アグロカネショウ(4955 東証二部)
2012/11/13
業種:化学
アナリスト:松尾 十作
1.会社の概要
・果樹、野菜向け農薬事業に特化し農薬の輸入販売及び製造販売を行っている中堅専業メーカー。
・会員店販路を中心とした商系の販路が中心であり、営業担当が直接農家を訪問、コンサルティングセールスを行う農家密着型営業が特長。
・創業から今日に至るまで農薬及び関連事業の専業者として、輸入品に独自のノウハウを加えた農薬と自社開発農薬で業容を拡大してきた。
2.財務面の分析
・震災、原発事故の影響により2011 年12 月期は大幅な減収減益、福島工場の減損により最終利益赤字転落。今2012 年12 月期黒字転換へ。
・当センターでは震災復興需要・生産の軌道化などで今期以降は、業況がほぼ通常の水準に回復していくと予想。来期以降も、新しい農薬による効果や輸出の伸びなどで、実質的に増収増益へ。
3.非財務面の分析
・同社は、復興需要に対処するために、新工場の建設及び生産面でのリスク分散、新薬の研究開発、国内外での登録・上市に注力している。海外への輸出及び積極的な進出にも意欲的である。
4.経営戦略の分析
・復興需要の本格化、消費税増税の仮儒などの取り込みに注力している。また、結城事業所/茨城工場の新設により、研究開発のスピードアップと供給・品質の向上を目指す。
5.アナリストの評価
・同社は、農薬の効果が大きい果樹・野菜分野に特化し会員店による流通経路で全国展開。農家密着型の営業スタイルは業界ではユニーク。独自商品・自社新薬の開発に注力し、今後は成長率が高まる局面もあると考えられる。
一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。