ダイショー(2816 東証二部)

2012/11/13

業種:食料品
アナリスト:柴田 郁夫

1.会社の概要
・同社は、「味・塩こしょう」「焼肉のたれ」「鍋スープ」など、調合調味料に特化する食品メーカーである。なかでも、市場の伸びが著しい鍋スープ市場ではシェア約17%でトップを誇る。
・GMSやスーパーなどの生鮮部門における店頭プロモーションと、消費者ニーズを捉えたきめ細かい商品開発や品種展開に特徴がある。

2.財務面の分析
・過去の業績は、着実な売上成長と高い利益率で推移しており、優れた財務基盤をもつ。ただし、最近は市場の一服感から成長性に鈍化傾向が見られる。
・2012年3月期決算は微増収ながら減益となり、2013年3月期会社計画もコスト増による営業減益を見込む。

3.非財務面の分析
・同社の知的資本の源泉は、売り場提案に優れた人的資本と、そのノウハウ等を社内で共有することで蓄積された組織資本によって形成されており、それが顧客基盤などの関係資本を支えている。

4.経営戦略の分析
・同社は、当面の課題として「新たな販売チャネルの開拓」と「首都圏をはじめとした東日本の基盤強化」に取り組む方針。
・特に、今までの生鮮部門に加えて、惣菜部門(業務用)と日配部門(小売用)向けのチャネル開拓が戦略の目玉とされる。

5.アナリストの評価
・中長期的には、国内消費市場の縮小にどう対応していくのかが最大の課題であるが、今のところ将来の成長ドライバーとなる軸が見当たらない。次の打ち手をどうするのか、今後の動きに注目したい。
・株価は類似会社と比べてフェアバリューの範囲内と判断される。中長期的な適正株価水準は750円~870円のレンジが想定される。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。