株式会社メドレックス(4586 Growth)
リドカイン・テープ剤 年内再申請へ
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フェアリサーチ株式会社
鈴木 壯
ニッチな市場で独自の技術
メドレックス社は、既存の経口薬・注射薬の有効成分を経皮吸収型製剤として開発し、製薬会社へ導出(ライセンス供与)、マイルストーン収入や上市後のロイヤリティ収入等を獲得するビジネスモデルの会社である。
通常の新薬創薬ビジネスと比較して、既存の薬剤の有効成分をベースにしているため成功確率は高く、ニッチな分野であるため競合も限定され、しかも独自のILTS®技術やNCTS®技術等で差別化されている。また、マイクロニードルという「貼るワクチン」の技術も保有し、フィジビリティ・スタディを継続中である。
リドカイン・テープ剤 再申請の見込み
メドレックス初の上市品になると期待されているリドカイン・テープ剤(Lydolyte)だが、2023年9月29日、 FDAから2度目の審査完了報告通知(CRL)を受領する結果となった。しかし、メドレックスでは、追加試験を行うことなくデータの再解析でFDAの指示(非臨床試験の一部のデータの再提出)に対応できると判断しており、年内に再申請を計画している。順調にいけば、承認は2024年前半、上市は2024年後半と予想される。Lydolyteのピーク時売上げは85億円程度と推計され、ここから一定の利益がメドレックスにもたらされると考えられる。2023年6月の現預金水準は13億円で、積極的に研究開発を行いながら事業運営をしていくために必要な資金の1年分であるが、 2024年にはLydolyteの承認・上市で、事業資金の上積みが期待できる。
「選択と集中」の継続
2023年4月、チザニジン・テープ剤(MRX-4TZT)について、ようやく導出先のCipla社からすべての権利を取り戻し、独力でPh2を遂行する環境が整備された。メドレックスは、当面、少なくとも400億円程度のピーク時売上げが見込めるチザニジン・テープ剤(MRX-4TZT)の開発に集中し、保有するリソースを投下していく見込みである。フェンタニル・テープ剤(MRX-9FLT)の開発はBE試験にとどめ、誤用防止技術の試験など中核となる試験は2024年以降となる。メマンチン貼付剤(MRX-7MLL)の開発も、製剤改良に留め、PK試験などは2024年以降に持ち越す予定である。またブロックバスター級の売上が見込まれるジクロフェナック・リドカイン・テープ剤(MRX-6LDT)の開発はペンディング継続である。開発意欲が旺盛なメドレックスは、いくつものパイプラインを保有する開発意欲が旺盛なバイオベンチャー企業ではあるが、「選択と集中」を継続し、一つ一つ着実に上市品を増やしていくことで、企業価値が高まっていく過程にあることを再確認したい。
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