(3134)Hamee株式会社 ECネクストエンジン進捗を注目

2021/08/26

 

 

 

樋口 敦士 社長

Hamee株式会社(3134)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

小売業(商業)

代表者

樋口 敦士

所在地

神奈川県小田原市栄町2-12-10 Square O2

決算月

4月

HP

https://hamee.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(期末)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,556円

16,255,200株

25,293百万円

28.0%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

20.50円

1.3%

101.53円

15.3倍

404.97円

3.8倍

*株価は6/29終値。各数値は21年4月期決算短信より。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2018年4月(実)

9,376

1,379

1,266

872

54.69

5.50

2019年4月(実)

10,302

1,163

1,179

821

51.16

6.50

2020年4月(実)

11,325

1,744

1,756

1,064

67.07

7.00

2021年4月(実)

12,363

2,179

2,148

1,556

98.38

10.00

2022年4月(予)

14,000

2,250

2,248

1,612

101.53

20.50

* 予想は会社予想。単位:百万円、円。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下、同様。

 

 

Hamee(株)の2021年4月期決算概要、2022年4月期業績予想などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2021年4月期決算概要
3.2022年4月期業績予想
4.今後の注目点
<参考1:中期経営計画について>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 21年4月期の売上高は前期比9.2%増の123億63百万円。コマース事業は、コロナ禍で国内コマースのリアル(卸売)が減収となったものの、国内コマースのECが巣ごもり需要を取り込み大幅な増収。プラットフォーム事業は新規顧客獲得が順調に進んだネクストエンジン、コンサルティングともに好調だった。利益面では、収益性の高いEC及びプラットフォーム事業の伸長により売上総利益が同17.6%増加し粗利率も4.4ポイント上昇。人件費を中心とした販管費の増加を吸収して、営業利益は21億79百万円と同24.9%増加した。前期計上があった減損損失が当期はなかったことなどから当期純利益は同45.5%増の15億56百万円となった。利益は予想を上回っての着地。配当予想も業績堅調なことから当初の8.00円/株から2.00円/株増配の10.00円/株に修正した。配当性向は10.2%。 
  • 22年4月期の売上高は前期比13.2%増の140億円、営業利益は同3.2%増の22億50百万円の予想。コマース事業、プラットフォーム事業ともに増収増益を見込んでいる。配当は、前期に比べ10.50円/株増の20.50円/株と大幅増配を予定している。予想配当性向も前期の10.2%から20.1%へ大きく上昇する。 
  • 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費行動の変容という外部要因に加え、同社の強みである「iFace」に代表される商品力および「ネクストエンジン」による業務効率向上能力が需要を確実に取り込んで業績は順調だ。中期経営画では22年4月期売上高を当初138億円としていたが、今期予想は140億円と計画を着実に達成する見込みである。 
  • 中期経営計画では、既存事業で獲得した経営資源を活用した「フローからストックへのビジネスモデルの転換」を中心的な目標と位置付けている。具体的な商材としては「スマホ保険」や「iFaceアプリ」となるのだろうが、新経営体制の下、どのようなスピード感でこれらが成長していくのか、その進捗を注目してきたい。 

     

1.会社概要

happy mobile, easy e-commerce」(社名の由来でもある)を事業Domainと定め、「happy mobile」を実現するためのモバイルアクセサリーの企画・開発とインターネット販売及び卸販売(コマース事業)、「easy e-commerce」を実現するためのEC事業者向けクラウド型(SaaS)業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」の開発・提供(プラットフォーム事業)の2事業を展開している。プラットフォーム事業では業界トップのユーザー数を誇る。コマース事業では特徴的なデザインや製品の堅牢性などからモバイルアクセサリーとして高い認知度を有し若年層から強く支持される「iFace」が主力製品。

 

【1-1 企業理念】

MISSION「クリエイティブ魂に火をつける」、VALUE「笑顔と入魂」を掲げこれらを社員一人一人に浸透させることで企業の進化成長を図り、同時にその企業理念を体現するプロダクトやサービスを開発し、世界をクリエイティブの力でより良くするための取り組みを実践している。

 

MISSION クリエイティブ魂に火をつける

 

驚かせたい、喜ばせたい、幸せにしたい……。

想像を膨らませ、没頭する。

才能を最大限に発揮し、挑戦し、成し遂げる。

クリエイティブ魂は、まさにそのとき、燃え盛る。

 

まずは、Hameeの一人ひとりがクリエイティブ魂を燃やす。

そこから生み出すアイデアにテクノロジーと知恵を結集し、

体感する顧客のクリエイティブ魂に火をつける。

 

燃え盛るクリエイティブ魂が、世界をより良くすると信じて。

VALUE 「笑顔と入魂」

 

 

 

そこに愛があるか?

進化・成長しているか?

自分事として動いているか?

 

【1-2 事業概要】

報告セグメントはコマース事業、プラットフォーム事業の2つ。その他は「ふるさと納税支援サービス」、小学生向け見守りモバイル端末「Hamic POCKET」等、既存の両事業に明確に分類できない新たなサービス。

 

(1)コマース事業
モバイルアクセサリーを中心とした雑貨等の企画・製造(ファブレスメーカー)及び仕入を行い、一般消費者へのインターネット通信販売(小売)や大手雑貨量販店・大手家電量販店等への卸売を行っている。インターネット通信販売は、国内に加え、海外子会社を通して、一般消費者向けの現地ECサイト運営や海外ECショッピングモール等への出店(越境EC)も行っている。

 

①販売チャネル
◎国内インターネット通信販売(小売) 
自社ドメインサイトに加え、同じタイプの店舗を、楽天やYahoo!等、複数のECサイトに出店している他、コンセプトやターゲットの異なる店舗を同一のモールに出店する等、多店舗展開を進め、一般消費者に向けてモバイルアクセサリー等を販売している。
主力製品のスマートフォンケース「iFace」は、耐衝撃性・機能性に加え特徴的なデザインからモバイルアクセサリー専門ブランドとして認知度は極めて高い。若年層顧客から強く支持されていることから、楽天ショップやau PAYマーケットで表彰を受けるなど、収益に大きく貢献している。加えてそのブランド力を活かし、スマートフォンケースに留まらず、財布やワイヤレスイヤホンケースなどへも商品展開を進めている。
店舗運営に当たっては、専門チームがUXの向上に努めている。
商品部(商品開発)、リレーションシップマネジメント部(接客)、WEBマーケティング部(店舗づくり)が一体となった事業展開も強みである。

 

◎国内卸販売(卸売) 
大手雑貨量販店や大手家電量販店を中心にモバイルアクセサリーの卸売を行っている他、EC事業者向けにインターネット卸販売サイトの運営を行っている。小田原本社(神奈川県)の他、東京、大阪に拠点を設け、ラウンダーと呼ばれる実店舗の売場構築を支援する人材を配置し、顧客満足度向上に努めている。また、海外の連結子会社を通じて、各国の実店舗向けの卸販売(一部の国ではEC事業者向け卸販売)を行っている。

 

◎海外向け販売
韓国、米国では自社ドメインサイトのほか、ECショッピングモールなどに出店。中国では越境ECプラットフォーム「天猫国際」のほか、淘宝網と小紅書にも出店し、それぞれ一般消費者向けにインターネット販売を展開している。

 

多様な販売チャネル

(同社資料より)

 

②商品企画・展開
時代のニーズに合わせた多種多様な商品展開が可能である。
中でも、同事業の主力製品である「iFace」においては、自社で企画・製造・販売を完結できる体制の構築を目指し、2019年10月に連結子会社Hamee Koreaが、韓国企業JEI DESIGN WORKS Inc.(JDW社)の運営する製品製造事業(ブランド企画・デザイン企画人材含む)を譲受した。JDW 社は、韓国国内の企業からプロダクトデザインを受託するなどブランド創出に関する豊富なノウハウを保有し、iFace シリーズの主要な仕入先の一社でもあった。
この譲受及び生産集約により、Hameeグループの自社生産比率は約60%まで上昇。目的としていたグローバルに展開できるプロダクトの創出と商品の製造原価低減を実現している。

 

このほか、取扱商品について多くのEC店舗における販売状況を分析することで、売れ筋商品をリアルタイムに把握し、商品仕入・企画に活用することが可能である。

 

(同社資料より)

 

(2)プラットフォーム事業
EC事業者向けに、ネットショップ運営に係る日々の業務を可能な限り自動化すると同時に、モール横断型で複数店舗の受注処理や在庫状況を一元管理できるクラウド型(SaaS)業務マネジメントプラットフォーム「ネクストエンジン」を開発・提供している。
また、連結子会社Hameeコンサルティング株式会社において、EC事業者向け販売支援コンサルティングを提供している。

 

①ネクストエンジン概要
同社自身によるEC商品販売事業のために開発したシステムを社外に提供したものであり、現在も当社コマース事業を支える基幹システムとして活用し、同事業からのフィードバックを踏まえながら継続的な改良を行っている。

 

メール自動対応、受注伝票一括管理、在庫自動連携、商品ページ一括アップロード等のメイン機能(標準仕様)を有し、ネットショップ運営の業務プロセスの自動化を進め、EC事業者の経営効率向上を支援する。ネットショップのルーティーン業務を可能な限り自動化すると共に、自社ネットショップや大手ネットモール等、異なるインターネットショッピングモールに出店した複数のネットショップの一元管理や複数のネットショップの在庫数表示の同期が可能である。
「ネクストエンジン」の基本料金は、ユーザーであるEC事業者の受注件数に応じた従量課金制(ユーザーの事業規模に応じた料金体系)。また、専用サーバープランやカスタマイズ(ネクストエンジンオーダーメイド)等のサービスもあり、この場合は顧客毎に個別料金を適用している。ネクストエンジン上の各種アプリについては、アプリによって異なる(無料、定額料金制、従量課金制)。

 

2013年12月に「ネクストエンジン」のAPI(Application Programming Interface、※)を公開した事で、ネクストエンジン」のプラットフォーム化が実現した。プラットフォーム化により、自社及び外部ディベロッパーが開発した各種アプリとの連携(機能拡張)や外部サービスとのデータ連携が容易になり、以後、様々な機能をもつアプリとの連携で継続的に付加価値を追加し競争優位性につなげている。

 

※API
あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータ等を、外部の他のプログラムから簡単に呼び出して利用できるようにするインターフェイスのこと。

 

②ネクストエンジンの強み
同社がECを運営する中で、「もっと業務を楽しくしたい」という現場の声から生まれたサービスであり、実際のEC運営におけるニーズを的確に反映させることができている。
また、「アプリ」で機能をカスタマイズ・追加することが可能であり、事業規模や社会環境が変化しても利用可能な仕組みとなっている。
こうした点が高く評価され、契約者数は業界No.1(同社調べ)である。
21年4月期末の総契約数は前期末比742社増の4,739社、利用店舗数36,004店(同5,169店増、いずれも自社調べ)。

(同社資料より)

 

 

2.2021年4月期決算概要

【2-1 連結業績】

 

20/4期

構成比

21/4期

構成比

前期比

予想比

売上高

11,325

100.0%

12,363

100.0%

+9.2%

-3.7%

売上総利益

6,430

56.8%

7,561

61.2%

+17.6%

販管費

4,686

41.4%

5,382

43.5%

+14.9%

営業利益

1,744

15.4%

2,179

17.6%

+24.9%

+22.6%

経常利益

1,756

15.5%

2,148

17.4%

+22.3%

+21.8%

当期純利益

1,069

9.4%

1,556

12.6%

+45.5%

+23.5%

* 単位:百万円

 

前期比9.2%の増収、同24.9%の営業増益。利益は予想を上回る。
売上高は前期比9.2%増の123億63百万円。コマース事業は、コロナ禍で国内コマースのリアル(卸売)が減収となったものの、国内コマースのECが巣ごもり需要を取り込み大幅な増収。プラットフォーム事業は新規顧客獲得が順調に進んだネクストエンジン、コンサルティングともに好調だった。

 

利益面では、収益性の高いEC及びプラットフォーム事業の伸長により売上総利益が同17.6%増加し粗利率も4.4ポイント上昇。人件費を中心とした販管費の増加を吸収して、営業利益は21億79百万円と同24.9%増加した。前期計上があった減損損失が当期はなかったことなどから当期純利益は同45.5%増の15億56百万円となった。

 

利益は予想を上回っての着地。配当予想も業績堅調なことから当初の8.00円/株から2.00円/株増配の10.00円/株に修正した。配当性向は10.2%。

 

【2-2 セグメント別動向】

 

20/4期

構成比・利益率

21/4期

構成比・利益率

前期比

コマース事業

9,208

81.3%

9,726

78.7%

+5.6%

プラットフォーム事業

1,848

16.3%

2,307

18.7%

+24.4%

その他

268

2.4%

329

2.7%

+22.9%

連結売上高

11,325

100.0%

12,363

100.0%

+9.2%

コマース事業

2,198

23.9%

2,498

25.7%

+13.7%

プラットフォーム事業

585

31.7%

954

41.4%

+63.0%

その他

-179

-273

調整額

-859

-1,000

連結営業利益

1,744

15.4%

2,179

17.6%

+24.9%

* 単位:百万円

 

(1)コマース事業
増収増益。

 

*コマース事業内訳

 

21/4期

前期比

EC(小売)

5,491

+20.4%

リアル(卸売)

3,958

-14.7%

連結調整

276

売上高

9,726

+5.6%

営業利益

2,498

+13.7%

営業利益率

25.7%

* 単位:百万円。リアル(卸売)は連結調整前。

 

国内事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、卸売先への出荷は前期比13.6%減と、通期業績予想をも下回ったが、小売では同感染症の拡大による消費者の購入経路の変化を上手く捉えることができた結果、同19.9%増と大幅増収となった。
商品面では、「iFace」が引き続き堅調に推移した。ロングヒットを続けている「iFace FirstClass」に加え、2019年に導入した「iFace Reflection」が順調に成長。2020年10,11月に発売された新型iPhone関連商品も堅調だった。

 

海外事業
最大市場の米国では新型コロナウイルス感染症の影響により、国内同様「巣ごもり需要」を取り込み、小売が好調に推移し、前年を大きく上回った。
海外輸出は回復途上。また、Hamee Global Inc.を中心に自社生産比率の向上、ソーシング機能強化等、サプライチェーンの改善に取り組み、コマース事業全体の基盤を強化し、収益向上に貢献した。

 

 

(2)プラットフォーム事業
増収増益。

 

*プラットフォーム事業内訳

 

21/4期

前期比

ネクストエンジン

1,969

+22.6%

Hameeコンサルティング

338

+36.3%

売上高

2,308

+24.4%

ネクストエンジン

960

+51.5%

Hameeコンサルティング

-6

営業利益

954

+63.0%

ネクストエンジン

48.8%

Hameeコンサルティング

-1.8%

営業利益率

41.4%

* 単位:百万円

 

◎ネクストエンジン
新型コロナウイルス感染症拡大による消費行動の変容からEC市場が大きく伸び、ネクストエンジン顧客企業の受注処理件数も増加。従量課金制を採っているネクストエンジンの売上も大きく伸長した。
また販路としてECの重要性が高まったこともあり、この流れを最大限取り込むべく「新型コロナウイルス支援策とりまとめ」等、EC事業を始める事業者のサポートを強化し、新規顧客獲得に繋げた。コールセンター業務の外部への移管完了に伴い、社内リソースがよりカスタマーサクセス活動へ注力できる体制を構築した。

また、「BtoBオーダーアプリ」「Facebookショップ連携アプリ」等、引き続きプラットフォーマーとしての付加価値向上にも取り組んだ。さらに、在庫管理・受発注管理等のECバックヤードの効率化機能に加え、「レコメンドメール自動配信アプリ」「manekine(マネキネ)」等による売上の自動化に取り組む等、サービスの拡張に努めた。

 

<主要KPIの概況>
*契約社数
前期末の契約社数は4,739社で計画を上回って着地した。
中期経営計画の目標5,500社超が視野に入ってきた。

 

*GMV(流通取引総額)
年間GMVは前期比30.8%増の9,444億円と1兆円目前まで拡大。契約社数の増加に伴い順調に拡大している。

 

*解約率
前期も0.82%~0.90%と引き続き低位で安定して推移した。カスタマーサクセス活動の強化により更なる改善を目指す考えだ。

 

*ARPU
21年3月期の年平均ARPU(各四半期期間において算出したARPUの単純平均)は、前期比5.0%増の36,539円。ECシフトの追い風を受け大幅に上昇した。

 

*LTV(Lifetime Value)
21年3月期の平均LTV(ARPU÷解約率で算出)は、前期比18.1%増の4,225千円。こちらも順調に拡大している。

 

◎コンサルティング
組織改善が奏功し、新規顧客獲得が順調に伸び収益が大きく改善した。

 

 

(3)その他事業
増収、損失拡大。

 

「ふるさと納税支援サービス」は、市場(寄付額)の拡大、パートナーとの連携強化等に取り組んだ結果、前年比16.7%の増収となった。また、2021年2月に「Hamic POCKET」をリリースした。
「ふるさと納税支援サービス」以外は、先行投資フェーズであるため営業損失は拡大した。

 

◎新規事業について
主要2事業の能力・実力を活かしイノベーティブな新規事業を創出するとともに、新規事業による既存事業の進化・成長の側面支援を目指している。
(注:③Pixioは「コマースセグメント」における新規事業であり、「その他セグメント」ではない)

 

①Hamic POCKET
子供がスマートフォンを持つ際、親は、一定の機能制限を有する安心な機能設計、安全確保機能などを希望する。一方実際に持つ子供は多様なアプリや周囲に自慢したくなるようなデザインを望んでいる。

 

Hamic POCKETはスマホデビューする前の、小学生のためのプレスマホ®。
「専用アプリによる安全なコミュニケーション機能」「アプリの利用時間、履歴確認機能」「GPS位置情報確認」「防犯ブザー機能」など安心・安全を確保する機能を持ちつつ、Google Playからのアプリダウンロードが可能で、デザイン性の高い「iFace」を使用することで、使用する子供のニーズにも対応している。

 

同社資料(2019年4月1日時点、総務省統計局「人口推計」)によれば、小学校低学年児童の約9割がスマートフォンを未所有だが、成長に連れてスマートフォンやITリテラシーの向上は不可欠である。
Hamic POCKETは本格的なスマートフォンデビュー前の親・子供双方のニーズに的確に対応したものである。
22年4月期中のPMF(プロダクトマーケットフィット)を目指し、継続的な機能・性能改善を実施する。PMF到達後は、販売チャネルの拡大、積極的なプロモーションを展開する予定で、広告宣伝投資は1億94百万円を計画している。営業損失は3億82百万円を見込んでいる。

(同社資料より)

 

②Hameeふるさと納税支援サービス
クラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」の提供に加え、自治体からの要望に応え、寄附申込管理、納税関連書類の発送、問合せ受付など、寄附申込後の煩雑な業務や問い合わせ対応などもサポートしている。
同社が20年以上のEC運営経験で培ったノウハウにより、「一元管理」と「自動化」による業務フロー改善や問い合わせ対応などの「ファン・リピーター作りのお手伝い」までを提供している。

 

22年4月期は、WEBデザイナー増強により既存顧客(自治体)におけるポータルサイトのブラッシュアップを行い、寄付額増加を図る。また、営業人員増強による新規自治体獲得も推進する。
今期の売上成長率は152%を見込んでいる。

 

◎RUKAMO
同社運営のネットショップ「RUKAMO」は、企業が作った価値ある退蔵商品を、本来それを必要とする人に届けることで、滞留在庫や大量に廃棄される商品を減少させるソリューション。企業は商品を出品し、生活者は商品を購入する際に全商品還元率50%でポイントが付与される。

 

同社では、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」を果たす持続可能性のあるサービスの提供を目指し、滞留在庫(余剰品、廃番品など)をRUKAMOに出品できるメーカーの募集を2020年7月から開始した。
これまでは「ネクストエンジン」を利用している企業のみが出品できたが、ネクストエンジンを利用していない企業もRUKAMOに出品できるようにした。

 

22年4月期はアップサイクルを更に強化して、流通増を狙う。また、既存の仕組みに捉われない、滞留在庫を流通させる仕組みの開発及びローンチも計画している。

 

③Pixio
2021年5月、ゲーミングモニターブランド「Pixio」を展開するPixio USA Inc.と独占販売代理店契約を締結した。

 

(Pixio概要)
Pixio USA Inc.は、2016年、カリフォルニア州トーランスのコアゲーマーによって設立されたモニターメーカー。
ゲーミングモニター「Pixio」は、「ゲーマーの、ゲーマーによる、ゲーマーのためのモニターメーカー」を目指し、有名メーカーの最上級グレードパネルを使用した高品質・高性能ながらも、仲介マージンやマーケティングコストをカットすることで、手頃な価格を実現したハイエンドゲーミングモニターブランドである。ダイレクトに国内外のコアゲーマーにゲーミングモニターを提供することでコアゲーマーから多くの支持と信頼を得ている。また、eSportsに使用するデバイスメーカーとして、複数のeSportsチームのスポンサーとなることで、eSportsコミュニティの活性化に貢献し、日本におけるeSportsの発展にも貢献するべく活動を行っている。

 

(独占販売代理店契約締結の背景)
Pixio USA Inc.は、Hameeグループの海外拠点であるHamee Global Inc.(韓国ソウル市)が2019年に事業譲受を行ったスマートフォンアクセサリーブランド事業「PATCHWORKS」の譲渡元であるPNS Holdings Inc.(韓国ソウル市)のグループ会社。「PATCHWORKS」ブランドのHamee Global Inc.への譲渡後も、両グループ全体で、事業面での連携を行ってきた。
Pixio USA Inc.が日本市場における「Pixio」ブランドのさらなる展開強化のためのパートナーを新たに探している中で、既に協力関係があるHameeとの独占販売契約締結に至った。

 

(期待するシナジー)
卸・ECにおける多様な販売チャネル、EC初期から培われてきたECノウハウ、マーケティングノウハウ、効率的なサプライチェーン管理ノウハウ、高いサービス品質の顧客サポート体制といったHameeの強みと、性能と品質を最重要課題として、ユーザーに直接製品を届けることにこだわってきた「Pixio」ブランドとのシナジーによって、両社がターゲットとする市場の潜在顧客ニーズを喚起し、より多くのお客様へ「Pixio」ブランドをお届けすることが可能になる。
さらに、将来的には両社が展開しているファンマーケティングにおける協力や、Hameeのスマートフォンアクセサリーユーザーのニーズに起因した新製品企画・開発における連携なども目指している。
Hameeグループのコマース事業として、既存のスマートフォンアクセサリーの事業領域に限らない、グループの強みを生かした新規事業創出、カテゴリー拡張に挑戦する考えである。

 

【2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)】

◎財政状態

 

20年4月

21年4月

増減

 

20年4月

21年4月

増減

流動資産

6,258

6,456

+197

流動負債

3,146

1,746

-1,399

現預金

3,453

3,354

-98

仕入債務

166

208

+42

売上債権

1,230

1,590

+360

短期有利子負債

1,648

60

-1,587

たな卸資産

1,063

973

-90

固定負債

126

64

-61

固定資産

1,837

1,882

+44

長期有利子負債

91

43

-48

有形固定資産

569

619

+50

負債合計

3,272

1,810

-1,461

無形固定資産

761

603

-157

純資産

4,824

6,528

+1,703

投資その他の資産

507

659

+151

利益剰余金

4,166

5,612

+1,445

資産合計

8,096

8,338

+242

負債純資産合計

8,096

8,338

+242

* 単位:百万円

 

売上債権増などで資産合計は前期末比2億42百万円増の83億38百万円。長短有利子負債の削減で負債合計は同14億61百万円減少の18億10百万円。利益剰余金の増加で純資産は同17億3百万円増の65億28百万円。
自己資本比率は前期末より19.2ポイント上昇し77.1%となった。

 

◎キャッシュ・フロー(CF)

 

20/4期

21/4期

増減

営業キャッシュ・フロー

1,934

1,941

+6

投資キャッシュ・フロー

-1,019

-412

+607

フリーキャッシュ・フロー

914

1,529

+614

財務キャッシュ・フロー

932

-1,736

-2,668

現金及び現金同等物期末残高

3,453

3,354

-98

* 単位:百万円

 

前期あった事業譲受による支出が無く投資CFのマイナス幅が縮小し、フリーCFのプラス幅は拡大。
短期借入金の減少で財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュ・ポジションはほぼ変わらず。

【2-4 トピックス】

①経済産業省・東京証券取引所の選ぶ「デジタルトランスフォーメーション注目企業2021」に選定
2021年6月、経済産業省と東京証券取引所とが共同で選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2021」において、「デジタルトランスフォーメーション注目企業2021(DX注目企業)」に選定された。昨年の「DX銘柄2020」に続き2年連続、前身である「攻めのIT経営銘柄」での選定を含めると、6年連続の選定となる。

 

(DX銘柄とは)
東京証券取引所に上場している企業の中から、企業価値の向上につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を「DX銘柄」として、業種区分ごとに選定して紹介するもの。
DXを推進している企業は、単に優れた情報システムの導入、データの利活用をするにとどまらず、デジタル技術を前提としたビジネスモデルそのものの変革及び経営の変革に果敢にチャレンジし続けている企業であり、そのさらなる活躍を期待する。

 

(選定基準)
企業のデジタル経営のために実践すべき事項をとりまとめたデジタルカバナンス・コードと銘柄評価基準が連動している設問を設定している。「ビジョン・ビジネスモデル」「戦略」「戦略実現のための組織・制度等」「戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム」「成果と重要な成果指標の共有」「ガバナンス」の構成で行う一次評価と、「既存ビジネスモデルの深化」及び「業態変革・新規ビジネスモデルの創出」の観点からなる「企業価値貢献」並びに企業の「DX実現能力」の構成で行う二次評価を基に選定される。東京証券取引所の国内上場会社(一部、二部、マザーズ、JASDAQ)約3,700社から「DX銘柄2021」として28社、「DX注目企業2021」として20社が選定された。
Hameeは、SaaS型EC Attractions「ネクストエンジン」および「Hamic POCKET」の開発・販売などが評価された。

 

②新経営体制への移行
2021年4月、現代表取締役社長 樋口敦士氏が代表取締役会長に、現取締役 水島育大氏が代表取締役社長に就任すると発表した。異動日は21年7月29日。
新経営体制により、更なる成長、企業価値向上を図る考えだ。

 

以下、樋口社長のコメント
「これからのEC市場の成長、今のHameeの役員の実力を考えると、彼らのスキル・ポテンシャルを最大限活かせる環境を整えれば、もっと大きな価値を生み出し、企業価値を高める事ができると常々考えております。そして、それが私の最重要な仕事と考えていました。
次期社長の水島、そして取締役チームへ経営を託す事で、来るべき大変革期にチャンスを掴む確度をあげて参ります。23 年前に起業しHameeを成長させることができましたが、私はトップダウン型の経営スタイルではなく、多くの仲間が力を合わせ今の形を作り上げました。年齢的にまだ現役でいられ、取締役と想いや戦略を共有し、厚い信頼関係が築けている今のタイミングでの社長交代がベストと考えます。
次期社長、各取締役が、事業展開のスピードを加速させ、企業価値の最大化を目指す事が出来るよう会長兼大株主として最大限経営チームをサポート致します。そして、これから時代に合わせた CX を進め、経営者を多数輩出して行く事で、Mission である”クリエイティブ魂に火をつける” を追求して行きます」

 

3.2022年4月期業績予想

【3-1 連結業績予想】

 

21/4期

構成比

22/4期(予)

構成比

前期比

売上高

12,363

100.0%

14,000

100.0%

+13.2%

営業利益

2,179

17.6%

2,250

16.1%

+3.2%

経常利益

2,148

17.4%

2,248

16.1%

+4.6%

当期純利益

1,556

12.6%

1,612

11.5%

+3.6%

* 単位:百万円

 

増収増益予想
売上高は前期比13.2%増の140億円、営業利益は同3.2%増の22億50百万円の予想。
コマース事業、プラットフォーム事業ともに増収増益を見込んでいる。
配当は、前期に比べ10.50円/株増の20.50円/株と大幅増配を予定している。予想配当性向も前期の10.2%から20.1%へ大きく上昇する

 

【3-2 セグメント別動向】

 

21/4期

構成比・利益率

22/4期(予)

構成比・利益率

前期比

コマース事業

9,726

78.7%

10,550

75.4%

+8.5%

プラットフォーム事業

2,308

18.7%

2,750

19.6%

+19.2%

その他

329

2.7%

700

5.0%

+112.8%

連結売上高

12,363

100.0%

14,000

100.0%

+13.2%

コマース事業

2,498

25.7%

2,550

24.2%

+2.1%

プラットフォーム事業

954

41.4%

1,050

38.2%

+10.1%

その他

-273

-250

調整額

-1,000

-1,100

連結営業利益

2,179

17.6%

2,250

16.1%

+3.2%

* 単位:百万円

 

(1)コマース事業
増収増益予想。

 

<国内事業>
卸売販売は21年4月期と同水準と見込み。
引き続きEC市場は拡大し、EC販売は成長を持続する。
新たにコスメ事業を開始するにあたり、広告宣伝を中心とした初期投資を実行する。営業損失は2億24百万円を見込む。
ゲーミングモニターはHameeがPixio USA社と代理店契約を結ぶ直前と同程度の売上,、6億65百万円を計画している。

 

<海外事業>
米国における自社商品を中心としたEC販売の拡大を見込んでいる。
韓国市場においてもコスメ事業を開始する。広告宣伝を中心とした初期投資により営損失益11百万円を見込む。
主力製品iFaceのグローバルサイトを開設し、DtoCスキームを開始する計画だ。

 

(2)プラットフォーム事業
増収増益予想。

 

<ネクストエンジン>
期末契約社数は5,500社を超え、ARPUは前期同水準を見込む一方、解約率は更なる改善を目指す。そのために、定型業務のデジタル化推進とアナログコミュニケーションの深耕や運用習熟度を高める為のウェビナー開催など、カスタマーサクセス活動を継続的に強化する。
「レコメンドメール自動配信アプリ」「manekine」等の販売推進、ビジネスパートナーや各種連携サービスとの相互送客など、アップセル施策を推進する。
将来の成長を見据え、クラウド化対応を中心としたサーバー投資の強化や開発人員強化及び新卒採用など積極的な投資を実行する。

 

<Hamee コンサルティング>
引き続き広告活動を強化し新規顧客獲得を図るほか、既存顧客を中心に、サービス強化によるコンサルアップセルプランを確実に実行する。
また、ネクストエンジン設定代行からのシナジー創出にも注力するほか、新規サービスの確立にも取り組む。

 

 

4.今後の注目点

新型コロナウイルス感染症拡大の影響による消費行動の変容という外部要因に加え、同社の強みである「iFace」に代表される商品力および「ネクストエンジン」による業務効率向上能力が需要を確実に取り込んで業績は順調だ。
中期経営計画では22年4月期売上高を当初138億円としていたが、今期予想は140億円と計画を着実に達成する見込みである。
中期経営計画では、既存事業で獲得した経営資源を活用した「フローからストックへのビジネスモデルの転換」を中心的な目標と位置付けている。
具体的な商材としては「スマホ保険」や「iFaceアプリ」となるのだろうが、新経営体制の下、どのようなスピード感でこれらが成長していくのか、その進捗を注目してきたい。

<参考1:中期経営計画について>

数値目標

 

19/4期 売上高

22/4期 売上高

備考

プラットフォーム事業

17億円(30.7%)

26億円(34%)

ネクストエンジン目標契約社数5,500社超。顧客サクセスを追求し顧客の売上と利益成長、ビジネスの進化に貢献
コマース事業

85億円(19.7%)

100億円(23%)

iFaceなど自社企画商品のブランディングを強化。売上、利益を維持しつつストック型ビジネスモデルへ進化
新規事業

0.3億円( - %)

12億円(17%)

サブスクリプションモデルのHamicシリーズ拡充。既存事業とデータ連携型ビジネスの立ち上げ
売上高合計

103億円(11.8%)

138億円(16%)

顧客体験価値追求のためのストック型ビジネスモデルへ進化

* ()内は営業利益率。2020年6月の公表時点の数値目標。

 

既存事業で獲得した経営資源(ケイパビリティ)をダイナミックに活用し、顧客体験価値追求のためのビジネスモデル転換(フローからストックへ)にチャレンジする。

 

プラットフォーム事業においてはテクノロジーとデータでカスタマーサクセスを追及し、コマース事業においてはプロダクトとデータで新体験を提供することで、顧客体験価値追及のためのビジネスモデル転換(フローからストックへ)にチャレンジ。
その過程で、EC業界の自動化を推進し、EC業界に携わる全ての人々の仕事が、よりクリエイティブな領域へシフトするような環境を提供し、テクノロジー企業グループとしてEC業界全体の成長に貢献することを目指す。

 

事業戦略
to Business(プラットフォーム)事業ビジョン
プラットフォーム事業で獲得した経営資源であるシステム開発と運用のノウハウ、ネクストエンジンに蓄積された膨大なデータを分析することで得られた知見やIoT機器開発ノウハウ等を最大限に活用し、テクノロジーとデータで顧客サクセスを追求する。

 

このビジョンに基づき、ネクストエンジン顧客企業の売上向上を自動化するサービスとして、「レコメンドメール自動配信アプリ」をリリースしているが、そのアプリの技術や、ネクストエンジンサービスの提供によって蓄積されたノウハウを活用し、EC事業者のメルマガ運用をAIにより自動化するアプリ「manekine(マネキネ)」を開発し、リリースした。

 

また、ネクストエンジン顧客企業に限らず、世の中に存在する大量の滞留在庫を減らし、SDGs目標12「つくる責任、つかう責任」を果たしてサステナビリティを体現するソリューション「RUKAMO」をリリースしている。
加えて滞留在庫に新たな価値を生み出し、流通を促す取り組みである「アップサイクル」企画を始めており、社会課題の解決に取り組んでいる。

 

to Consumer(コマース)事業ビジョン
コマース事業で獲得した経営資源である商品企画とデザインのノウハウ、量産体制と物流の整備、ECによる小売と卸販売の二つの販売チャネルを活用し、プロダクトとデータで顧客に新体験を提供する。

 

このビジョンに基づき、年間300万個を超える主力のスマホケースiFaceシリーズと親和性が高い、スマホ破損時の安心を提供する「スマホ保険」や「iFaceアプリ」をリリースしている。これは、モノを売るだけでない、体験という新たな価値をユーザーに提供する上で重要な、ユーザーとの持続的な接点、“つながり” を作っていく取り組み。

 

その他、2021年2月、専用サイトで「Hamic POCKET」の発売を開始した。「Hamic POCKET」は、親が“あんしん”、子供が “たのしい” 、そして本格的なスマホデビュー前の子供のIT・スマホリテラシー向上を実現に資するもの。

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査役設置会社
取締役 8名、うち社外2名
監査役 3名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2020年7月31日)
基本的な考え方
当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、企業の継続的な発展と株主価値向上のため、コーポレート・ガバナンスに関する体制の強化と経営理念の推進を経営の最重要課題としております。また、当社では、社外取締役(2名)及び社外監査役(3名)により取締役会の監督機能を高め、経営の健全性・透明性の確保に努めております。
今後も、取締役及び全従業員が法令・定款を遵守し、健全な社会規範のもとにその職務を遂行し、リスク管理、監督機能の強化を図り、経営の健全性・透明性を高めていく所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-9】
当社は、株式会社東京証券取引所が定める基準を参考に独立取締役を選任しており、当社独自の判断基準は定めておりません。今後、当社独自の独立性判断基準の策定を検討してまいります。

 

【原則4-11-1】
当社の取締役会は、当社の各業務の分野に精通した社内取締役及びものづくりに精通した社外取締役で構成されています。
現状において、取締役会の全体のとしての知識・経験・能力のバランスに問題ないものと考えておりますが、具体的方針の策定及び開示に関しては今後の検討課題といたします。

 

<開示している主な原則>
【原則1-4】
当社では、原則としていわゆる政策保有株式を保有しないことを基本方針といたします。現状において政策保有株式を保有しておりません。

 

【原則1-7】
当社は、関連当事者取引について、取引を行うこと自体に対する合理性があり、取引条件の妥当性があることが担保され、グループの利益が損なわれる状況にないもの以外は、これを行わないことを基本方針としております。関連当事者との取引を開始する際には、上記内容が担保されているかを慎重に判断し、会社法並びに当社稟議規程、職務権限規程に則り、取締役会決議等の決裁を受けることとしております。また、役員に対し定期的に関連当事者間の取引の有無を確認しており、有価証券報告書で開示しております。

 

【原則5-1】
当社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主等との建設的な対話を重視しており、代表取締役社長及びIR担当執行役員並びに経営企画部を中心に様々な機会を通じて株主や投資家との対話を持つように努めております。なお、IR担当執行役員の管掌部門に経理・財務部門を含めているため、会計数値の取りまとめと開示資料の作成機能が有機的に連携する体制となっております。
現在のところ、社長が出席する決算説明会を年に2回開催しているほか、四半期決算発表後から次の四半期決算期末までの約1か月半の間国内外の機関投資家とのミーティング(電話取材への対応を含む)を実施するほか、シンガポール、香港等で開催されるIRカンファレンスに参加することで、海外機関投資家との対話も積極的に行っております。ただ、足元では新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、決算説明会や海外IRカンファレンス等の中止を余儀なくされておりますが、決算説明の動画配信やオンラインでの海外投資家との面談設定等、代替策を実施しております。
それらの結果は、適宜、取締役会に報告しています。なお、株主との対話に際してはインサイダー情報の漏洩防止を徹底しています。

 

 

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