GMO クラウド (3788 東証マザーズ)

2012/09/14

第2 四半期決算は増収増益。ホスティング苦戦をセキュリティとソリューションでカバー通期ではコスト削減効果とクラウド伸張が収益性改善のカギ

業種:情報・通信業
アナリスト:馬目 俊一郎

◆ ホスティングサービス事業が主力。クラウドサービスにも参入
・同社は通販サイトやWebサービス事業者向けにサーバを貸し出すホスティングサービス事業を主力に、電子認証サービスのセキュリティサービス事業やWeb制作、翻訳サービスなどのソリューション事業を展開。
・ホスティングサービス事業の契約件数は、低価格をセールスポイントに 2011 年12 月末で13.4 万件と国内最大規模を誇る。
・11 年12 月期からは市場の拡大が見込まれるクラウドサービスに参入。今後の成長ドライバーとして育成する方針。

◆ 第2 四半期決算は増収増益。
・2012 年12 月期第2 四半期決算は、売上高が46.8 億円(前期比4.6%増)、営業利益は4.9 億円(同14.7%増)、当期純利益は2.6 億円(同 1.1%増)となった。ホスティングの苦戦をセキュリティやソリューションでカバー。注目のクラウドサービスは着実に伸びているものの本格的な利益貢献は13 年12 月期以降となる見通し。

◆ 当センターは中長期の利益予想を増額修正
・同社は期初の2012 年12 月期会社計画を修正した。修正後の会社計画は、売上高95.0 億円(前期比5.2%増)、営業利益10.0 億円(同31.9%増)となる。利益が大きく伸びる要因は、複数ブランド統合によるコスト削減のほか、クラウドサービスの売上高伸張で固定費吸収が進むため。
・当センターは、前回レポート(2012 年3 月発行)の中長期業績予想について、売上高の見通しは据え置くものの、コスト削減効果など、同社の構造的な収益性向上を基に各段階の利益予想を増額修正した。

◆ 中長期的にはクラウドの契約件数と単価動向に注目
・同社は、収益面の増額修正に伴い、配当計画も期初段階の1,500 円配から1,800 円配に300 円の増配を公表した。
・現在の株価水準には、予想配当利回りで再評価余地があるものの、今期予想PER や実績PBR では同業他社比較において割安感に乏しい。
・中長期的な適正株価水準は51,712~64,640 円と想定されるが、今後はクラウドサービスの契約件数や売上高動向に着目しながら、成長モメンタムの変化が株価を刺激する可能性が考えられる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。