GCC経営™分析レポート:株式会社メイホーホールディングス(東証GRT 証券コード:7369)
個人投資家フレンドリーの対策強化に期待

2025/01/09

長期展望+四半期レビュー
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

1.長期展望:地域インフラを支えるメイホーグループ~収益力向上と株主対策による本質価値の再評価に向けて~

メイホーグループは、建設関連サービス、人材派遣、建設、介護の4事業で社会インフラを支える企業グループである。⾧年継続している国土交通省発注の道路維持修繕工事に代表される技術力と実績、M&Aによってグループとなった全国に展開する22社の地域密着型経営基盤、そして人材不足やインフラ老朽化、介護など社会課題解決への貢献が強みとなっている。M&Aによって急速な売上増大を実現しており、一時的なM&A費用やのれんの増大、建設関連特有の四半期変動により、営業利益ベースでは収益性が悪化しているが、EBITDAベースやM&Aの費用などを除いてみれば、収益力の本格的向上が確認されている。中期的には、売上高300億円、営業利益率10%、M&Aを活用し、将来的には売上高1,000億円を目指している。現状の株価水準は本質的な企業価値を十分に反映していない。この背景には、四半期開示の内容が規定演技は満たすものの限定的で、成⾧戦略や事業価値が投資家に十分伝わっていない点が挙げられる。一時的な費用増大や、建設セクター固有の四半期の変動の影響などで見かけの足元の業績が悪く見えるため、M&Aによる⾧期的な企業価値向上が投資家につたわっているとは言い難い。今後は昨年末から開始したSNSでの情報発信をはじめ、自由演技による株主対策の強化の動きを期待したい。想定されるのは、中期経営計画の策定、株主優待制度の導入、株式分割、短期的に業績が一時的に悪化した場合の⾧期的な展望の丁寧な投資家フレンドリーな追加開示などが上げられる。

2.四半期決算:本質的な収益性は改善。その動きを明確化する2-3年後の具体
的な数字の中期経営計画の早期発表を期待したい。
EBITDAとのれん償却前、M&A関連費用前、営業利益の四半期推移を分析すると、収益力の着実な向上が確認できる(開示されていない四半期の数字はJPR推計値)。2023年6月期1Qから2025年6月期1Qにかけて、のれん償却前+M&A関連費用前の営業利益は-6百万円→18百万円→60百万円と大幅に改善。本社費用が2025年6月期1Qでは40百万円近く増大していることを考えると、本質的な収益力は着実に向上。ただし、丁寧に分析しなければこの動きは理解できない。理解の促進には、一層投資家フレンドリーを心がけた、分かりやすい開示や、本質的な収益性改善を反映した中期経営計画の発表、SNSによる非財務的な動きの詳細な発信強化が求めらる。

3.株価動向:足元の収益性が適正に株価に反映されれば4,000円台の株価回
復の可能性は高い。第二四半期決算が重要。
株価は、2023年7月18日発行の弊社レポートをきっかけに1,200円から4,500円まで急騰した後、業績面での一時的な減益懸念から2,000円前後まで調整。M&A関連費用やのれん償却費の増加による表面的な利益減少を嫌気して、2024年末には一時的には1,700円台まで下落した。しかし、実質的な収益力の向上が市場に認識されれば、株価の見直しが期待される。次頁以降の分析によれば、今期の会社計画が実現し2026年6月期以降の成⾧への期待が高まれば、4,000円台の株価回復の可能性が高い。第二四半期の決算で、四半期の変動に惑わされない丁寧な⾧期的な見通しの開示がなされるかが鍵。中期経営計画が発表されればベスト、また、第二四半期は、EBITDAベースでみれば例年相対的に高い利益を計上。M&A費用などがない、次回の四半期決算での見かけの利益の回復も確認されれば、株価4,000円台の早期回復に弾み。

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