6月のISM景気指数と今後の米国景気・金融政策

2016/07/07 <>
  1. PMIは前月比+1.9ポイント、NMIは同+3.6ポイントでした。前月から回復し、米国経済は底堅いです。
  2. 構成指数はすべて上昇しました。非製造業の企業活動、新規受注の上昇が目立ち、雇用も堅調です。
  3. Brexitの世界経済への影響が懸念されますが、米国経済への影響は限られると見ています。

4~5月の低下を大きく上回る回復

ISM(全米供給管理協会)は、1日にPMI(製造業購買担当者景気指数)を、6日にNMI(非製造業購買担当者景気指数)を発表しました。PMIは前月比+1.9ポイントの53.2、NMIは同+3.6ポイントの56.5でした。PMIは4、5月に低下、NMIは5月に低下しましたが、いずれも、低下前の水準を上回り、企業の景況感が大きく好転していることが示されました。

構成指標はPMI、NMI共にすべて上昇しました。PMIは、特に生産指数と在庫指数が堅調でした。鉱工業生産指数を見ると、実際にはまだ一進一退ですが、在庫環境が最近数カ月間改善しており、先行き生産が回復しやすい環境にあると思われます。また、NMIは企業活動指数(PMIの生産指数に相当)、新規受注指数が大幅に上昇しました。個人消費など内需の底堅さがうかがわれます。

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Brexitの影響は限定的、しかし年内利上げは困難か

今回のISM景気指数は、Brexit(英国のEU離脱)決定後の回答も含まれた上での数値であり、米国経済への影響は限定的と見られます。アトランタ連銀発表のGDP成長率推計モデル「GDP Now」では、4-6月期は7月6日時点で前期比年率+2.4%となっています。±1%程度の誤差を考慮しても、1-3月期より加速する公算大です。

一方、金融政策については、Brexitがもたらす世界経済への不透明感から、市場が混乱する可能性が払拭し切れないこと、11月の米大統領選が近づいていることなどを考えると、年内に利上げを実施することは難しくなってきていると思われます。

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