ブラジル大統領・議会選挙について
- 大統領選挙は右派の社会自由党党首のボルソナロ氏が46%で得票率トップ。決選投票に臨みます。
- 議会選挙は、代議員は左派の労働者党と社会自由党が拮抗。今後、連立へ勢力争いが見込まれます。
- 政治リスク後退で通貨レアルは急反発、市場の注目は再び改革と金融政策の行方に戻ると考えます。
右派政権の誕生か?
7日、ブラジルで大統領・議会選挙が実施されました。大統領選挙では右派または極右政党とも呼ばれている社会自由党の党首で代議院(下院)議員、元軍人のボルソナロ氏が46.0%の得票を得て、29.3%で、2位のアダジ氏(労働者党、元サンパウロ市長)と共に、28日の決選投票に臨むこととなりました。
また、議会選挙は代議院(定員513)、元老院(上院、定員81)共に政党が乱立し、代議員で30、元老院で20の政党が議席を獲得しました。代議院の第1党は労働者党(ルラ元大統領、ルセフ前大統領を輩出、左派)が56議席でした。ただし、前回選挙(14年)からは13減でした。第2党は社会自由党で52議席、前回選挙のわずか1議席からの大躍進でした。なお、テメル現大統領所属のブラジル民主運動党(中道)は34議席で第4党、前回選挙から32減とほぼ半減の惨敗に終わりました。政権は今後の連立によります。右派側の議席数が多いですが、中道寄り政党の取り込み次第なので流動的です。
ひとまず反発
レアル相場は、米金利上昇、政局不安などで年初から下落基調をたどり、8月末頃から9月半ばにかけて、史上最安値の1ドル4.2レアル台まで下落していました。しかし、選挙戦でボルソナロ氏の優位が鮮明になるにしたがって値を戻し、10月に入って4レアルを割り込み。足元は3.7レアル台となっています。
選挙結果にかかわらず、選挙が終了すれば反発すると見ていたため、この動きはほぼ予想通りです。今後は再び、米国とブラジルとの金融政策の位置付けと方向性の関係、新政権の改革に対する取り組みが注目されると考えます。社会保障改革の取り組み次第ではレアルに逆風になることがあり得ます。一方、レアル安や原油高などからインフレ率が底打ちする可能性が出てきており、年末にも利上げ打ち止め議論が出てくるとの見方が出ている米国金融政策との関係性ではレアルに追い風となりそうです。
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