、2021年12月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合をもって株式分割を行うことを決議している。そのため、期末配当金は、当該株式分割を考慮した2.50円となる(株式分割を考慮しない場合は10円となるため、実質的には期初計画から変更はない)。

 

4-2 セグメント別見通しと取組み

 

21/3期

構成比・利益率

22/3期 予想

構成比・利益率

前期比

ソリューションデザイン

19,163

31.5%

20,750

31.4%

+8.3%

フレームワークデザイン

4,498

7.4%

5,121

7.7%

+13.8%

ITサービス

13,662

22.4%

15,383

23.3%

+12.6%

ビジネスソリューション

22,343

36.7%

23,835

36.1%

+6.7%

クラウド

1,484

2.4%

1,500

2.3%

+1.1%

海外

188

0.3%

230

0.3%

+22.2%

投資育成

178

0.3%

211

0.3%

+18.4%

調整額

-647

-1.0%

-930

-1.4%

連結売上高

60,871

100.0%

66,100

100.0%

+8.6%

ソリューションデザイン

3,624

18.9%

3,870

18.7%

+6.8%

フレームワークデザイン

772

17.2%

867

16.9%

+12.2%

ITサービス

1,873

13.7%

1,950

12.7%

+4.1%

ビジネスソリューション

1,499

6.7%

1,634

6.9%

+9.0%

クラウド

300

20.2%

100

6.7%

-66.7%

海外

7

4.0%

8

3.5%

+6.1%

投資育成

-71

-39.9%

-142

-67.3%

調整額

13

連結営業利益

8,006

13.2%

8,300

12.6%

+3.7%

*単位:百万円。

今期からソリューションデザイン事業に含まれていた子会社ProVision(今期業績予想:売上50億円、営業利益5億円)のセグメントをITサービス事業に変更し、同じく子会社IDY(今期業績予想:売上3.42億円、営業利益0.16億円)のセグメントをビジネスソリューション事業に変更し、フレームワークデザイン事業に含まれていた新規サービス分野(今期業績予想:売上10億円、営業利益1.1億円)のセグメントをビジネスソリューション事業へ変更した。21/3月期実績は変更に合せ各セグメント数値を組み替えた数値となっており、前期比は組み換え後の数値の比較となっている。

 

◎ソリューションデザイン事業-売上高207億50百万円(前期比8.3%増)、営業利益38億70百万円(同6.8%増)
選択と集中により、成長分野へ積極展開するとともに、付加価値の高い事業分野の創出を目指す。

 

◆成長分野への積極展開
「モビリティ」、「5G」、「AI」、「IoT」、「DX」等、成長分野での新規開拓に積極的に取り組む。

 

◆トータルソリューションへのシフト
ITコンサルテーションから運用まで顧客のサービスを全工程で支援する。従来の設計、開発、評価からさらに企画、運用とITコンサルからサービス運用まで裾野を広げることで、顧客へ付加価値を提供し、高収益体質を目指す

 

◆サービス強化による新規開拓・新分野開拓
DX関連のサービスを強化し、新事業を創出する。病院や医療従事者をターゲットにしたクラウド勤怠管理サービス「TimeTapps」、データ経営を支えるグループウェア「Palette」、無人おもてなし受付システム「WelTouch」、社内通貨システム「TenaPoint.」、技術ノウハウを社内で共有できる「TENATECH.」などの顧客にニーズを反映して開発した自社商材・サービスの拡大を目指す。更に、大阪府や愛媛県との事例のように、自治体の課題を解決する自社商材・サービスの開発を行い他の自治体へ横展開するとともにSIにもつなげていく。

 

◎フレームワークデザイン事業-売上高51億21百万円(前期比13.8%増)、営業利8億67百万円(同12.2%増)
金融分野を核とした既存事業と新規事業領域への展開の両面において、成長分野に注力し受注の最大化を目指す。
22/3期より同事業に含まれていた新規サービス分野をビジネスソリューション事業へ変更する。より受託開発とSIに特化することで、新しくスタートした公共、交通、インフラ、サービス、物流等の分野において新規顧客開拓を目指す。

 

◆既存事業の最大化と成長分野への展開
「保険・金融システム」「基盤構築」を軸としたプロジェクトの継続と、「公共」「流通・サービス」分野への積極展開を進める。

 

◆DX案件の積極受注
DXに伴う基幹システム刷新・基盤構築(クラウド)案件の受注に向けて、営業と技術の両面で体制を強化する。

 

◆サービス型ビジネスの拡大
「受託開発」、「業務支援」、「クラウド展開」を切り口にサービスを拡充する。また、本部間・サービスベンダーとの連携強化を通じて受注を拡大させる。

 

◎ITサービス事業-売上高153億83百万円(前期比12.6%増)、営業利益19億50百万円(同4.1%増)
DXの促進や働き方改革を加速する顧客が増加する環境下、従来のIT環境の再構築と最適化を行うとともに、新たなビジネスモデルを創造する企業に対してITサポート業務の拡張を図る。
21/3期は72社の新規顧客の開拓が図られたが、今後これら顧客との取引深耕を図る。また、今期は15件の新サービスを予定している。

 

◆高付加価値案件への更なる注力
「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」といった人員動員型サービスの提供で培ったノウハウをもとに、付加価値の高い「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」といったサービス単位の請負型業務と環境変化に応じた顧客要望への応対実績を活かした「アセスメント」、「コンサルティング」のサービス等、より顧客のビジネス成長とそのスピードアップに直結したサービスの提供に注力する。

◆ソフトウェア品質保証サービス(QA業務)の拡大
「ソーシャルゲーム」、「ネットビジネス」等、受注が拡大しているエンターテインメント領域で培った「品質保証サービス」を活かし、既存領域の拡大とエンタープライズ領域での新規開拓に注力する。
◆新規顧客開拓とビジネスモデルの創造
人材育成投資とグループ企業・協力会社とのアライアンスを通じて、新サービスやサポート範囲の拡充を図る。また、インサイドセールス強化や地方拠点開設によるサービスと営業強化を実施する。
その他、今期よりソリューションデザイン事業からITサービス事業にセグメントが変更となったProVisionにおいては、ソーシャルゲーム、ネットビジネス等(BtoBtoC)エンターテイメント領域の拡大に加えて、同社の業務知識を活かし、エンタープライズ領域の拡大を目指す。また、東京都ビジネスサービスにおいては、障がい者200名体制確立のため、同社とProVisionの顧客へ障がい者業務、支援コンサルティング業務の拡大を目指す(支援センター、コンサル業務)。

 

◎ビジネスソリューション事業-売上高238億35百万円(前期比6.7%増)、営業利益16億34百万円(同9.0%増)
22/3期よりソリューション営業からビジネスソリューション事業へ名称が変更となった。新型コロナウイルスの影響による投資抑制はあるものの、DXやテレワーク常態化への取り組みは拡大している。こうした環境下、既存事業の拡大を図るとともに成長分野へ軸足をシフトする。22/3期よりフレームワークデザイン事業に含まれていたRPAを中心とする新規サービス分野とソリューションデザイン事業に含まれていた5Gエッジゲートウェイで強みを持つ子会社のIDYがビジネスソリューション事業へセグメント変更となった。RPAと5G分野における拡充されたサービスメニューを営業力強化へ結び付ける。

 

◆ソリューション領域拡大への投資
サービスメニューの拡充に取り組むと共に、プロフィット部門への営業展開を進める。

 

◆ハイブリッド環境への取り組み強化
ハイブリッド環境への対応とクラウドパートナーとのアライアンスを強化する。

 

◆DX関連のサービス拡大
RPAやデータ連携ツールを含めたサービスメニューの拡充を図る。

 

◆サービスの拡販による収益力の強化
All Systenaの全てのサービスをワンストップで提供していく。

 

◎クラウド事業-売上高15億円(前期比1.1%増)、営業利益1億円(同66.7%減)
アフターコロナを見据えた業務改善と社内インフラ整備で引き合いが増加傾向となっている。「Canbus.」を中心とした自社サービスへの積極的な先行投資を行い、DX分野への展開を目指す。なお、新会計基準採用による進行基準に応じた利益の計上により約1億円、加えて、同社が仕入れているグーグル製品の価格改定により約1億円が営業利益を押し下げる要因として発生する見込みである。

 

◆「Canbus.」の認知度向上・販促強化に向けた先行投資
アライアンス強化を積極的に行い、「Canbus.」のOEM提供を開始。

 

◆サービス強化に伴う先行投資
DXプラットフォームとして様々な業務を実現可能にすべく、製品力強化を行うとともに、サポート力を向上させるための人材強化を実施し、顧客満足度向上を図る。

 

◎海外事業-売上高2億30百万円(前期比22.2%増)、営業利益8百万円(前期比6.1%増)
施策として、AI・IoTサービスの販売拡大、シリコンバレー日系企業とスタートアップ゚企業とのPoC開発技術支援拡大及び既存取引業務での受注範囲の拡大、「Canbus.」の営業開始を挙げている。

 

◆AI・IoTサービスの販売拡大
サービスの導入実績がある業界へ横展開すると共に、AIやIoT(LoRa)を使った独自のコールドチェーン、スマートファクトリーサービスを積極的に営業展開する。
◆シリコンバレー日系企業とスタートアップ企業とのPoC開発技術支援拡大
シリコンバレー日系企業とスタートアップ企業とのPoC開発案件の継続受注を目指すと共に、ベトナムオフショアを活用してコストダウンを図る。

 

◆既存取引業務での受注範囲の拡大
同社のエンジニアのアウトプット品質の高さと顧客目線による柔軟な対応と提案力により、競合他社担当分を同社へ移管する流れが加速している。

 

◆「Canbus.」の営業を開始
現地企業の業務のDX化支援として、日本で着実に実績をつけてきた「Canbus.」を営業展開。

 

 

5.今後の注目点

第1四半期時点では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていたものの、ようやく感染収束が見えてきた。フレームワークデザイン事業において、回復が遅れている金融分野も新規開発が徐々に動き出すだろう。加えて、想定以上に「DX」領域の案件深耕が順調であり、アフターコロナに向けて同社の成長期待が強まっている印象。前回レポートにて「クラウド事業については、サービス及び製品力の強化と認知度向上(販促強化)によって、一段と伸びが加速する余地があると弊社では見ている」と指摘した通り、第2四半期についても同事業の高成長は継続している。海外事業に区分されるが、「Canbus.」の米国展開が開始となることから、その進捗が注目ポイントとなろう(米国で好調ともなれば、国内での引き合いが再加速する可能性も期待されるため)。

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態

監査役設置会社

取締役

11名、うち社外3名

監査役

4名、うち社外4名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2021年11月18日)
基本的な考え方
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み】
当社のサステナビリティに関する取組みは以下のホームページをご覧ください。なお、プライム市場上場会社のみに課されているTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示についての当社の対応をご説明いたします。
当社はITサービスの提供を社業としており、物品の製造など環境負荷の高い事業は行っておりませんので、現在のところ、気候変動問題が当社事業に重大な影響を及ぼすことは想定されません。しかしながら、地球環境が人類共通の財産であり未来からの大切な預かりものであるという認識に基づき、2004年からISO140001の認証を取得し、資源利用の低減とごみの排出削減に努めております。また、気候変動にかかる企業各社の対応のうちIT化にかかる部分はすべて当社の事業領域であり、当社の収益拡大は、お客様の業務効率化に貢献し、資源利用の低減とごみの排出削減へとつながり、地球環境保全に貢献します。このため、当社の成長が気候変動を抑えることにつながると考えております。以上のような考え方に基づき、現在のところTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示には取り組んでおりません。今後、必要に応じて検討してまいります。なお、当社の環境に関する取り組みは、以下のホームページをご覧ください。
当社のサステナビリティに関する取組み https://www.systena.co.jp/sustainability/ 当社の環境に関する取組み https://www.systena.co.jp/sustainability/esg_environment.html

 

【補充原則4-3③ 最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立】
当社は創業者でありオーナー経営者でもある代表取締役会長が最高経営責任者として経営の大きな方向性の舵取り行い、代表取締役社長が最高執行責任者として業績等の適切な評価をもって社内を統率する体制を取っております。加えて代表取締役はいずれも独立役員の要件を満たした7名(社外取締役3名と社外監査役4名)の社外役員から牽制を受ける体制になっており、代表取締役を解任するような事態が生じた場合は独立役員からの提言をもとに取締役会にて議論のうえ、決定することで対処できると考えております。このため、現在のところ取締役会は最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立を行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

【補充原則4-10① 任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会の設置】
社外取締役3名と社外監査役4名の社外役員7名全員が東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしており、各々の独立役員が専門的な知見と豊富な経験を活かし、取締役会における特に重要な事項の審議に当たり、積極的に意見を述べるとともに、適時適切な助言が行われているため、現在のところ、独立した諮問委員会の設置は行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

<開示している主な原則>
【補充原則4-11③ 取締役会全体の実効性についての分析・評価、その結果の概要】
当社の取締役会の出席メンバーは15名で構成され、うち7名が社外取締役または社外監査役かつ東京証券取引所の定めに基づく独立役員であります。取締役会の実効性についての分析・評価を行うにあたり、「取締役会評価のためのアンケート」を用いて、取締役および監査役全員による取締役会の構成及び運営について自己評価を実施するとともに、新任社外取締役1名を除く社外取締役2名および社外監査役4名による社外役員ミーティングでこのアンケート分析結果に対する討議を行いました。
アンケートによる自己評価の分析結果および社外役員ミーティングでの討議の結果、当社の取締役会は役員それぞれの知識、経験等を活かし中長期的視点からの継続的成長と株主価値向上に資する議論がなされており、経営の監督に十分な議論が行われていることが確認できましたので、これをもって当社取締役会の実効性は確保されているものと評価いたしました。
当社は原則として、取締役および監査役による自己評価を参考にしつつ、取締役会全体の実効性についての分析・評価を毎年実施し、実効性を維持するとともに効果的な議論がなされるよう更なる改善を進めてまいります。

 

【原則5-1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、株主との建設的な対話を促進するために、ディスクロージャーポリシーを定め、開示しております。詳細は、当社ホームページに掲載しておりますので、ご参照ください。
 https://www.systena.co.jp/ir/management/disclosure.html
また、そのための体制整備・取組については、本報告書「III 株主その他の利害関係者に関する施策の実施状況」の「2.IRに関する活動状況」をご参照ください。

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