ダブル・スコープ(6619 東証マザーズ)

2012/08/20

リチウムイオン二次電池用材料のセパレータを開発・製造する専業メーカー。 2012年12月期は調整局面入りで減益予想も、来期以降の成長路線回帰に期待。

業種:電気機器
アナリスト:高坂 茂樹

◆ 中・米リチウムイオン電池メーカーの変調で業績見通しに暗雲
・2012/12期・2Q累計期間の業績は、売上高1,625百万円(未監査の前年同期比10%増)、営業利益562百万円(同22%増)、純利益547百万円(同19%増)。11年2月竣工の2号ラインが本格稼働していること、中国のマーケティング体制強化による顧客増などから増収増益となった。

・想定に比べ為替相場が対米ドルで円安、対韓国ウォンで円高になり、利益は水増しされた格好だが、実態は米国向け販売の急減等で厳しかった。

◆ 2012/12(通)期は大幅減額修正で前期比減益に
・通期会社予想は売上高3,538百万円(前期比5%増)、営業利益1,148百万円(同12%減)、純利益1,073百万円(同11%減)。なお、期初予想との比較では売上高21億円(37%)、営業利益9.3億円(45%)の減額。

・債務危機による欧州景気後退で、中国からの情報家電等の輸出が低迷、電気自動車に対する楽観的な観測も見直され、中国や米国のリチウムイオン二次電池メーカーの業況は、太陽電池と同じ様相を示してきた。

・担当アナリスト予想は、今期は会社予想と同水準に、来期以降は旧予想を1期先送りする要領で下方修正した。太陽電池と異なりリチウムイオン二次電池のアプリケーションには多様性があるため、来年度以降の早い時期の業況改善を予想する。

◆潜在的な成長力を背景に、2期先の予想PER14倍へ
・リチウムイオン二次電池市場や同社の成長性が再確認された暁には、上場初値(2,300円)の直近期予想ベースPER25倍、2期先予想PER14倍といった評価を回復する可能性がある。担当アナリストの14/12期予想 EPSの25倍、15/12期予想EPS の14倍で算出すると、妥当な株価は 2,670~3,700円となる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。