(6914:東証1部)オプテックスG FA事業好調 防犯関連事業の成長にも期待

2019/03/07

optex

今回のポイント
・18年12月期の売上高は前期比7.0%増の401億13百万円。FA事業が牽引した。SS事業はM&Aした(株)スリーエースの寄与分を差し引くと微増収。MVL事業は期末にかけ中国市場変調の影響を受けている。営業利益は同2.1%増の49億89百万円。MVL事業におけるテスティングルームの増設、新商品開発投資、製造面での人員増など将来の成長に向けた投資を増加させ販管費は同8.1%増加したが増収効果で吸収した。当期純利益は同11.5%増の37億75百万円。投資有価証券の一部売却を含み特別利益3億90百万円を計上した。期初予想に対しては若干の未達となった。

・19年12月期の売上高は前期比7.2%増加の430億円を予想。全セグメント増収を見込む。SS事業の防犯関連および自動ドア関連では来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック関連の需要顕在化も見込んでいる。営業利益は同6.2%増の53億円の予想。配当は30円/株を予定。予想配当性向は27.0%。

・SS事業(防犯関連)ではセンサとカメラの連動による画像確認事業を海外市場対象に推進。国内ハイエンド市場でシェアNo.1を目指す。FA事業では、変位センサのラインアップを強化してさらにシェアを拡大。自動化・省人化ニーズで継続成長するアジア、米国市場で更にシェアを拡大する。MVL事業では、世界的な高成長が見込まれるUV-LED照射事業に注力する。また、18年10月にM&AしたEffilux社(フランス)による欧州事業の拡大を図る。

・今期の状況について同社では「上期は厳しい環境続き、下期から変化」と想定し、「売上高430億円、営業利益53億円」という業績予想についてもチャレンジングな数値と見ている。短期的には昨年後半から事業環境が変調を見せているFA事業、MVL事業においてトップラインをどれだけの確度で確保できるかが注目される。一方、中期的な視点からは自動車(電気自動車、先進運転支援システム)、IoT(データセンター需要の拡大)、AI(省人化、働き方改革)、ロボティクス(省人化、生産年齢人口の減少)といった分野の成長が見込まれる中、両事業がその強みを活かして需要をどう取り込んでいくのか、回復基調に入ったSS事業(防犯)の上昇スピードがどれほどなのかを見ていきたい。

会社概要
世界シェア40%を誇る屋外用防犯センサや世界シェア30%・国内シェア50%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛けるオプテックス株式会社を中心とした持株会社。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、画像処理用LED照明事業で世界シェアトップのシーシーエス(株)、各種システム及びアプリケーション・デジタルコンテンツ開発等を得意とする(株)スリーエース、グループ製品の製造を担うオプテックス・エムエフジー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。

【1-1. 事業内容】
事業は、主力の防犯関連および自動ドア関連などからなる「SS(センシングソリューション)事業」、産業機器用センサを手掛ける「FA(ファクトリーオートメーション)事業」、画像処理用LED照明装置及びシステムを提供する「MVL(マシンビジョンライティング)事業」、前期まではSS事業に含まれていた中国で電子機器受託生産サービスを提供する「EMS事業」、スポーツクラブ運営を手掛ける「その他事業」に分かれる。

【1-2. 強みと特長:センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズム】
確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。

【1-3. 沿革】
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約50%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。
近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。 また2016年5月には画像処理用LED照明で世界シェアNO.1のシーシーエス株式会社(6669、JASDAQ)を子会社化(18年7月に完全子会社化)した。次世代経営への移管やグループシナジーの追求を目指し、2017年1月1日付で持株会社体制へ移行した。

【1-4. ROE分析】

ROEは18/12期も前期に続き、目標としている「10%以上」を達成した。今期の売上高当期純利益率は9.3%の予想。
利益の積み上げで総資産、自己資本が増加しても高ROEを継続すると見られる。

【1-5 ESGの取り組み】
ESG課題に積極的に対応し企業価値の向上に努めている。

2018年12月期決算概要
増収増益
売上高は前期比7.0%増の401億13百万円。FA事業が牽引した。SS事業はM&Aした(株)スリーエースの寄与分を差し引くと微増収。MVL事業は年末にかけ中国市場の変調の影響を受けている。国内売上は同8.4%増の171億59百万円、海外売上は同5.9%増の229億54百万円だった。
営業利益は同2.1%増の49億89百万円。MVL事業におけるテスティングルームの増設、新商品開発投資、製造面での人員増など将来の成長に向けた投資を増加させ販管費は同8.1%増加したが増収効果で吸収した。
当期純利益は同11.5%増の37億75百万円。投資有価証券の一部売却を含み特別利益3億90百万円を計上した。

18年12月期第4四半期(10-12月)の売上高はM&Aの効果もあり四半期ベースの過去最高を更新。経常利益は前年同期比10.6%の増益。第3四半期時点では増収・減益だったが、第4四半期の積み上げにより通期では増収増益で着地した。
ただ、期初予想に対しては若干の未達となった。

◎SS事業
(防犯関連)

日本 :警備会社向けおよびメガソーラーなど大型重要施設向け屋外警戒用センサ販売が下期回復基調となったが減収。
AMERICAs :北米の販売子会社による南米地域の大型重要施設向け外周警戒センサの販売が順調に推移し、増収。
EMEA :英国の販売子会社及びメーカー系子会社の業績が順調に推移し、増収。
アジア :韓国及び東南アジアの販売が伸び悩み、減収。

(自動ドア関連)
日本 :国内大手顧客向け自動ドア用センサ販売が堅調に推移し、増収。
AMERICAs :北米大手顧客向け自動ドア用センサ販売が順調に推移し、増収。
EMEA :欧州大手顧客向け自動ドア用センサ販売が伸び悩んだものの、為替影響により増収。

◎FA事業
日本 :半導体、二次電池、フラットパネルディスプレイ向けに加え、電子部品業界向けにも変位センサの販売が順調で、増収。
EMEA :OEM先であるSICK社への販促推進活動の効果により変位センサの販売が順調に推移し、増収。
アジア:中国での省人化設備投資活況に伴い、変位センサの販売が順調に推移し、大幅な増収。

◎MVL照明事業
日本 :ソリューションの拡充やテスティングルーム開設による営業エリアの拡大が功を奏し、増収。
AMERICAs :既存顧客からの大型案件があったものの継続案件が減少したため前年並みで推移した。
EMEA :欧州地域での販売が好調に推移。新規連結子会社が売上に寄与。
アジア:前年度に中国で設立した100%子会社が本格稼働し若干の増収。

たな卸資産の増加等で資産合計は前年末に比べ17億24百万円増加の432億93百万円となった。
長期借入金の増加等で負債合計は同13億85百万円増加の109億47百万円。
利益剰余金は同26億88百万円増加した一方、自己株式が同14億85百万円増加し、純資産は同3億39百万円増加の323億45百万円。
この結果、自己資本比率は前期末から4.3ポイント上昇し74.4%となった。

売上債権やたな卸資産の増加で営業CFのプラス幅は縮小。一方有形固定資産の取得による支出増加などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFのプラス幅は縮小した。
長期借入れによる収入で財務CFのマイナス幅は縮小。
キャッシュポジションは低下した。

(4)トピックス
◎代表取締役の異動

2019年2月、代表取締役の異動を発表した。
創業者で現・代表取締役会長兼CEOの小林徹氏が取締役相談役となり、現・代表取締役社長兼COOの小国勇氏が代表取締役社長兼CEOに就任。代表取締役は1名となる。
今年創立40周年を迎えるにあたり、更なる飛躍に向けて経営体制の一層の強化充実を図る考えだ。
2019年3月28日開催予定の定時株主総会およびその後の取締役会で正式に決議される予定である。

◎外径測定器メーカーを子会社化
2019年1月、子会社オプテックス・エフエー株式会社が外径測定器メーカーである東京光電子工業株式会社(本社:東京)の株式を100%取得し子会社化した。

(東京光電子工業概要)
1969 年創立。測定システムの専門メーカーとして国内で初めてレーザ外径測定器を開発。レーザを応用した精密測定を得意とし、レーザマイクロゲージ、ローラ測定器、光学式露点計を、幅広い業界に向けて開発・製作している。
2018年8月期の売上高は125百万円。

(今後の展開)
オプテックス・エフエーは、東京光電子工業を子会社化することにより、非接触での高精度レーザ測定分野におけるラインアップを補完するとともに、両社の技術・販路を融合させることで、国内外での更なる事業拡大を図る。

◎自己株式取得の結果
2018年11月に決議した自己株式取得の決議内容は、取得上限75万株(自己株式を除く発行済株式総数の2.00%)、取得価額の総額(上限)15億円であったが、取得した株式の総数は701,600株、株式の取得価格の総額は14億99百万円で終了した。

2019年12月期業績予想
増収増益を計画。
売上高は前期比7.2%増加の430億円を予想。国内は同6.6%増の182億円、海外は同7.7%増の247億円、全セグメント増収を見込む。SS事業の防犯関連および自動ドア関連では来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック関連の需要顕在化も見込んでいる。営業利益は同6.2%増の53億円の予想。
配当は30円/株を予定。予想配当性向は27.0%。

◎SS事業
(防犯関連)

*注力製品
センサとカメラの連動による画像確認事業を海外市場対象に推進する。
17年北米にてOEMで販売開始したカメラ付きセンサを19年4月より欧州地域において自社ブランドによる販売を開始する。
また、成長が続くカメラマーケットの需要を取り込むため、将来的には全ての屋外警戒用センサにカメラを搭載。これを自社の強み・特長とし、システムソリューションとして販売する。

*注力地域
国内ハイエンド市場でシェアNo.1を目指す。
施策としては、海外子会社からの輸入品を国内展開することで製品ラインアップを強化するほか、国内に約100か所ある空港や同じく250か所ある防衛関連施設を始めとする大規模重要施設の安全確保に向けたプロジェクト案件獲得体制を強化する。
また保守やメンテナンス部門の充実も図る。

◎FA事業
*注力製品
自社の特徴である変位センサのラインアップを更に強化してシェアアップを図る。
数十年のノウハウを活かした世界最高レベルの測定精度や、ユーザーニーズを捉えたシンプルな機器構成と操作性といった同社の強みを訴求する。
また、子会社オプテックス・エフエーによる東京光電子工業子会社化により、外径寸法測定市場へ参入。非接触での高精度レーザ測定分野におけるラインアップを補完する。

*注力地域
自動化・省人化ニーズで継続成長するアジア、米国市場で更にシェアを拡大する。
アジアでは、中国販売子会社OFC(オプテックス・エフエー・チャイナ)の業容を拡大させる。現在中国市場の状況は決して明るくはないがこうした時期だからこそ営業体制を強化する必要があると考えている。東南アジアでは日系企業向け販売を拡大する。
また米国では、18年4月に設立した販売子会社OFI(オプテックス・エフエー・インク)による販売網を拡充する。

◎MVL照明事業
*注力製品
UV(紫外)エネルギーを利用して液体を固体に化学変化させるUV硬化の原理を用いて、ラベルシールのインク硬化、パネルなどの接着・封止、電子部品の接着等に用いられるUV-LED照射事業に注力する。
同社資料によれば、世界のUV-LED市場はLEDの能力向上とともに2017年~2022年にかけて33%の年平均成長率で推移し、2022年の市場規模は約12億ドルまで拡大すると予想される。

*注力地域
18年10月にシーシーエスが子会社したエフィルクス社(フランス)による欧州事業の拡大を図る。
マシンビジョン用LED照明の開発・製造・販売を行う同社は欧州の現地ニーズに対応した幅広いラインナップを有し、直接販売により顧客ニーズに素早く対応できるカスタム対応力も強みである。
エフィルクス社の販売チャネルでシーシーエス製品を販売するほか、北米で両社の製品を販売する。

成長戦略
同社はこれまで既存事業のシェア拡大とともに効果的なM&Aを実行して成長を実現してきた。防犯関連事業においては2007年の遠隔映像モニタリングサービスのファーサイト(英国)子会社化を皮切りに、光ファイバー侵入検知システムの開発・販売を行うファイバーセンシス(米国)、監視カメラ補助用LED照明を手掛けるレイテック(英国)をM&Aし、シナジー効果を発揮して屋外防犯センサ市場のシェアを拡大させてきた。
買収時の3社合計売上高は約20億円であったが、2018年は34億円まで成長している。
今後もM&Aを強化し、2桁成長を目指していく。

MVL及びFA事業においては、2016年の画像検査用LED照明シェアトップのシーシーエス子会社化を筆頭に、画像検査用LED照明コントローラーを手掛けるカーダソフトビジョン(英国)、画像検査用特殊LED照明に強みを持つエフィルクス(仏)、外径測定器メーカー東京光電子工業のM&Aにより、MVL事業をFA事業と合わせて第2の柱として確立させた。
買収時のシーシーエス、カーダソフトビジョン、エフィルクス3社合計売上高は約83億円であったが、2018年は107億円まで成長している。
FA事業・MVL事業においてもM&Aを強化し、2桁成長を目指す。

今後の注目点
今期の状況について同社では「上期は厳しい環境続き、下期から変化」と想定し、「売上高430億円、営業利益53億円」という業績予想についてもチェレンジングな数値と見ている。
短期的には昨年後半から事業環境が変調を見せているFA事業、MVL事業においてトップラインをどれだけの確度で確保できるかが注目される。
一方、中期的な視点からは自動車(電気自動車、先進運転支援システム)、IoT(データセンター需要の拡大)、AI(省人化、働き方改革)、ロボティクス(省人化、生産年齢人口の減少)といった分野の成長が見込まれる中、両事業がその強みを活かして需要をどう取り込んでいくのか、回復基調に入ったSS事業(防犯)の上昇スピードがどれほどなのかを見ていきたい。
<参考:コーポレートガバナンスについて>
◎コーポレートガバナンス報告書
更新日:2018年12月13日

<基本的な考え方>
当社グループは、株主、投資家をはじめ、顧客、社会からの信頼を獲得しつつ、継続的に企業価値を向上させることが最大の使命であると認識しております。その実践のために、コーポレート・ガバナンスの充実を重要な経営課題の一つと位置づけ、経営の透明性向上と、公正かつ迅速な意思決定を伴う経営システムの維持及び経営監視機能の強化を目指しております。

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