システナ 増収増益、主要セグメントを中心に利益率改善

2020/06/19

 

 

逸見 愛親

会長

 

三浦 賢治

社長

株式会社システナ(2317)

 

 

企業情報

市場

東証1部

業種

情報・通信

代表者

逸見 愛親、三浦 賢治

所在地

東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階

決算月

3月

HP

https://www.systena.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,561円

96,841,789株

151,170百万円

25.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

20.00円

1.3%

51.29円

30.4倍

233.94円

6.7倍

*株価は06/04終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2017年3月(実)

46,255

3,693

3,407

2,197

22.42

36.00

2018年3月(実)

54,320

5,170

5,147

3,542

36.32

46.00

2019年3月(実)

59,742

6,902

6,706

4,584

47.00

16.00

2020年3月(実)

64,552

8,163

7,871

5,471

56.22

20.00

2021年3月(予)

62,227

7,634

7,370

4,967

51.29

20.00

* 予想は会社予想。単位は百万円、円。2018年6月、1株を4株に分割(EPSを遡及修正)。

 

 

(株)システナの2020年3月期決算の概要と2021年3月期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

 

 

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2020年3月期決算概要
3.2021年3月期業績予想
4.中期経営計画(19/3期~24/3期)
5.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 20/3期は前期比8.1%の増収、同18.3%の営業増益。5G関連、インターネットサービス、デジタルトランスフォーメーション(DX)中心にソフト開発が好調を持続する中、業務範囲が拡大したITサービスやシステムインテグレーションに注力したソリューション営業の売上が増加する等、全てのセグメントで売上が増加。主要セグメントを中心に利益率も改善した。期末配当は0.5円増配の10円を予定(2Q末配当と合わせて年4円増配の20円)。
  • 21/3期予想は前期比3.6%の減収、同6.5%の営業減益。減収・減益を見込む業績予想は、2015年に中期経営計画を発表して以来、初めてのことだが、投資家にとって当面の企業活動についての手掛かりとなる業績予想を開示することで上場企業としての責任を果たした。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を織り込んだ保守的な業績予想であり、上期は大きな影響を受けるとみている(下期以降の緩やかな経済活動の回復を前提としている)。配当は過去最高水準の年20円を維持する(2018年6月に1:4の株式分割を実施)。
  • コロナ禍の影響による商談の停滞や案件の先延ばし等で先行きの不透明感が強いが、その一方で、在宅ワークやリモートワーク関連商材の需要が引き続き強いと言う。また、IT投資に関して様子見姿勢に転じた顧客もあるが、IT投資の計画を全面的に撤回した顧客はないと言う。このためコロナ禍一巡後は、IT投資が一気に動き出す可能性がある。同社は、在宅ワークやリモートワーク関連等の時宜にかなったビジネスで需要の取り込みを図ると共に、コロナ後に備えて体制の整備を進める考えだ。

1.会社概要

2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末の設計・開発・検証に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識及び基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社9社及び持分法適用会社3社と共にグループを形成している。

 

 

【経営目標 - 日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える! 】

経営目標実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」という相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。

 

 

【目標とする経営指標】

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)として、24/3期に連結売上高1,010億円、営業利益152億円(営業利益率15%)、一人当たり営業利益260万円、ROE25%を掲げている。

 

1-1 事業内容

事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、海外事業、及び投資育成事業に分かれる。

 

 

ソリューションデザイン事業
モバイル端末開発で培ったノウハウを強みとする自動運転やテレマティクス等の「車載」、電力、交通、航空、宇宙、防衛等の「社会インフラ」、通信キャリア、Eコマース、教育、電子書籍等の「ネットビジネス」、スマートフォン、家電、ロボット等の「スマートデバイス/ロボット/AI」、及びワークフローや受発注システム等の「業務システム」の5つのカテゴリーに経営資源を集中させている。いずれのカテゴリーも、IoT関連のシステムやサービスの開発や検証の引き合いが活発である。また、ベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.が、ソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点としての機能を担っている。

 

フレームワークデザイン事業
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システムや対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。以前は業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めていたが、業務自動化(RPA)、クラウド、データ分析、音声認識、画像認識などの新規事業が売上高の3割を占めるところまで育ってきており、ITサービス事業やソリューション営業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。また、ソリューションデザイン事業と同様にSystena Vietnam Co.,Ltd.がオフショア拠点としての機能を担っている。

 

ITサービス事業
システムやネットワークの運用・保守、ヘルプデスク、ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。

 

ソリューション営業事業
ITプロダクト(サーバー、PC、周辺機器、ソフトウェア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。

 

クラウド事業
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「G Suite」と同社開発の「Cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウェアのクラウドサービスや2017年5月にサービスを開始したクラウド・データベースサービス「Canbus.\キャンバスドット」、スマートフォン向けフィッシング対策ソリューション「Web Shelter」などを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「Cloudstep」とは、「G Suite」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。

 

海外事業
国の現地法人はモバイルや通信関連の開発・検証支援と米国の最新技術・サービスの動向調査・インキュベーションを二本柱とし、ベトナムの現地法人はソフトウェア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けるオフショア拠点との位置づけ。

 

投資育成事業
戦略子会社(株)ONE Tech Japanが、AI、IoT、ロボット、FinTech、ソーシャルメディア関連の企画・開発・販売・サービス提供を手掛けている他、(株)GaYaがスマートフォン向けゲームコンテンツの開発・大手SNSサイトへの提供及び他社が開発・リリースしたゲームの運営受託を手掛けている。

 

 

1-2 企業集団の状況

(同社資料より)

 

2.2020年3月期決算概要

2-1 連結業績

19/3期

構成比

20/3期

構成比

前期比

期初予想

予想比

売上高

59,742

100.0%

64,552

100.0%

+8.1%

63,147

+2.2%

売上総利益

12,753

21.3%

14,412

22.3%

+13.0%

販管費

5,850

9.8%

6,248

9.7%

+6.8%

営業利益

6,902

11.6%

8,163

12.6%

+18.3%

7,865

+3.8%

経常利益

6,706

11.2%

7,871

12.2%

+17.4%

7,622

+3.3%

親会社株主帰属利益

4,584

7.7%

5,471

8.5%

+19.3%

5,140

+6.4%

* 単位:百万円

 

前期比8.1%の増収、同18.3%の営業増益
売上高は前期比8.1%増の64,552百万円。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で期末のPoC案件や予算消化案件がほぼ全て消失したものの、主力のソリューションデザイン事業の売上が同7.9%増加した他、その他の主要セグメントも収益性の改善を伴って売上が増加した。

 

営業利益は同18.3%増の8,163百万円。人件費や研究開発費等を中心にした販管費の増加を、売上の増加と高付加価値化等による収益性の改善で吸収した。

 

 

2-2 セグメント別動向

19/3期

構成比

・利益率

20/3期

構成比

・利益率

前年同期比

期初予想

予想比

ソリューションデザイン

21,214

35.5%

22,914

35.5%

+7.9%

23,450

-2.3%

フレームワークデザイン

5,294

8.9%

5,771

8.9%

+9.0%

5,770

+0.0%

ITサービス

7,827

13.1%

8,650

13.4%

+10.5%

8,692

-0.5%

ソリューション営業

24,032

40.2%

25,887

40.1%

+7.7%

24,000

+7.9%

クラウド

1,129

1.9%

1,404

2.2%

+24.4%

1,230

海外

120

0.2%

147

0.2%

+22.6%

150

 -

投資育成

377

0.6%

213

0.3%

-43.4%

305

 -

調整額

-272

-0.4%

-437

-0.6%

-450

 -

連結売上高

59,742

100.0%

64,552

100.0%

+8.1%

63,147

+2.2%

ソリューションデザイン

3,666

17.3%

4,059

17.7%

+10.7%

4,408

-7.9%

フレームワークデザイン

841

15.9%

1,057

18.3%

+25.7%

968

+9.2%

ITサービス

1,067

13.6%

1,264

14.6%

+18.4%

1,220

+3.7%

ソリューション営業

1,155

4.8%

1,622

6.3%

+40.4%

1,242

+30.7%

クラウド

197

17.5%

209

14.9%

+5.8%

64

+227.0%

海外

-31

-16

-15

 -

投資育成

4

1.2%

-33

-22

 -

調整額

- 

連結営業利益

6,902

11.6%

8,163

12.6%

+18.3%

7,865

+14.8%

* 単位:百万円

 

 

ソリューションデザイン事業
当事業は、「車載システム」、「社会インフラ」、「インターネットサービス」、「AI・ロボット」、及び「業務システム」の5つの成長分野にフォーカスしている。
20/3期は売上高22,914百万円(前期比7.9%増)、営業利益4,059百万円(同10.7%増)。第3四半期に発生した業務システム開発での不採算案件の影響も収束し、一時的に減少した売上・利益も「5G関連」、「インターネットサービス」、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」、「働き方改革」等でのシステム開発の引き合い・受注増により回復した。利益面では、ベトナムのオフショア活用が前期比33%増加する等で収益性も改善した。不採算案件の発生を踏まえて、注力する分野での受注活動と共に、プロジェクト管理体制の強化を継続する。

 

 

フレームワークデザイン事業
当事業は、既存顧客を中心とした金融分野と、業務自動化ソリューションを中心とした新規サービス分野にカテゴライズして受注拡大に取り組んでいる。
20/3期は売上高5,771百万円(前期比9.0%増)、営業利益1,057百万円(同25.7%増)。既存金融分野は、大型保険システム開発がピークアウトしたが、新規の金融・保険・業務システム開発の寄与で売上が増加。新規サービス分野は、業務自動化ソリューションのライセンス販売、それに伴う導入支援、開発支援等が増加し、売上構成比が30%(第4四半期は35%)に上昇。収益性の高い新規サービス分野の寄与で収益性も改善した。

 

 

ITサービス事業
当事業は、人材動員力を強みとした「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」等の従来の派遣型サービスから、「ITサポート」、「ITインフラ構築」といった請負型サービスへのシフトが進んでいる。
20/3期は売上高8,650百万円(前期比10.5%増)、営業利益1,264百万円(同18.4%増)。顧客のプロフィット部門への営業強化による案件の取り込みに加え、社内IT部門の「Windows10移行」、「AI・RPA導入支援」等、高付加価値なスポット案件の寄与で売上・利益が増加した。「AI関連サービス」、「ITトレーニング」を営業フックに新規顧客の開拓も進み、新規顧客獲得件数が前期比20%増加すると共に、請負型案件の比率が75%に上昇し収益性改善に寄与した。

 

 

ソリューション営業
当事業は、IT関連商品の法人向け販売及び外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務としている。ALL Systena体制の確立でビジネスモデルや収益体質が変わりつつある。
20/3期は売上高25,887百万円(前期比7.7%増)、営業利益1,622百万円(同40.4%増)。Windows7、WindowsServer2008のサポート終了に伴うシステム案件が増加した他、「働き方改革」をキーワードにモバイル・セキュリティ・クラウドを中心にした需要喚起も成果をあげた。また、ロードマップの把握から、IT機器の導入、インフラ構築、システム開発、更には保守運用に至る高付加価値のワンストップサービス案件も増加した。

 

 

クラウド事業
売上高1,404百万円(前期比24.4%増)、営業利益209百万円(同5.8%増)。「デジタルトランスフォーメーション(DX)」や「データ経営」をキーワードに需要喚起した結果、「Canbus.」の受注が増加した他、「働き方改革」や「テレワーク」を進める企業向けに、「Canbus.」、「G Suite」、「Cloudstep」に関連するシステムインテグレーションも増加した。

 

 

海外事業
売上高147百万円(前期比22.6%増)、営業損失16百万円(前年同期は営業損失31百万円)。ONE Tech社及びONE Tech Japan社との共同営業が成果をあげ、日米の様々な企業からAIやIoT(LoRa)を使った独自サービスの引合・受注が増加した。また、複数の日系企業向けソフト開発やサポート業務も増収に寄与した。この他、CCPA(後述)施行に併せて、米国内でもStrongKey社のセキュリティサービスの営業を展開した。
損益面では、下期に入り、営業黒字が続いており、黒字体質が定着してきた。

 

尚、CCPAとは「California Consumer Privacy Act」の略で、消費者に自身の個人情報の取扱いをコントロールする権利を与えるためのカリフォルニアの州法。 対象はカリフォルニア内の企業だけにとどまらず、一定の売上($25百万)を上げており、かつカリフォルニア州民の個人情報(名刺やメールアドレスなどを含む)などを取得したことのある企業は対象となる。

 

 

2-3 財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)

財政状態

19年3月

20年3月

19年3月

20年3月

現預金

14,376

14,925

仕入債務

6,056

5,868

売上債権

13,486

13,883

未払金・未払費用

1,547

1,858

たな卸資産

906

11,26

未払法人税・消費税等

2,318

2,170

流動資産

29,166

30,840

有利子負債

1,550

1,550

有形固定資産

588

836

負債

13,312

13,000

投資その他

3,842

3,976

純資産

20,592

22,955

固定資産

4,738

5,115

負債・純資産合計

33,904

35,956

* 単位:百万円

 

業容の拡大により、期末総資産は35,956百万円と前期末の比較で2,051百万円増加した。流動性に富み、安定性にも優れる財務体質に変化はなく、手元流動性比率2.77ヶ月、自己資本比率63.0%(前期末59.9%)。

 

 

キャッシュ・フロー(CF)

19/3期

20/3期

前期比

営業キャッシュ・フロー

7,028

4,831

-2,197

-31.3%

投資キャッシュ・フロー

-970

-640

+330

財務キャッシュ・フロー

-1,247

-3,145

-1,898

現金及び現金同等物期末残高

14,180

15,221

+1,041

+7.3%

* 単位:百万円

 

法人税等の支払額△2,664百万円(前期△1,088)を含めた運転資金が増加したものの、税前利益7,871百万円(前期6,699)等で4,831百万円の営業CFを確保した。投資CFは有形・無形固定資産の取得や関係会社への貸付金等で、財務CFは自己株式の取得や配当金の支払いによる。

 

 

参考:ROEの推移

16/3期

17/3期

18/3期

19/3期

20/3期

ROE

17.22%

15.73%

22.43%

24.63%

25.47%

売上高当期純利益率

5.27%

4.75%

6.52%

7.67%

8.48%

総資産回転率

1.93回

1.92回

2.03回

1.92回

1.85回

レバレッジ

1.70倍

1.72倍

1.70倍

1.67倍

1.63倍

* ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ

 

 

2-4 新型コロナウイルス感染症への対応状況 : 感染者の発生はなく、通常時と同等の業績を継続

同社では、新型コロナウイルス感染拡大の問題が取りざたされ始めた2月から、「感染防止」及び最悪の事態を想定した「事業継続」のための施策を進めてきた。具体的には、社内の全ての入口に手指消毒用のアルコール除菌液を設置すると共に、マスクの着用を推奨し、特に人が一定数以上集まる場においては、会社からマスクを配布している。また、産業医と社内常駐の保健師からの指導の下、社員の健康管理及び社内でのクラスター発生防止のための措置を講じており、6月12日現在、同社内で新型コロナウイルス感染者は確認されていない。
併せて、在宅勤務の環境を整備し、可能な社員は順次、テレワークに移行している。また、国の施策や要請に応じた柔軟な勤務体系を実現すべく、各種社内規程の改定を行い、社員の勤務時間の自由度も向上させている。4月中旬からは病院と提携して社員専用のオンライン診療を実現し、感染者を出さないための施策だけでなく、万一の場合に早期発見、早期対応ができる仕組みを整備している。これら施策により、現在、同社では通常時と同等の業務の継続が可能となっている。

3.2021年3月期業績予想

3-1 連結業績

20/3期 実績

構成比

21/3期 予想

構成比

前期比

売上高

64,552

100.0%

62,227

100.0%

-3.6%

営業利益

8,163

12.6%

7,634

12.3%

-6.5%

経常利益

7,871

12.2%

7,370

11.8%

-6.4%

親会社株主帰属利益

5,471

8.5%

4,967

8.0%

-9.2%

* 単位:百万円

 

前期比3.6%の減収、同6.5%の営業減益予想
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を織り込み、保守的な業績予想となった。下期以降の緩やかな経済活動の回復を前提としている。
セグメント別では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、フレームワークデザイン事業、ソリューション営業、及びクラウド事業で減収・減益が見込まれる。ITサービス事業はテレワーク・リモートワーク関連需要の取り込みで売上が増加するものの、高付加価値なスポット案件の一巡で利益が減少する見込み。一方、ソリューションデザイン事業は車載システム分野が影響を受けるものの、その他の分野でカバーして増収・増益が見込まれる。

 

 

3-2 セグメント別見通し

20/3期 実績

構成比

・利益率

21/3期 予想

構成比

・利益率

前期比

ソリューションデザイン

22,914

35.5%

24,059

38.7%

+5.0%

フレームワークデザイン

5,771

8.9%

5,667

9.1%

-1.8%

ITサービス

8,650

13.4%

9,282

14.9%

+7.3%

ソリューション営業

25,887

40.1%

22,000

35.4%

-15.0%

クラウド

1,404

2.2%

1,327

2.1%

-5.5%

海外

147

0.2%

158

0.3%

+7.2%

投資育成

213

0.3%

334

0.5%

+56.5%

調整額

-437

-0.6%

-600

-1.0%

連結売上高

64,552

100.0%

62,227

100.0%

-3.6%

ソリューションデザイン

4,059

17.7%

4,106

17.1%

+1.1%

フレームワークデザイン

1,057

18.3%

1,010

17.8%

-4.5%

ITサービス

1,264

14.6%

1,116

12.0%

-11.7%

ソリューション営業

1,622

6.3%

1,199

5.5%

-26.1%

クラウド

209

14.6%

190

14.3%

-9.2%

海外

-16

-22

投資育成

-33

35

10.5%

調整額

連結営業利益

8,163

12.6%

7,634

12.3%

-6.5%

* 単位:百万円

 

ソリューションデザイン事業
売上高24,059百万円(前期比5.0%増)、営業利益4,106百万円(同1.1%増)。車載システムは自動車業界を取り巻く環境を踏まえて5~10%減を見込んでおり、ADASやモビリティサービスといった高成長分野に力を入れる。ロボット・AIはコロナ禍により働き方が変わろうとする中、人の代替えとして期待されており、実際、同社においても医療や介護等での引き合いが増えている。当セグメント売上高の50%程度を占めるインターネットサービスは、キャッシュレス、5G、IoT、AIと案件は多く、限りあるエンジニアリソースを有効活用するべく、選択と集中を進め高収益化を図る。業務システムでは、各ベンダーとのアライアンスに力を入れる。

 

車載システム事業 ・ 車内空間の快適性向上に向けた情報分野(インフォテインメント)の受注拡大。

・ 乗用車、路線バス等の安全分野(自動運転)をキーワードとしたプロジェクト拡大とノウハウ蓄積。

・ 人工知能(AI)を活用した車載向けサービスプラットフォームなどのモビリティサービスの営業強化。

ロボット・AI事業 ・ サービスロボットを活用したソリューション開発およびコンサルティングの拡大。

・ 新型コロナウイルス感染拡大で働き方が変わる変革期でのロボット・AI技術者育成から受注拡大。

インターネットサービス事業 ・ キャッシュレス化に向けたサービス開発の受注拡大と受託開発ラボの拡充。

・ 5G・IoT・AIをキーワードとしたインターネットサービスプロジェクトへの展開。

・ 開発、検証などの技術支援からサービスを運営するためのディレクションや運用サービスの拡大。

業務システム事業 ・ OSS(Open Source Software)を活用したサービスメニュー拡張によるDX案件の受注拡大。

 

 

フレームワークデザイン事業
売上高5,667百万円(前期比1.8%減)、営業利益1,010百万円(同4.5%減)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業環境そのものは不透明だが、既存事業において、保険/金融システム・業務システム・基盤構築を軸としたプロジェクトが継続するうえ、横展開も道筋がついた。既存事業の安定した収益をベースに新規事業によるサービス拡充を図る。また、コロナ禍を踏まえて、対面営業からWebセミナー、Web会議、Web営業へと営業方法の見直しも進める。

 

既存事業の継続、横展開 ・ 「保険/金融システム」、「業務システム」、「基盤構築」を軸としたプロジェクトの継続、横展開。
DXをキーワードとした案件の受注 ・ 基幹システムの刷新、基盤構築(クラウド)案件受注に向けたノウハウの蓄積、営業ルートの確立。
オールシステナ連携、メーカー・代理店連携を軸とした新規事業展開 ・ 「業務自動化(RPA)」、「AI」、「セキュリティ」、「クラウド」、「遠隔操作」等のサービスの拡充、本部間・メーカー・代理店との連携強化によるライセンス販売・導入支援サービスの拡大。
緊急事態宣言(外出自粛)の対応 ・ 事業継続に向けた時差出勤、シフト勤務、テレワーク、遠隔サポートの推進。

・ 展示会、セミナー、対面営業からWebセミナー、Web会議、Web営業へ。

 

 

ITサービス事業
売上高9,282百万円(前期比7.3%増)、営業利益1,116百万円(同11.7%減)。常駐型中心のワークスタイルからテレワークやリモートへの流れを踏まえて、テレワーク推進等のソリューションを提供するべく、各ベンダーとのアライアンスを強化する。また、インサイドセールスにより、新商材・新サービスの販売に取り組む他、高付加価値分野に経営資源をシフトさせる。新商材・新サービスでは、「AI関連サービス」、「RPA」、「セキュリティ強化支援」、「ITトレーニング」等、新たな市場、顧客、ニーズに対応する商材を強化する。高付加価値分野へのシフトでは、「ヘルプデスク」、「システムオペレーター」といった人材動員型サービスから、「Tサポート」、「ITインフラ」、「PMO」、「DX関連サポート」、「クラウド導入/サポ―ト」といった顧客のビジネス展開に直結したサービス単位の請負型業務を展開していく。

 

 

ソリューション営業
売上高22,000百万円(前期比15.0%減)、営業利益1,199百万円(同26.1%減)。Windows7のサポート終了に伴う特需案件が終息する中、新型コロナウイルス感染症の拡大で営業活動の縮小を余儀なくされ、強い逆風下でのスタートとなった。このため、二けたの減収・減益を見込んでいるが、ALL Systenaの強みを活かすことができるSI案件を中心に、拡大した顧客基盤を深耕すると共に成長分野へと軸足をシフトさせる。

ソリューション領域拡大への投資 ・ サービスメニューの拡充とプロフィット部門への営業展開
ハイブリッド環境への取り組み強化 ・ ハイブリッド環境への対応強化とクラウドパートナーとのアライアンス強化
サービスの拡販による収益力の強化 ・ ALL Systenaの全てのサービスをワンストップで提供

 

 

クラウド事業
売上高1,327百万円(前期比5.5%減)、営業利益190百万円(同9.2%減)。「Canbus.」を中心とした自社サービスの売上拡大を目指して、「認知度向上」、「製品力強化」、「顧客満足度向上」を念頭に機能拡張を中心にした先行投資を行い、リプレイス案件の取り込みやSI需要の喚起で増収、増益を目指している。

 

Canbus.の認知度向上による引き合い増加 ・ DXやテレワークなどの働き方改革を実行する企業から業務効率化、生産性向上を目的とした業務システムの構築、リプレイス案件の受注増。
サービス強化による先行投資 ・ 様々な業務を実現可能にすべく、「製品力強化」を行うとともにサポート力を向上させるための「人材強化」を実施し、「顧客満足度向上」を実現する。

 

 

海外事業
売上高158百万円(前期比7.2%増)、営業損失22百万円(前年同期は営業損失16百万円)。ONE Tech社及びONE Tech Japan社との協業の下、AI・IoTサービスの拡販を図る。具体的には、サービス導入実績のある同じ業界への営業展開に加え、microAIや各IoTソリューションの米国内複数展示会への出展により認知度の向上を図る。また、ベトナムオフショアの強みを活かして、取引中の米国日系企業からの継続案件受注と新規案件の獲得にも力を入れる。この他、日本販売と平行して、2020年1月施行のCCPAに合わせてカリフォルニアにブランチがある企業を対象にStorngKey社製品の販売を強化する。

 

4.中期経営計画(19/3期~24/3期)

【経営の大方針- データ経営による生産性向上 - 】

クラウド事業で自社開発した「Canbus.」を使ってリアルタイムに経営状況を把握し、生産性の向上につなげていく。プロジェクト単位で、稼働、利益率、進捗等を見える化した数値化データを経営情報として活用する事で、1人当たりの社員の生産性の向上に結びつけて、利益の最大化を目指す。

 

【ストラテジーと重視する経営指標及び24/3期目標】

今後10年で最も伸びる分野と位置付ける、オートモーティブ、キャッシュレス/決済、ロボット/IoT/RPA/クラウド、自社製品・自社サービスに経営資源を集中させる。

 

重視する経営指標と24/3期目標
重視する経営指標として、連結売上高、営業利益、営業利益率、一人当たり営業利益、及びROEを挙げており、24/3期の目標として、連結売上高1,010億円、営業利益152億円、営業利益率15%、一人当たり営業利益260万円、ROE25%を掲げている。

 

【セグメント別の目標と取り組み】

19/3期

実績

構成比

・利益率

20/3期

実績

構成比

・利益率

24/3期

計画

構成比

・利益率

ソリューションデザイン

21,234

35.5%

22,914

35.5%

40,950

40.6%

フレームワークデザイン

5,294

8.9%

5,771

8.9%

9,400

9.3%

ITサービス

7,827

13.1%

8,650

13.4%

11,060

11.0%

ソリューション営業

24,032

40.2%

25,887

40.1%

36,580

36.2%

クラウド

1,129

1.9%

1,404

2.2%

1,970

1.9%

海外事業

120

0.2%

147

0.2%

640

0.6%

投資育成事業

377

0.6%

213

0.3%

400

0.4%

調整額

-272

-0.4%

-437

-0.6%

連結売上高

59,742

100.0%

64,552

100.0%

101,000

100.0%

ソリューションデザイン

3,666

17.3%

4,059

17.7%

8,100

19.8%

フレームワークデザイン

841

15.9%

1,057

18.3%

1,600

17.0%

ITサービス

1,067

13.6%

1,264

14.6%

2,350

21.2%

ソリューション営業

1,155

4.8%

1,622

6.3%

2,300

6.3%

クラウド

197

17.5%

209

14.9%

500

25.4%

海外事業

-31

-16

250

39.1%

投資育成事業

4

1.2%

-33

100

25.0%

調整額

連結営業利益

6,902

11.6%

8,163

12.6%

15,200

15.0%

* 単位:百万円

 

ソリューションデザイン事業
24/3期に売上高409.5億円(19/3期212億円)、営業利益81億円(同37億円)を目指している。ネットビジネスと中核事業に成長した車載で培った業務経験と技術力を活かし、ロボット分野、DXやレガシーシステムの刷新等に起因する業務系分野を拡大させていく。分野別の計画は、車載:19/3期27億円→24/3期60億円、ロボット:8億円→50億円、ネットビジネス:102億円→200億円、業務システム:23億円→50億円。

 

車載は、現在の主力であるインフォテインメントやシェアリングに加え、MaaS、コネクテッドカー、更には自動運転や安全対策等、ビジネスチャンスが多い。ロボットでは、コミュニケーションロボットに加え、介護等の生活ロボット、産業用ロボット、医療用のロボットやシステムの開発需要が見込まれる。ネットビジネスでは、教育関連、5G関連サービス、更にはAI・IoT等の技術領域が注目され、この他、業務システムにおいても、現在需要が多い働き方改革やオープンソース活用に加え、AI・業務自動化、DX、人材不足対策等の開発需要が期待できる。

 

フレームワークデザイン事業
24/3期に売上高94億円(19/3期53億円)、営業利益16億円(同8億円)を目指している。引き続き既存の金融・保険関連及び自動化を軸とした新規サービスに取り組むと共に、デジタル化対応関連の新規領域に展開していく。計画は、金融・保険関連が、領域拡大、デジタル化対応、基幹システムの刷新・統合等で売上高60億円(同47.6億円)・営業利益8億円(7.5億円)、自動化・効率化を軸とした新規サービスが、自動化診断、導入支援、ライセンス販売、AI連携等で売上高25億円(同5.4億円)・営業利益5億円(1億円)、デジタル化対応関連の新領域が、売上高15億円(実績なし)、営業利益3億円(実績なし)。

 

ITサービス事業
24/3期に売上高110.6億円(19/3期78億円)、営業利益23.5億円(同11億円)を目指している。プロジェクトで培ったノウハウを基に高い付加価値を有した「ITサポート」、「ITインフラ」、「PMO」、「LABO」といったサービス単位の請負型業務を展開する。「AI・チャットボット」、「RPA」など新商材・新サービスにも力を入れる。請負型業務の売上を19/3期の45億円から80億円に拡大し、事業全体の粗利率を30%から34%へ引き上げる。

 

ソリューション営業
24/3期に売上高365.8億円(19/3期240億円)、営業利益23億円(同12億円)を目指している。システナの総合営業として生産性向上・コスト削減・セキュリティ強化といった顧客の経営課題の解決に向けたソリューションの提供に取り組む事で、顧客の事業を支えるICTパートナーへビジネスモデルを変革し、継続的な売上・利益の向上に繋げて行く。既存ビジネスを19/3期比で34%、サービスビジネスを同176%、クラウドビジネスを同341%、それぞれ増加させる。

 

クラウド事業
24/3期に売上高19.7億円(19/3期11億円)、営業利益5億円(同2億円)を目指している。「Canbus.」を中心とした付加価値の高いサブスクリプションモデルを推進する。また、「Canbus.」をフックに、「業務系SI」の高付加価値案件の取込みに力を入れる他、AI、IoT、セキュリティ等、技術要素の研究開発を行い、サービスを拡充していく。

 

海外事業
24/3期に売上高6.4億円(19/3期1億円)、営業利益2.5億円(同△0.3億円)を目指している。米国内では日系企業の技術支援をベースにIoT分野においてOne Tech社との共同営業を推進する。また、StrongKey社のサイバーセキュリティ製品等、最新技術の提供を通じて、日本国内の公共機関・企業の情報漏洩対策支援を行うと共に、次なるテクノロジーとマーケットの発掘に取り組む。

 

 

5.今後の注目点

好業績の背景にあるのは、新しいサービスや自社商材等、収益性の高いビジネスが拡大していること。このため、一部の事業が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、収益性の改善を伴って売上が増加した。
21/3期については、多くの企業が業績予想を未定とする中、同社は新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んだ業績予想を開示した。減収・減益を見込む業績予想は、2015年に中期経営計画を発表して以来、初めてのことだが、投資家にとって当面の企業活動についての手掛かりとなる業績予想を開示することで上場企業としての責任を果たした。上期は相当の影響を受けるとみているが、その一方で、在宅ワーク・リモートワーク関連商材の需要が引き続き強いと言う。また、コロナ禍でIT投資に関して様子見姿勢に転じた顧客もあるが、IT投資の計画を全面的に撤回した顧客はないと言う。このためコロナ禍一巡後はIT投資が一気に動き出す可能性がある。同社は、在宅ワークやリモートワーク関連等の時宜にかなったビジネスで需要の取り込みを図ると共に、コロナ後に備えて体制の整備を進める考えだ。

 

 

<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

 

◎組織形態および取締役、監査役の構成

組織形態 監査役設置会社
取締役 9名、うち社外2名
監査役 4名、うち社外4名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日:2019年06月25日)
基本的な考え方
当社は、激しい経営環境の変化に対応し、経営の効率性を高めるために迅速な意思決定によるスピード経営を推し進め、永続的な事業発展と株主価値の増大および株主への継続的な利益還元を行っていくと同時に、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダー(利害関係者)との利害を調和させ、全体としての利益を最大化することを目指し、かつ、経営の健全性確保およびコンプライアンス(法令遵守)の徹底に努めるためにコーポレート・ガバナンスを強化させていきたいと考えております。このため、外部専門家(監査法人、主幹事証券会社、弁護士、社会保険労務士、司法書士等)やステークホルダーからの指摘や提言を真摯に受け止め、経営の公平性、透明性に関して更なる充実を図る所存であり、持ち前の当社の機動性を活かし、会社規模に応じた体制を構築し、株主などのステークホルダーを絶えず意識した上場企業として一層の自己改革を図り、コーポレート・ガバナンスの強化と適時適切な情報開示に努める所存であります。

 

<実施しない主な原則とその理由>
【補充原則4-1-3 最高経営責任者等の後継者の計画】
当社には創業者である代表取締役会長と50代前半の代表取締役社長と2名の代表取締役がおります。当社は創業者である代表取締役会長が最高経営責任者として選択と集中の経営方針のもと経営の舵取りを直接行っているオーナー企業という発展段階にあり、現時点での後継者の計画については今後の事業環境および経営方針に左右されるため、最高経営責任者の専権事項とすることが当社の発展に向けた一番の方法であると考えております。このため、現在のところ取締役会は具体的な後継者計画の策定・運用には関与しておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

【補充原則4-3-3 最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立】
当社は創業者でありオーナー経営者でもある代表取締役会長が最高経営責任者として経営の大きな方向性の舵取り行い、代表取締役社長が最高執行責任者として業績等の適切な評価をもって社内を統率する体制を取っております。加えて代表取締役はいずれも独立役員の要件を満たした6名(社外取締役2名と社外監査役4名)の社外役員から牽制を受ける体制になっており、代表取締役を解任するような事態が生じた場合は独立役員からの提言をもとに取締役会にて議論のうえ、決定することで対処できると考えております。このため、現在のところ取締役会は最高経営責任者を解任するための客観性、適時性、透明性のある手続きの確立を行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

【補充原則4-10-1 任意の指名委員会・報酬委員会など、独立した諮問委員会の設置】
当社の取締役9名のうち独立社外取締役は2名であり、取締役会の過半数には達しておりませんが、社外監査役4名とともに社外役員6名全員が東京証券取引所の定めに基づく独立役員の要件を満たしており、各々の独立役員が専門的な知見と豊富な経験を活かし、取締役会における特に重要な事項の審議に当たり、積極的に意見を述べるとともに、適時適切な助言が行われているため、現在のところ、独立した諮問委員会の設置は行っておりません。今後、必要に応じて検討してまいります。

 

<開示している主な原則>
【原則1-4 政策保有株式】
当社は、政策保有株式として上場株式を保有しない方針であり、政策保有株式として保有する株式はありません。

 

【原則1-7 関連当事者間の取引】
当社は、取締役の利益相反取引・競業取引を取締役会の付議・報告事項としており、取引毎に取締役会による事前承認・結果の報告を実施しております。

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
Copyright(C) 2011 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。 また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。 当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。

このページのトップへ