ドリコム(3793 東証マザーズ)

2013/05/17

ソーシャルゲームプロバイダー大手。スマートフォンの特性活かすゲーム開発に難航
したが、内製中心の開発・運用体制に回帰、収益は回復に向かっている

業種:情報・通信業
アナリスト:高坂茂樹

◆13 年3 月期は大幅減益ながら、内製回帰で収益に回復の兆し
・13 年3 月期業績は、売上高8,490 百万円(前期比18.1%増)、営業利 益474 百万円(同65.0%減)、純利益127 百万円(同84.2%減)。
・外部リソースに依存する新作量産戦略の失敗等から営業利益は大 幅減となったが、内製中心の開発・運用体制に切り替えアクティブユ ーザーの繋ぎ止め、ゲーム事業売上高の維持に努めた結果、四半期ベ ースでは収益悪化に歯止めがかかった。

◆今期会社予想の18%増収は妥当と判断
・会社側の14/3 期業績予想は、売上高100 億円(前期比17.8%増)、営業 利益5 億円(同5.4%増)。前期投入した海外向けネイティブゲームの日 本語版提供開始、テレビアニメとの連動企画ゲーム等が収益を牽引する 見込みである。
・証券リサーチセンターでは、今期会社予想売上高が達成されるならば、 相応の広告宣伝費の投入があっても、利益面では上振れする可能性が 高いと予想する。リスク要因として、新作タイトルのヒットの有無に加え、期 待する高水準の人材獲得の進捗に留意しておきたい。中期的にも2 割 程度の売上高の伸びを予想する。

◆トップラインの持続的成長が確認しづらい局面
・前期業績急落の結果、同社の株価バリュエーションは予想PER をはじめ とする伝統的な手法では判断できない水準にある。当センターの中期収 益見通しより、現在の株価は概ね妥当な水準にあると考える。
・ただ、ソーシャルゲームプロバイダーの収益は、スマートフォンに対応し た新作開発や海外戦略の成否によって、大きく収益が変動する局面に あり、中期的な収益予想や適正株価の判断は依然困難である。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。