GCC経営™分析レポート:株式会社YU-WA Creation Holdings(東証スタンダード市場 証券コード:7615)
GCC経営™分析よる7.9倍のアップサイドの可能性 和装のあるライフスタイルを提案する会社へ
ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
柏尾陽介
成人式を起点とした顧客獲得による、成功と行き詰まり
株式会社YU-WA Creation Holdings(以下「YU-WA社」)の中核事業会社である、京都きもの友禅は創業55周年を迎える老舗企業であり、広告・宣伝で販管費はかかるものの、和装の高いブランド力による高粗利が維持され、安定した経営が成立していた。
一方で、成人式を起点に和装に触れる日本特有の文化を前提としたビジネスモデルであり、和装着用者の減少やコロナ禍による成人式非開催の影響が加わり、若年層の顧客獲得が大きな課題であり、経営の岐路に直面している。
和装のあるライフスタイルを、ライフイベント全般で提案
本レポートでは、YU-WA社が「和装のあるライフスタイルを提案する会社」へと変革する方向を「伝統的から現代的へ」、「リアルからデジタルへ」の二つの軸で解説している。既にYUWA社が実施しているECサイトのオープン、ネイルサロン事業の開始など、様々な取り組みをこの二つの軸をキーとしてその意義を解説した。これらの取り組みにより、顧客満足度を引き上げ、事業間の相互送客とLTVの向上を目指し、現状の課題である顧客獲得手段を向上させる。
YU-WA社自前の成⾧に加え、アライアンスの積極的な活用を標榜しており、リユース事業や保険の販売を開始した。今後のアライアンスは「和装のあるライフスタイル」を生活者の幼少期から成人まで、ライフイベント全般をカバーする点を重視しており、自前で不足している資源はアライアンスで補う。
成⾧シナリオの実現により、最大アップサイドポテンシャル7.9倍
YU-WA社が描く成⾧シナリオが実現した場合の株主価値をJPR独自の手法により算出
した。売上は自前+アライアンスで10年後に約3倍、ROICはリアルからデジタルの移行で粗利・販管費・投下資本がそれぞれ下がるが規模のメリットが働き改善、WACCは既に低い5%台を維持。これらにより最大アップサイドポテンシャルは7.9倍と試算した。
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