日本メディカルネットコミュニケーションズ(3645 東証マザーズ)

2012/07/27

歯科と美容に特化したネット広告をベースに事業ポートフォリオの拡大に着手

業種:情報・通信業
アナリスト:馬目 俊一郎

◆ 広告収入に次ぐ収益モデルの多様化に着手
・同社は医療ポータルサイト運営のエムスリー持分法適用会社で、歯科と 美容に特化したインターネット広告が主力事業。
・主力のポータルサイト運営事業は、自社運営のポータルサイトを通じて 顧客である歯科医師やエステサロンのネット広告を展開。SEM事業では 顧客ホームページのSEOサービスとリスティング広告を提供。その他事 業は顧客ホームページの作成や新聞折り込み広告等のほか、2012年5 月期にインプラント保証サービスをM&Aで手中にし、13年5月期からは 歯科特化の人材紹介サービスを本格的に立ち上げ。

◆ 12年5月期はSEO不振と先行投資で減収減益
・2012年5月期は売上高が10.5億円、営業利益は1.3億円、当期純利 益は0.6億円で着地。初の連結決算のため前年同期比較ができないも のの、単体の11年5月期実績からは実質的に減収減益。

◆13年5月期も先行投資負担で営業減益の見通し
・2013年5月期の会社計画は売上高が前期比3.9%増の10.9億円、営 業利益は同55.2%減の0.6億円、当期純利益は同56.1%減の0.3億円 を見込む。売上面ではSEOサービスと新聞折り込み広告の苦戦を、新サ ービスのインプラント保証と人材キャリアでカバーして増収の見通し。一 方、利益面ではSEM事業のセールスミックス悪化に加え、新サービスの インプラント保証と人材キャリアの先行投資負担で営業減益を見込む。

◆ アナリストは中長期業績予想を減額修正
・想定以上のSEOサービス苦戦と、インプラント保証サービス売上高の按 分計上により、アナリストは前回レポートの中長期業績予想を減額修正し た。主な修正ポイントは、有料歯科医会員数の増加にも関わらず歯科ポ ータルの売上高が横ばいにと留まっていることから、ポータルサイト運営 事業のセールスミックス悪化を認識。SEM事業はSEOサービスの逓減ト レンドを予想し、その他事業ではインプラント保証サービスの売上高を按 分計上に修正した。

◆ 中期的な適正株価水準は170円~270円を想定
・新興市場(JASDAQ)の平均予想PER12倍と実績PBR1.1倍を、アナリス トの2016年5 月期予想EPS14.2円及びBPS244.0円に当てはめると、 中長期的な適正株価水準は170 円~270円のレンジが想定される。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。