ブリッジレポート:(7776)セルシード 3つ目の細胞シート協議開始

2019/09/26
 

橋本 せつ子 社長

株式会社セルシード(7776)

 

 

企業情報

市場

JASDAQ

業種

精密機器(製造業)

代表取締役社長

橋本 せつ子

所在地

東京都江東区青海二丁目5番10号 テレコムセンタービル

決算月

12月

HP

https://www.cellseed.com/

 

株式情報

株価

発行済株式数(自己株式を控除)

時価総額

ROE(実)

売買単位

502円

11,459,265株

5,753百万円

9.8%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

92.91円

5.4倍

*株価は08/27終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。BPSは第2四半期実績。

 

連結業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主帰属利益

EPS

DPS

2015年12月(実)

193

-568

-531

-535

2016年12月(実)

100

-1,413

-1,415

-1,414

2017年12月(実)

85

-956

-964

-966

2018年12月(実)

1,026

140

140

129

11.35

2019年12月(予)

300

-1,100

-1,100

-1,100

*予想は会社予想。単位は百万円、円。

 

 

株式会社セルシードの2019年12月期第2四半期決算の概要と今後の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2019年12月期第2四半期決算概要及び通期予想
3.中期経営計画(19/12期~21/12期)
4.今後の注目点
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>

今回のポイント

  • 19/12期2Q(累計)は売上高1億62百万円(前年同期比53.3%減)、営業損失3億21百万円(前年同期は40百万円の営業損失)。再生医療支援事業において「再生医療受託サービス」の1号案件等で57百万円の売上を計上し、細胞シート再生医療事業では台湾メタテック社との提携の一環としての売上1億05百万円を計上した(前年同期はメタテック社への一部開発データの提供に伴う売上3億25百万円を計上)。損益面では、売上が減少する中、開発業務委託費用(研究開発費)や細胞培養施設の維持費用の増加で販管費が増加した。
  • 通期予想に変更はなく、売上高3億円(前期比70.8%減)、営業損失11億円(前期は1億40百万円の営業利益)。再生医療支援事業、細胞シート再生医療事業共に1億50百万円の売上を計上する予定(前期は細胞シート再生医療事業において、台湾での独占的事業提携契約に基づく収入9億60百万円を売上計上した)。
  • 食道再生上皮シートは有効性の確証が得られず追加治験が必要になったが、有効性に疑問が生じた訳ではないので悲観する必要はない。軟骨再生シートについては自己細胞シートによる治療が先進医療として承認された。先進医療が始まれば、軟骨再生シートの受託製造が収益貢献してくる事に加え、自己細胞シートの製造販売承認に向けても大きく前進する。この他、1Qに自社細胞培養センターでの細胞シートの受託製造がスタートし、海外では、前期末にメタテック社による台湾での食道再生上皮シートの治験届が提出された。紆余曲折はあったものの、複数の収益の芽が着実に育ちつつあり、同社は徐々に再生医療医薬品メーカーとしての体制を整えつつある。21/12期に黒字化を目指す中期経営計画の進捗に注目していきたい。

1.会社概要

失われた臓器や損傷あるいは機能が低下した臓器を再生して治療する新たな医療である再生医療。東京女子医科大学の岡野光夫名誉教授・特任教授が開発した日本発・世界初の「細胞シート工学」を基盤技術とし、この技術に基づいて作製した「細胞シート(シート状の培養細胞)」を用いた再生医療等製品の開発を行う「細胞シート再生医療事業」と細胞シートの基盤ツール(培養器材)である温度応答性細胞培養器材等の開発・製造・販売及び再生医療の研究開発・事業化を支援する再生医療受託サービスを提供する「再生医療支援事業」を二本柱とする。

 

【Mission : 価値ある、革新的な再生医療をリードし、世界の医療に貢献します。】

大学の研究成果をシーズとして、同社が治験を行い再生医療製品として製品化する事で世界の医療への貢献を目指している。

 

(同社資料より)

 

1-1.事業内容

細胞シート再生医療事業
大学との共同研究(臨床研究)によりシーズを発掘し事業化する。現在のパイプラインは、「細胞シート工学」を基盤技術とする「食道再生上皮シート」と膝軟骨の「軟骨再生シート」の2本。「食道再生上皮シート」は国内で19/12期第1四半期に治験が終了したが、追加治験が必要なため、22/12期の製造販売承認申請を目指して19/12期中に追加治験の治験届を提出する。また、海外では、17/12期4月に台湾の三顧股有限公司(以下、MetaTech社)と事業提携契約を締結し、同社が2018年12月末に治験届を提出した。
一方、「軟骨再生シート」は、東海大学医学部付属病院が申請していた先進医療が2019年1月に承認され、大学病院で治療の開始に向けた準備が進められている。また、MetaTech社への導出も実行されMetaTech社が台湾での事業化に向けた準備を進めている。もっとも、「細胞シート工学」を用いた再生医療製品は、様々な分野で臨床研究が進められている。第3の開発品目や地域についての検討、選定も進められており研究実施機関との契約等、準備が整い次第開発に着手する。

 

再生医療支援事業
温度応答性細胞培養器材等の開発・製造・販売、及び細胞シート製品の製法開発・受託製造、施設管理・申請支援、細胞培養技術者教育等の再生医療受託サービスを手掛けている。

 

 

UpCell®

細胞シート回収用温度応答性細胞培養器材

 

 

RepCell ™

細胞回収用温度応答性細胞培養器材

 

HydroCell ™

超低付着性細胞培養器材

 

(画像はいずれも同社資料より)

 

細胞シート製品の製法開発・受託製造
製薬会社・研究機関からの委託を受けて、主に細胞シートの受託開発・製造を行う。日本再生医療学会認定の臨床培養士が所属しており、培養の経験豊富なスタッフによる高品質な細胞シートを用いた再生医療等製品の製法開発・製造を特定細胞加工物の製造許可を受けた細胞培養加工施設で行う。尚、細胞シート再生医療事業で研究開発を進めている軟骨再生シートは東海大学が申請していた先進医療Bが2019年1月に承認された。この先進医療に使用される細胞シートは同社が東海大学からの委託を受けて細胞培養センターで培養(受託加工)する事が決まっている。

 

施設管理・申請支援
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」では、構造設備や細胞加工の運用が規定され、細胞培養加工施設毎に厚生労働大臣に届出・許可申請を行う必要がある。同社は、特定細胞加工物の製造の届出や申請資料の作成、運営に必要な文書作成等の支援を行う。また、治験届等の申請で必要となる当局相談に対する相談資料の作成、申請資料の作成等、必要な行政手続きも支援する。

 

細胞培養技術者教育
細胞シートの培養や剥離手順等、これまで細胞シートに触れた経験がない培養技術者等に対する教育を実施する。

 

1-2.細胞培養センター

延床面積約763 ㎡で、自動モニタリングシステムによって、清浄度、室圧、温湿度、機器(培養器や保冷庫等)が自動管理され、監視カメラシステムも完備。また、羽田空港まで車で約20分と至近で空輸にも対応しやすい。2017年3月には「再生医療等の安全性の確保等に関する法律第35 条第1項の規定に基づく「特定細胞加工物製造許可」(許認可権者:厚生労働省)を取得しており、特定細胞加工物の受託製造も可能。

(同社資料より)

 

2.2019年12月期第2四半期決算概要及び通期予想

2-1 第2四半期(累計)連結業績

18/12期

2Q(累計)

構成比

19/12期

2Q(累計)

構成比

前年同期比

期初予想

予想比

売上高

347

100.0%

162

100.0%

-53.3%

180

-9.8%

売上総利益

337

97.1%

133

82.3%

-60.5%

販管費

378

454

+20.1%

営業利益

-40

-321

-450

経常利益

-40

-320

-450

親会社株主帰属利益

-41

-319

-450

*単位:百万円

 

売上高1億62百万円(前年同期比53.3%減)、営業損失3億21百万円(前年同期は40百万円の営業損失)
売上高は前年同期比53.3%減の1億62百万円。このうち、再生医療支援事業の売上は57百万円(前年同期は22百万円)。自社細胞培養センターを活かして再生医療を支援する「再生医療受託サービス」において東京女子医科大学より受注した再生医療受託サービスの第1号案件の1症例目の売上を第1四半期に、第2四半期に2、3症例目分の売上を計上した。
一方、細胞シート再生医療事業の売上は同67.7%減の1億05百万円。台湾のメタテック社との間で締結した細胞シート再生医療事業に関する台湾での独占的事業提携の活動の一環としての売上を計上した(前年同期はメタテック社への一部開発データの提供に伴う売上3億25百万円を計上)。

 

損益面では、売上の減少で売上総利益が同60.5%減少する中、開発業務委託費用や細胞培養施設の維持費用の増加で販管費が同20.1%増加した。研究開発費は同31.6%増の2億08百万円。損失が期初予想を下回ったのは、開発業務委託費用や細胞培養施設の維持費用が期初の想定を下回ったため。

 

セグメント別売上高・利益

18/12期 2Q(累計)

構成比

19/12期 2Q(累計)

構成比

前年同期比

再生医療支援事業

22

6.6%

57

35.3%

+150.4%

細胞シート再生医療事業

325

93.4%

105

64.7%

-67.7%

連結売上高

347

100.0%

162

100.0%

-53.3%

再生医療支援事業

-42

-20

細胞シート再生医療事業

152

-127

調整額

-150

-173

連結営業利益

-40

-321

* 単位:百万円

 

財政状態

18年12月

19年6月

 

18年12月

19年6月

現預金

1,057

987

未払金

56

57

たな卸資産

57

53

前受金

64

15

流動資産

1,505

1,116

有利子負債合計

有形固定資産

19

26

負債

174

116

投資その他

61

61

純資産

1,411

1,088

固定資産

81

88

負債・純資産合計

1,586

1,205

*単位:百万円

 

キャッシュ・フロー(CF)

18/12期 2Q(累計)

19/12期 2Q(累計)

前年同期比

営業キャッシュ・フロー(A)

-102

-58

+44

投資キャッシュ・フロー(B)

0

-7

-6

フリーキャッシュフロー(A+B)

-103

-66

+37

財務キャッシュ・フロー

3

現金及び現金同等物期末残高

1,240

987

-253

-20.4%

*単位:百万円

 

2-2 通期連結業績予想

18/12期 実績

構成比

19/12期 予想

構成比

前期比

売上高

1,026

100.0%

300

100.0%

-70.8%

営業利益

140

13.6%

-1,100

経常利益

140

13.6%

-1,100

親会社株主帰属利益

129

12.6%

-1,100

*単位:百万円

 

下期は研究開発費が増加
再生医療支援事業、細胞シート再生医療事業共に1億50百万円の売上を計上する予定(前期は細胞シート再生医療事業において、台湾での独占的事業提携契約に基づく収入9億60百万円を売上計上した。売上の減少と研究開発費の増加で営業損失が11億円に増加するとみている。

 

 

3.中期経営計画(19/12期~21/12期)

3-1 基本方針

・ 食道再生上皮シートの製造販売承認申請(2022年)
・ 軟骨再生シートの2021年治験開始に向けた開発加速(先進医療B承認)
・ 次期品目の開発着手(歯根膜細胞シートの開発:東京医科歯科大学と協議開始)
・ 組織体制・インフラの構築
・ 再生医療支援製品の新製品開発及び受託製造を推進して更なる収益機会獲得
・ 世界展開に向けた事業提携推進(メタテック社と合弁会社設立:MOU締結)

 

3-2 中期経営計画の達成に向けた取り組み

食道再生上皮シートについては、早期の製造販売承認申請を目指し、軟骨再生シートについては、自己軟骨再生シートの先進医療B開始後の受託製造準備を進めると共に同種(他家)軟骨再生シートの開発を加速する。食道再生上皮シート及び軟骨再生シートに続く品目として歯根膜細胞シートを考えており、東京医科歯科大学と協議を開始した。また、組織体制・インフラの構築にも取り組んでいく。再生医療支援事業では再生医療支援製品の新製品開発の推進及び売り上げ拡大に取り組むと共に受託事業で更なる収益機会の獲得を目指す。認知度向上に向け、(株)セルシード主催の第1回細胞シート工学イノベーションフォーラムを7月に開催した。160名弱のアカデミア、企業からの参加があった。
日本発の細胞シート工学の世界展開のために海外企業との事業提携も積極的に進めていく考えで、この一環として台湾メタテック社と合弁会社を設立ための覚書を交わした。

 

食道再生上皮シート
日本では、年間約22,000人が食道がんと診断され(日本では食道がんの90%が扁平上皮がん)、年間約11,500人が食道がんで死亡している。男性の発症率・死亡率は女性の5倍で、5年後の生存率は男性36%、女性44%、と男女共に低い。治療法として、2008年に保険収載された内視鏡切除手術(ESD)が増加しているが、ESDは手術後の食道狭窄の副作用がある。食道再生上皮シートの導入により、食道狭窄の生じる頻度を抑制してQOLの向上を目的としている。

 

「食道再生上皮シート」による治療方法
「食道再生上皮シート」を、食道がん再生治療の問題を解決するために(食道創傷治癒・狭窄予防)として東京女子医科大学が開発した治療法である。患者の口腔粘膜から採取した細胞を温度応答性培養器材で約2週間かけて培養し、細胞シートを作成する。細胞シートの培養に合わせて、食道がん切除内視鏡手術を行い、食道潰瘍面に移植する。

 

(同社資料より)

 

承認取得に向けた国内外での取り組み
2008年から2014年にかけて大学で臨床研究が行われ、東京女子医科大学10症例、東京女子医科大学・長崎大学10症例(長距離輸送検証:長崎大学で採取した細胞を東京女子医科大学で培養し、長崎大学で移植手術)、カロリンスカ大学病院(スウェーデン)10症例、の計30症例が既にあり、同社は、東京女子医科大学と開発基本合意契約を締結して同大学の研究成果を実業化に向けて引き継いだ。

国内では、18/12期第2四半期に症例登録を終了し、19/12期第1四半期に治験を終了した。治験において、副作用の発生はなく、安全性についての問題は認められなかったが、主要評価項目である「ESD(内視鏡的粘膜切除術)後8週目の狭窄予防効果」の有効率(非狭窄率)が12.5%にとどまり、閾値奏効率(ESD後の無処置患者に対する非狭窄率)に対して統計的な優位性が証明されなかった。このため、追加治験が必要となり、今期中の治験届の提出を予定している。21/12期に追加治験が終了する予定で、22/12期には製造販売承認を申請したい考え。

 

海外では、17/12期第1四半期(4月)にメタテック社と事業提携契約を締結し、同社が2018年12月末に治験届を提出した。また、欧州では、16/12期に欧州医薬品庁(EMA)と承認取得に向けた話し合いを実施した。

 

軟骨再生シート(適応症:変形性膝関節症)
変形性膝関節症とは、緩徐に進行する難治性の関節軟骨変性。国内における患者数(40歳以上)は2,530万人、そのうち有症病者は800万人と推定されている(東京大学医学部附属病院22世紀医療センター調査)。また、高齢化により患者数の増加が予測され、国民健康寿命・介護費・医療費の観点から喫緊に対処すべき疾患であると言う。
尚、平成25年厚生労働省国民生活基礎調査によると、要支援・要介護になった原因の25%を運動器の障害が占めた。

 

「軟骨再生シート」による治療方法

 

(同社資料より)

 

「軟骨再生シート」は、東海大学整形外科 佐藤正人教授との共同研究であり、スポーツによる損傷や加齢を原因とする軟骨欠損や変形性関節症を適応症とする。現状では根治する方法がないが、佐藤教授との共同研究は軟骨表面の根本的な再生を目的としている。膝の軟骨は、硝子(しょうし)軟骨と言い、耳や鼻等の軟骨とは異なり、クッション性と対摩耗性に優れた硬い軟骨で再生が難しい。しかし、共同研究を進めている「軟骨再生シート」は、硝子軟骨として膝の軟骨を再生できる事が臨床研究で確認されている。
変形性膝関節症の治療には人工関節による治療もあるが、人工関節は15~20年程度の耐用年数があり根本的な治療とは言えない。また、他社の膝関節再生医療との比較では、細胞シートを使う同社の治療法は欠損した軟骨部分への定着力に優れるため、確実に軟骨を再生できる。

 

自己細胞シートによる治療
佐藤正人教授は、2010年に自己軟骨シートの臨床研究を開始し8症例を完了した。2019年1月には厚生労働省「第71回先進医療会議」において、東海大学医学部付属病院が申請していた「自己細胞シートによる軟骨再生治療」が先進医療Bとして承認された。
同社は、独立行政法人「日本医療研究開発機構(AMED)」の事業を通して、変形性膝関節症治療のための、軟骨細胞シートの有効性因子の探索や同種軟骨再生シートの治療に向けた研究を佐藤正人教授と共同で行ってきた。先進医療として承認された自己細胞シートによる軟骨再生治療の実施に際して、同社は軟骨再生シートを受託製造する。
尚、先進医療Bとは、高度の医療技術を用いた治療法や医療技術を対象とするもので、販売承認取得前だが、有効性や安全性について一定の基準を満たしたもの。販売承認取得前のため治療費は全額自己負担となるが、自由診療と異なり、保険診療と併用する事が可能(自由診療は、原則、保険診療と併用する事ができない)。

 

同種軟骨シートによる治療
同種軟骨シートによる治療ついては、佐藤正人教授が2017年2月に臨床研究(同種軟骨細胞シートの移植手術)を開始し、1症例目を実施した。2020年3月までの3年間で10症例を予定しており、2021年に企業治験を実施する予定である。また、臨床研究と並行して、セルバンクの構築及び細胞シート製造の自動化にも着手する予定。
尚、同種軟骨シートは、多指症患者から軟骨組織を採取し、2~3週間かけて培養した細胞シートを移植する(先天的に手の指が6本ある乳児から切除された指の軟骨細胞を、同意を得て利用)。また、同種軟骨シートによる治療は、AMED「再生医療の産業化に向けた評価化基盤技術開発事業(再生医療シーズ開発加速支援)」に採択されている(事業期間:2018年10月~2021年3月)。

 

再生医療受託サービス
再生医療受託サービスでは、細胞シート製品の製法開発・受託製造、施設管理・申請支援、細胞培養技術者教育等のサービスを提供している。
細胞シート製品の製法開発・受託製造では、細胞シート製品の製造受託や品質試験等を手掛けている。日本再生医療学会認定の臨床培養士等、培養の知識・経験豊富なスタッフが多数所属し、特定細胞加工物製造の許可を受けた施設(施設番号:FA3160008)において、同社製品であるUpCell®を用いて細胞シートを作製する。AMEDに採択された東京女子医科大学先端生命医学研究所(研究開発担当者 岩田隆紀氏)の再生医療実用化研究事業「同種歯根膜由来間葉系幹細胞シートによる歯周組織の再建」における同種歯根膜由来間葉系幹細胞シートの製造関連業務を2018年11月に受注し、この第2四半期累計期間に売上計上した。

 

施設管理・申請支援では、特定細胞加工物の製造の申請資料の作成や申請・届出や文書作成コンサルティング、施設設備・管理体制の維持、管理支援等のサービスを提供しており、細胞培養技術者教育では、細胞シート培養トレーニングや細胞シート剥離トレーニング等のサービスを提供している。

 

第3品目の開発案件
2019年8月、東京医科歯科大学と「同種歯根膜由来間葉系幹細胞シート(歯根膜細胞シート)の臨床開発の詳細検討に向けた協議の開始を決定した。歯周組織を再建する再生医療製品の開発である。現在、東京医科歯科大学において、岩田隆紀主任教授により医師主導治験が実施されており、既存治療では治す事ができない重度の歯周炎患者を対象に歯根膜細胞シートを移植し、その安全性と有効性の評価を行っている。同社は、この医師主導治験において、歯根膜細胞シートの製造を受託している。

 

(株)セルシード主催イベントフォーラムの開催
2019年7月19日に第1回細胞シート工学イノベーションフォーラムを、東京都立産業技術研究センターにて開催した(一般聴講者135名、ポスター発表者23名)。講演予定者は、岡野光夫 東京女子医科大学名誉教授・ユタ大学細胞シート工学センターディレクター、佐藤正人 東海大学医学部外科学系整形外科学 教授、岩田隆紀 東京医科歯科大学 大学院歯学総合研究科 歯周病学分野 主任教授、汐田剛史 鳥取大学大学院医学系研究科 遺伝子医療学部門 教授、関根秀一 東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 講師。
「細胞シート」又は「温度応答性細胞培養器材」を用いた研究をポスター演題とし、最優秀ポスター賞を、信州大学 医学部 今村哲也氏が受賞し、優秀ポスター賞を、東海大学医学部外科学系整形外科学 高橋匠氏と、東京女子医科大学先端生命医科学研究所 菊池鉄太郎氏が受賞した。

 

世界展開に向けた事業提携推進
事業提携・ライセンシングに向け、国内外での展示会に積極的に参加している。

 

DUPHAT(2月、ドバイ) Bio International(6月、フィラデルフィア)
Bio Asia(3月、東京) Bio Asia(7月、台湾)
Bio Europe Spring(3月、ウィーン) 予定 Bio Japan(10月、横浜)
China BIO(5月、上海) 予定 Bio Europe(11月、ハンブルク)

 

合弁会社設立
日本又は台湾の大学、研究機関から提供を受けたシーズ技術を基に細胞シート工学を応用した再生医療等製品・治療法の開発を目的にメタテック社と台北市(台湾)での合弁会社設立で覚書を交わした。

 

名称

Cell Sheet R&D Company(仮称)

所在地

台湾、台北市

事業内容

台湾・日本の大学等のシーズをベースに細胞シート再生医療事業の研究開発及び事業化

出資比率

メタテック社と同社が同等の出資比率になる予定。他の出資者とともに最終決定

設立年月日

2019年9月を目処に設立予定

 

3-3 資金調達 : 第18回新株予約権(行使価格修正条項付)の発行

新株予約権の発行により、概算15億67百万円を調達する。

 

割当予定先

バークレイズ・バンク・ピーエルシー

割当日

2019年9月2日

発行新株予約権数

28,000個

発行価額

2,884千円

資金調達の額

1,567,101千円(差引手取額概算)

新株予約権の行使期間

1年間(2019年9月3日から2020年9月4日)

資金使途

研究開発資金、台湾合弁会社への出資及び開発支援費用、運転資金

 

3-4.数値目標

19/12期 予想

20/12期 目標

21/12期 目標

再生医療支援事業

150

225

300

細胞シート再生医療事業

150

125

1,700

売上高

300

350

2,000

営業利益

-1,100

-1,300

300

経常利益

-1,100

-1,300

300

当期純利益

-1,100

-1,300

225

 

再生医療支援事業において、2018年11月に第1号案件を受注した再生医療受託サービスの堅調な推移が見込まれるものの、全社ベースでは、19/12期、20/12期と先行投資が続く見込み。21/12期は、細胞シート再生医療事業において、新たな提携による収益を見込んでいる。

 

4.今後の注目点

食道再生上皮シートについては、前回の治験で有効性の確証が十分に得られず追加治験が必要になったが、食道再生上皮シートの有効性に疑問が生じた訳ではない。本来、内視鏡切除手術(ESD)では対応せず、外科的手術が必要な切除範囲の広い患者の症例登録が多くなってしまった事が要因だ。逆に切除範囲が狭ければ、狭窄を防ぐ事ができたとしても有効と断定されないため、「この辺りが食道再生上皮シートの治験の難しいところ」(橋本社長)。このため、時間はかかるが、食道再生上皮シートについて悲観する必要はない。
一方、軟骨再生シートについては自己細胞シートによる治療が先進医療Bとして承認され、先進医療Bが始まれば、軟骨再生シートの受託製造が収益貢献してくる事に加え、自己細胞シートの製造販売承認に向けても大きく前進する。この他、第1四半期に自社細胞培養センターでの細胞シートの受託製造がスタートし、海外では前期末にメタテック社による台湾での食道再生上皮シートの治験届が提出された。また、食道・軟骨再生シートに続く第三品目である歯根膜細胞シートの臨床開発の協議も始まる。紆余曲折はあったものの、複数の収益の芽が着実に育ちつつあり、同社は徐々に再生医療医薬品メーカーとしての体制を整えつつある。21/12期に黒字化を目指す中期経営計画の進捗に注目していきたい。

 

参考:コーポレート・ガバナンスについて

◎組織形態及び取締役、監査役の構成

組織形態 監査役会設置会社
取締役 4名、うち社外2名
監査役 3名、うち社外2名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書(更新日: 2019年04月09日)
基本的な考え方
当社は、技術革新と創造性を発揮し、質の高い優れた製品とサービスの提供を通じ、人々の健康と福祉に貢献していくことを使命とし、全ての企業活動において品質を高めるべく企業統治の整備を進めています。
今後につきましては、ディスクロージャーの透明性を高めるため一層説明責任を充実するとともに、さらなる経営のチェック機能強化を図ってまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由>
当社は、JASDAQ上場企業としてコーポレートガバナンス・コードの基本原則をすべて実施しております。

株式会社インベストメントブリッジ
ブリッジレポート   株式会社インベストメントブリッジ
個人投資家に注目企業の事業内容、ビジネスモデル、特徴や強み、今後の成長戦略、足元の業績動向などをわかりやすくお伝えするレポートです。
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