日本コンセプト(9386 東証JQS)

2013/09/20

業種:倉庫・運輸関連業
アナリスト:松尾十作

1.会社概要
・日本コンセプト(以下、同社)は、ISO タンクコンテナ(以下、タンクコンテ ナ)を用いた国際複合一貫輸送を行う総合液体物流会社である。保有も しくはレンタルで調達したタンクコンテナの洗浄及びメンテナンスまで行 っている。
・タンクコンテナを自社保有することによる価格競争力、日本国内での堅 固な顧客基盤に加え、グローバルでの営業力及び輸送のネットワーク網、 ノウハウが強みとなっている。

2.財務面の分析
・グローバルネットワークの拡大、営業拠点及び設備拡充、世界的な景気 回復にともない、13/12 期以降、利益の拡大局面を迎えている。
・利益よりタンクコンテナ及び関連設備の充実を優先してきたため、自己 資本の厚みに乏しく、小規模であることが課題ではあるが、収益性、効率 性、成長性は高水準である。

3.非財務面の分析
・顧客は、化学、薬品、食品メーカーや商社などで、B 2 Bの受注型のビジ ネスモデルである。知的資本は、長年の国内業界トップクラスの実績と知 名度、ノウハウ、信頼性により形成されていると考えられる。

4.経営戦略
・繰り返し再利用するタンクコンテナは、自社保有の物件の多いことが価 格競争力を生み出し、国内5 カ所とマレーシア1 カ所に持つ拠点で内部 洗浄し、メンテナンスを行うことにより輸送面での品質を維持することが、 他社との差別化のポイントとなっている。
・実質的な参入障壁は高く、国内発の物流を中心に安定的な経営基盤を 確立しているが、ライバルは世界的に大手である海外企業であり、また業 容は世界景気、在庫調整サイクルに左右される側面はある。

5.アナリストの評価
・中長期的には、タンクローリー、ドラム缶輸送などから、クライアントが効 率性及び経済性を求めて、タンクコンテナ輸送に切り替えると考えられる ため、液体輸送市場における物流量、及びエリアの拡大と顧客数の増加 が成長ドライバーになると考えられる。グローバルネットワークの構築と設 備増強から、年率5%~10%の利益成長が予想される。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。