GCC経営™分析レポート:株式会社デンヨー(東証プライム 証券コード:6517)
GCC経営™分析よるターゲット株価4,340円の可能性

2023/05/25

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
柏尾祐介

可搬型発電機No.1、溶接機No.1
 デンヨー㈱(以下、「デンヨー」とする。)は1948年創業の歴史ある企業で、主力の発電機や溶接機も約60年の歴史を誇る。経営理念として「三者の得」を掲げており、主力製品である発電機の供給で社会課題に貢献する。具体例として、電力インフラがない場所などの他、電力の喪失が命の危険につながる病院や、ITの進展で重要性が増すデータセンターなどでの補助電源の供給が挙がる。
成⾧ポテンシャルにおいては、急激な市場伸⾧は期待されないものの、老朽設備の更新など一定の需要が担保されており、近年では防災意識の高まりによる需要が増加した。また、アジアを中心とした途上国など海外でのニーズも高く、2023年3月期の売上高では米国の需要が高まり、売上の約半分を海外売上が占めており、海外の拡大余地は高い。

パワーソースのNo.1企業へ
 デンヨーの戦略は、安定的な成⾧とバランスのとれた事業構造の確立で、パワーソースのパイオニアとしての信頼と販売ネットワークを駆使し、日本をはじめ世界各地で、高性能発電機マーケットのナンバーワンを目指すと共に、発電機製造のノウハウを最大限に発揮できる周辺事業の拡充や新規事業への参入等に注力する。
強みは、一貫生産体制、顧客要求への柔軟な対応、高性能・耐久性などが挙げられ、こ
れらの強みにより現在の高シェアを構築している。
電力供給で社会貢献をしている反面、エンジン駆動によりCO2排出で環境負荷をかけているジレンマがあり、カーボンニュートラルへの対策として水素を燃料とした発電機の開発に取り組んでおり、次世代への布石も進めている。

10年成⾧シナリオ次第で、最大アップサイド2.2倍
 株主価値をGCC経営™のフレームワークにより「超過利潤法(「巻末資料2」参照)」で試算した。結果として、価値創造プロセスの概念が実装・実現する前提で10年分の成⾧価値を織り込んだ株価は4,340円と推計された。割安株是正の流れにより、⾧期の成⾧価値が今後数年程度で株価に織り込まれる可能性は十分ある。

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