リニカル(2183 東証マザーズ)

2012/08/20

がんなどの製薬大手の開発意欲高まりを取り込みへ。今期会社予想を増額修正。来期以降の増配を期待。

業種:サービス業
アナリスト:松尾 十作

◆ CRO事業を展開
・主にCRO事業を展開。CROとは、製薬メーカーが行なう医薬品の開発 の治験に関わる様々な業務の全て、または一部を代行・支援する機関を指す。医薬品販売支援(CSO)事業は新規事業で2010年3月期に参入した。

◆ 前期大幅増益
・前回レポート発行(2012年1月18日)後の2月13日に業績予想の上方修正をリリース。結果は上方修正をやや上回る数字だった。CRO事業の実施案件において中止となる案件もなく既存案件の増員契約もあり、CRA要員の高い稼働率を維持できたことから営業大幅増益につながっ た。

◆顧客からのリピート受注と新規顧客開拓で成長
・過去3期の年平均増収率(複利)は15.2%、特に前期は23.8%増 収と高い成長性を示現したがCRO事業が順調だったため。顧客か らのリピート受注とヤンセンファーマなど新規顧客の貢献によるもの。

◆今期予想は会社予想をやや増額
・担当アナリストの今2013年3月期予想業績は、会社予想を上方修正。 今期第1四半期業績リリース直後に今期第2四半期累計会社予想を増額修正。中止案件が発生したものの、それを上回る新規及び増員の受託契約を締結できたようだ。こうした情勢をふまえ、今期予想を修正した。

・担当アナリストは、2015年3月期までの従来の業績予想を見直す一方、新たに2016年3月期予想を付け加えた。注力しているがん領域と中枢神経系領域の伸長を見込んだため。

・担当アナリストは11円の安定配当及び20%の配当性向がベースと考えている。したがって2014年3月期から増配が期待できよう。

◆ 妥当株価水準は720円〜864円を想定
・業容の近い他社を比較してみるに、同社株価に割高感はなさそうだ。中長期的な利益成長性や同業他社を参考にすると、適正PERは10~12倍と思われる。担当アナリストの2016年3月期業績予想によれば、EPSは72.0円が見込まれており、今後2~3年で見た妥当株価は720~864円程度と想定される。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。