エスクリ(2196 東証マザーズ)
今期業績は順調に推移。中期経営計画の更新が興味深い。東京証券取引所第一部への市場変更を申請中。
業種:サービス業
アナリスト:松尾 十作
◆ 今第2四半期決算は期初予想上回る
・今第2四半期決算は期初予想上回る。売上面では平均組単価が想定を上回ったこと、営業利益以下の収益では増収効果に加え費用の期ズレによるもの。
・今年6月9日に表参道事業所が当初見込み通りに稼働した。八重洲事業所の施設拡大として現施設真向かいのビルの新施設稼働は、従来のリリースでは今秋としていたが、12月稼働開始予定と後倒し。
◆ 中期予想
・中期経営の修正はない。新規事業として海外展開を模索しているようだ。当センターでは、次回の中期経営計画更新時に現地企業との提携で進出するなどの具体策や数値目標が公表されると予想している。
・当センターの中期予想は僅かながら上方修正した。この背景は主にブライダル事業における組単価の見直しによるもの。
◆ 東証一部への市場変更を申請済み
・今年9月24日に284,300株(分売価格657円)の立会外分配を実施した。これは、同社が東京証券取引所第一部への市場変更の申請を行っており、株式数の充足や分布状況改善、および流動性向上を図るため。
◆ 想定株価は780~1,040円
・将来の事業展開と財務体質強化のために内部留保を優先し、無配を続けており、具体的な配当政策も公表されていない。来14年3月期以降は、内部を固めながらの確実な成長モードに移ると思われることに加え、市場変更の際には、無配が継続している配当政策の変更の可能性もあろう。なお、当センターでは来期に初配当10円を予想している。
・競合他社比較では割安感は感じられないものの、今期以降の成長性期待などが同社の市場価値を高めていると推察され、適正バリュエーションはPER6倍~8倍と仮定される。したがって16年3月期の予想EPS130.0円を基にした妥当株価は前回想定をやや上乗せの780円〜1,040円が想定される。