南アフリカの18年1-3月期GDP~ランド相場の展望

2018/06/06 <>
  1. 181-3月期の実質GDP成長率は前期比年率-2.5%、4期ぶりのマイナス成長となりました。
  2. 主力の鉱業製品の輸出が大きく落ち込みました。年明け後の先進国経済減速も影響したと見られます。
  3. 新政権の改革で経済効率が向上すれば、インフレ圧力も減退し、通貨ランドは選好されると考えます

鉱業の落ち込みが主因

5日、南アフリカ統計局が発表した18年1-3月期の実質GDP(支出ベース)は、前期比年率-2.5%、前年同期比+1.4%でした。マイナス成長は4期ぶりです。主な需要項目の動きでは、前期比、前年同期比共に、輸出の伸びの低下が減速の主因です。主力の鉱業製品の輸出が落ち込みました。先進国経済の減速の影響が大きく、4-6月期にはリバウンドする公算が大きいと考えます。

南アフリカ準備銀行(SARB)は、4月に発表した金融政策レビューで、18-20年の実質GDP成長率を、それぞれ+1.7%、+1.5%、+2.0%と予想しています。電力供給不足や、商品市況下落などの影響で、南アフリカ経済は14~16年の3年連続で低迷し、17年後半以降上向きに転じました。今後は、ラマポーザ大統領政権下で、経済効率を高める改革が実施され、徐々に成長性が底上げされると期待されています。

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改革の成否がランド相場に影響

南アフリカの政策金利は、インフレ率の低下を理由に17年7月に7.0%から6.75%へ、さらに18年3月に6.5%へ引き下げられ、現在に至っています。インフレ率はエネルギー価格の上昇を背景に4月は反転上昇しました。インフレ目標の範囲内にはあるものの、さらに上昇傾向が強まれば、利上げに転じる可能性も出てきました。

ランド相場は、ズマ大統領辞任、ラマポーザ大統領就任が好感されて急上昇し、その後は新興国通貨全般が弱含む中でやや下落しています。こうした中、改革の推進によって経済活動が底上げされれば、経済効率の向上でインフレ圧力も抑えられ、ランドが選好される展開になると考えます。

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