アマナホールディングス(2402 東証マザーズ)

2012/07/12

広告手法の変化でビジネスチャンスあるも足元コスト増に。前期子会社化したポリゴン・ピクチュアズが今期収益貢献へ。

業種:サービス業
アナリスト:松尾十作

◆ 事業の厚みが増す
・広告制作事業を営むが、㈱ポリゴン・ピクチュアズを連結子会社したことで、前2011 年12 月期第3 四半期よりエンタテインメント映像制作事業が加わった。事業内容はデジタルアニメーション制作と映画や博覧会などの映像制作の受託、そしてアニメーション映像及びキャラクターの開発・ライセンス管理が挙げられる。

◆ 前期は2 桁増収営業5 割減益
・前期業績は厳しい内容。売上高13,681 百万円(前期比14.7%増)、営業利益407 百万円(同48.1%減)、経常利益305 百万円(同56.6%減)、当期純損益赤字123 百万円(同赤転)。営業利益以下の収益はアナリスト予想を下回る結果で、会社予想も通期予想業績を第3 四半期決算公表時に下方修正した。

・主な減益要因は外注比率の低い広告ビジュアル制作事業売上高が期初計画を下回り、外注比率の高い広告の企画制作事業売上高が計画を上回る伸長となったこと。加えてポリゴン・ピクチュアズにおいてコスト先行でエンタテインメント事業セグメントが営業赤字となったため。

◆ 今期予想は会社予想をやや減額
・担当アナリストの今期予想業績は、会社予想を下方修正。事業区分別売上高はストック販売フォトが単価下落止まらず前期比微減、広告ビジュアル制作は1 桁増収、広告の企画制作は2 桁増収と予想。収益面では、戦略的判断と思われる人員増などのコスト増が予見され、営業利益以下の収益では会社予想ほど伸びないと思われる。

・担当アナリストは、2014 年12 月期までの従来の業績予想を見直す一方、新たに2015 年12 月期予想を付け加えた。エンタテインメント映像制作事業が加わったことと、足下採算が悪化した広告関連事業の収益回復遅れと戦略的な先行投資が背景にある。

◆ 妥当株価水準は305 円〜457 円を想定
・比較的業容の近い3 社を比較してみるに、同社株価に割安感はなさそうだ。ワークスゼブラやポリゴン・ピクチュアズの連結子会社化にみられる、魅力ある会社の取り込みが高い株価評価につながっているようだ。

・担当アナリストは、2015 年12 月期のEPSと適正PER水準を8~12 倍とすると、妥当株価は305 円~457 円となる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。