リニカル(2183 東証一部)

2013/11/15

製薬会社大手のがん領域などの開発意欲高まりを取り込みへ
13 年10 月の受注残は過去最高で、14/3 期は20%営業増益へ

業種:サービス業
アナリスト:松尾十作

◆CRO 事業を展開
・リニカル(以下、同社)は主にCRO 事業を展開している。CRO とは、製 薬会社が行なう医薬品の開発の治験に関わる様々な業務の全て、また は一部を代行、支援する機関を指す。医薬品販売支援(CSO)事業へ は10/3 期に参入した。

◆14 年3 月期第2 四半期決算は同社予想上回る
・14/3 期第2 四半期累計決算(以下、上期)は、前年同期比1.0%減収、 41.3%営業減益だったが、同社が期初に見込んだ業績に対する達成 率は、売上高で104.0%、営業利益で104.4%だった。期初において一 部の案件の受注時期がずれ込んだ影響があったものの、第2 四半期 が好調だったためである。
・13 年10 月25 日時点の受注残4,831 百万円は、08 年9 月末以来の 四半期末受注残と比較して過去最高である。

◆14 年3 月期も営業2 割増益へ
・14/3 期について、同社は売上高4,031 百万円(前期比12.0%増)、営 業利益1,151 百万円(同14.7%増)と期初予想を据え置いた。
・証券リサーチセンター(以下、当センター)も、前回レポートでの業績予 想を据え置いた。

◆中期業績見通し
・同社は、具体的な中期経営計画は開示していない。しかし、CRA(治 験モニター)を270 名体制とし、CRO 事業売上高で5,500 百万円をイメ ージしているようである。この5,500 百万円からさらに売上高拡大を目指 すために、CSO 事業の拡大、及び創薬支援事業に着手する目論見で ある。
・当センターでは、がん/中枢神経系領域に特化することで、同業他社 と差別化し、16/3 期迄の同社の成長率は、売上高で年率12.0%、営業 利益で同16.5%を見込んでいる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。