新田ゼラチン(4977 東証一部)

2014/01/10

世界的なゼラチンメーカーでグローバル生産体制を構築
需要拡大が見込まれるアジア展開で成長加速を目論む

業種:化学
アナリスト:馬目俊一郎

◆世界4 位のゼラチンメーカー
・新田ゼラチン(以下、同社)は、加工食品や化粧品などに広く使われるゼ ラチンの世界第4 位メーカーである。同社の強みは、原料からの一貫生 産と、原料調達リスクを分散する海外展開力が挙げられる。

◆14 年3 月期上期は原料高と一時的な品質トラブルが利益を圧迫
・14/3 期第2 四半期累計(以下、上期)決算は、売上高が前年同期比 14.3%増の160.3 億円、営業利益は同38.9%減の5.4 億円であった。海 外需要の拡大と円安効果で増収となったものの、原材料価格の上昇と一 時的な品質トラブルが利益を圧迫した。

◆同社は期初の14 年3 月期予想を据え置き
・14/3 期について、同社は上期が期初に見込んだ業績に対し、売上高及 び利益とも未達だったものの、売上高が前期比13.7%増の327.0 億円、 営業利益は同6.5%増の17.0 億円と期初予想を据え置いた。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も前回レポート(13 年6 月発行) の業績予想を継続し、14/3 期は売上高が前期比13.0%増の325.0 億円、 営業利益は同1.1%減の16.0 億円を見込む。

◆価格転嫁進捗が注目点
・当センターが予想する、15/3 期業績は、海外子会社の増産やインド関連 会社の子会社化で最終増益が見込まれることから、現在の株価は来期 予想基準PER からみれば、適正な株価水準と思われる。
・同社はゼラチンに特化したビジネスモデルだが、新興国需要増を背景に ゼラチン市況は強含みが続いている。他方、豚皮及び牛骨などの原材 料の需給は世界的にタイトな状況が続き、調達において円安はデメリット である。国内市場での価格転嫁の進捗状況が注目点となろう。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。