インフォマート(2492 東証マザーズ)
フード業界向けB to B プラットフォーム「FOODS Info Mart」が事業の柱
業種:サービス業
アナリスト:馬目 俊一郎
◆ 利用企業数の増加とともに業容を拡大
・同社は食品卸や外食産業などのフード業界向けにB to B 電子商取引の プラットフォームFOODS Info Mart を提供し、利用企業の増加とともに業 容を拡大。FOODS Info Mart は食品卸や食品メーカーなどの「売り手」と、 外食産業やホテル等の「買い手」を結ぶシステムで、日常の仕入れや購 買に係わるASP 受発注システムが成長ドライバーを担う。FOODS Info Mart は定額課金モデルで提供されることから、利用企業数の積み上げ によるストック型ビジネスモデルと考えられる。
・10 年12 月期からスタートしたASP 受注・営業システムは、売り手の食品 卸をターゲットにシステム取引高に応じた従量課金モデル。定額課金モ デルのFOODS Info Mart を基盤に、従量課金モデルのASP 受注・営業 システムで利益成長を加速させる構え。
◆ 12 年12 月期はマーケティングコスト未消化で利益が上振れ
・12 年12 月期決算は売上高が前期比13.9%増の37.8 億円、営業利益 は同25.5%増の8.1 億円で着地。新システム稼働に伴い、旧システムの 加速度償却で減価償却費が同3.1 億円増となるも、ASP 受発注事業や ASP 企画書事業の伸びで固定費増を吸収した。なお、期初計画に対し ては、売上高が若干の未達に終わるも、ASP 受注・営業システムの拡販 に向けたマーケティング予算が売上高未達で未消化に終わったため、 営業利益は計画を2.5 億円程度上回った。
◆13 年12 月期は16.0%増収22.3%営業増益を見込む
・13年12月期の会社計画は売上高が前期比16.0%増の43.8億円、営 業利益は同22.3%増の9.9 億円を見込む。当面の戦略は従量課金モデ ルのASP 受注・営業事業におけるユーザー数とシステム取引高拡大で 利益成長を加速させるとともに、他業界参入で事業ポートフォリオの拡大 を模索する方針。
◆中長期的な適正株価水準は3,400 円~4,600 円を想定
・株式市場の好転で、東証一部全銘柄の予想PER は20.1倍、新興市場 は同17.5倍で推移。これに同社の利益成長率を考慮すると、中長期的 な妥当株価バリュエーションはPER15倍~20 倍と想定される。当センタ ーの16年12月期予想EPS231.1円に上述した妥当PER 水準を当ては めると、同社の中長期的な適正株価水準は3,400円~4,600円が想定さ れる。