GCC経営™分析レポート:ダントーホールディングス株式会社(東証スタンダード 証券コード:5337)
GCC経営™分析よるターゲット株価1,732円の可能性

2024/05/27

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修 小松麟

2025年以降の黒字化が見えてきた
 ダントーホールディングス株式会社(以下、「ダントーホールディングス」)は1885年に建物用タイルの生産販売を行うタイル事業(建設用陶磁器等事業)を淡路島で創業した。ダントーホールディングスの株主価値を考える上でのポイントは、①大幅赤字となっているタイル事業の黒字化、②2006年に純粋持株会社化して以来、拡大してきた投資関連の事業のアップサイドである。①については、構造改革と合理化、WEBによる直接販売の拡充、著名なデザイナーと連携した意匠性の向上、海外の著名な見本市参加による拡販等により、JPRは黒字化の道筋が見えてきたと考える。②については不動産事業、ベンチャーキャピタル事業において、JPRとしては非常に大きなアップサイドがあると考える。2024年12月期第1四半期を見ると売上高は前年同期比で16%増、営業損失も縮小傾向にある。今後上記2点によってさらなる改善が期待できる。

人的ネットワークと資金調達力
 上記2点を支えるのはダントーホールディングスの大株主の支援と機動的な資金調達力である。会⾧の加藤友彦は人的ネットワークに強みがあり、投資家への出資を働きかけてきた。その結果、ダントーホールディングスは2023年1月にはハワイ州ホノルルに本拠地を置くTAT Capital Fund LLC(以下TAT)への第三者割当増資により資金調達を実施するなど積極的に資金・経営資源の調達を実現している。最近では5月15日に新株予約権を利用した資金調達を開示したが、翌日終値比で4%株価が上昇するなど、市場から評価されている。本レポートではダントーホールディングスが持つ3つの子会社を中心に事業分析をおこない、さらにベンチャーキャピタルの投資先企業についても分析を行った。投資先企業については今後の展望と株主価値という側面からの分析も行っているため参考されたい(参考資料:ダントーグループの注目投資先企業)。

ターゲット株価:1,732円
 以上のシナリオで株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2」参照)」で試算した。10年分の成⾧価値を織り込めば、株主価値は629億円、2024年5月4日終値ベースの時価総額の約2.6倍、株価換算1,906円と推計された。ベンチャーキャピタル投資実績のアップサイド(参考資料での推計700億円以上)を考えるとJPRとしてはこの株価が2年以内に実現する可能性が十分あると考えている。なおこの株価は新株予約権の影響を全く考慮していない。5月における資金調達により3,300,000株の株数が増大した前提ではターゲット株価は1,732円となる。

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