アクトコール(6064東証マザーズ)

2013/12/06

業種:サービス業
アナリスト:高坂茂樹

1.会社の概要
・アクトコール(以下、同社)は、住宅設備等の様々なトラブルに対して緊 急駆けつけサービスを提供する会員制事業をはじめ、不動産関連の多 様なアウトソーシング事業等を営んでいる。
・同業最大手企業の代理店として当該事業を開始し、07 年に自社サービ スの運営を開始したベンチャー企業である。

2.財務面の分析
・12/11 期までの5 年間で売上高は年平均51%の高成長を遂げてきた。し かし13/11 期は、競争激化や事業拡大のための先行投資に伴う経費増 により、営業利益は前期比7 割減の大幅減益となった模様である。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)では、新サービスの投入、新 規ターゲット市場の開拓等により、14/11 期は14%増収、営業利益倍増と、 業績急回復を予想する。

3.非財務面の分析
・全国に広がる不動産業者と緊急駆けつけ業者のネットワークが、同社の 事業推進基盤である。それらの事業者を巻き込む営業力、効率的なコー ルセンター運営のノウハウ等が同社の知的資本と考えられる。

4.経営戦略
・手数料競争に巻き込まれずに代理店網を維持ないし拡大するために、 同社はサービスメニューの拡充、家主が自主管理する賃貸住宅市場へ の参入等、販路の開拓に注力している。
・同社は事業ドメインを現在の住生活分野から、「医・食・住」の総合サ ービスへ発展させる意欲を示している。

5.アナリストの評価
・代理店網の維持、新サービスの浸透、新市場の開拓には、ブランド力の 向上が必要と考えられる。
・足元の業績変動を株式市場は十分織り込んでいない可能性がある。当 センターの14/11 期予想EPS に基づくPER25.3 倍は割高と考えられる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。