GCC経営™分析レポート:サイバーステップ株式会社(東証スタンダード 証券コード:3810)
革新的なオンラインゲームで1億MAU¹を目指す

2024/04/17

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修 宮下明久

3度目の革新的技術で最高時価総額の更新の可能性も
 サイバーステップ株式会社(以下「CS」)は「世の中にないものを創る」にこだわり、①革新性、②アクセシビリティ、③コミュニティ形成の特徴を持つゲームをグローバルに創造してきた。最初の成功ケースが、2002年にリリースの、Free-to-play(「F2P」)モデルの『ゲットアンプド』である。オンラインゲームにアイテム販売という革新的なビジネスモデルを組み込んだことにより、上場した2006年には、全世界で2,000万人のユーザーを獲得し、時価総額180億円を超えた。第二が、2010年リリースの、24時間いつでもどこからでも本格的に楽しめるクレーンゲームアプリ『トレバ』である。エンターテインメント業界における新しい潮流を生み出し、2017年には時価総額500億円を超えた。第三が、2023年リリースの、プログラミング知識のない小学生でもゲームを作れる革新的技術のサンドボックスゲーム『テラビット』である。世界的なサンドボックスゲームは1億人以上のMAU達成。その1社ロブロックス(https://finance.yahoo.co.jp /quote/RBLX)の時価総額は3兆円。CSも難易度が高いが1億MAUの達成を⾧期的に目指す。その過程で過去最高の時価総額の更新が期待される。

サステナブルな売上・利益・株価成⾧を3つの施策で実現へ
 CSには収益性のサステナビリティに課題がある。過去2回の市場創造では、類似製品の参入や、不十分な事業拡大の追求等により、創出した市場規模並みの成⾧を売上・利益で実現できなかった。株価もブームを過ぎると時価総額50億円未満に低迷した。今後は課題克服のために、以下の3施策を推進する。①「トレバ」の事業拡大「トレバ」の国内および海外市場の拡大に向けた業務提携、景品仕入れの強化などを進め、収益を改善していく、②「テラビット」の配信者/ストリーマーとのコラボ等の実施によるユーザー数拡大、③有望なコンテンツIPを持つパートナーとの事業提携によるトレバの景品の充実やコンテンツ販売である。2/27~29にかけて実施された第三者割当先は、①、②、③を推進する事業パートナーである。さらに、会社ヒアリングによると短期的に以下が期待される。①四半期で一億円前後の効果のある人件費・外注費・倉庫賃料の大幅な削減、②パートナー企業が支援する限定景品によるトレバ売上拡大、③配信者とコラボしたオリジナルゲームの販売による売上向上、④「テラビット」のゲーム空間内に日本を代表する観光協会と組んだ観光地のデジタル化、⑤海外のパートナー企業に対する大型契約の締結、⑥子会社の株式会社ブルームズ(以下「ブルームズ」」)のナスダック上場である。これらがうまく進めば、瞬間的な単月の早期黒字化、また、通期黒字化の可能性も出てこよう。そのほか知財の価値創造の仕組み化、IR体制の強化も検討。

5年後の成⾧価値を織り込んだ株価は914円
 短期的な各種施策および⾧期的なトレバ売上の回復、テラビットの成功により、過去最高の時価総額の4割程度の時価総額200億円が達成されるとの前提で、逆算して株主価値を構造化したのが、以下の図である。インベストメントサマリーで説明する前提が実現すると仮定し株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2.」参照)」で試算した。結果として、第三者割り当ての希薄化をすべて考慮した上で、5年
分の成⾧価値を織り込んだ株価は914円、10年分の成⾧価値を織り込んだ株価は1,617円と推計された。914円は、5つの施策で通期の実績がでてくる2025年7月中旬ごろがターゲット。

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