リニカル (2183 東証一部)

2014/07/28

製薬会社大手のがん領域などの開発意欲高まりを取り込みへ
15 年3 月期は豊富な受注残を背景に大幅な営業増益が見込まれる

業種:サービス業
アナリスト:松尾 十作

◆ CRO 事業を展開
・リニカル(以下、同社)は主にCRO 事業を展開している。CRO とは、製薬 会社が行なう医薬品の開発のうち治験に関わる様々な業務の全て、また は一部を代行し、支援をする機関を指す。医薬品販売支援(CSO)事業 には10/3 期に参入した。

◆ 14 年3 月期は営業増益予想が一転減益に
・14/3 期決算は、売上高3,721 百万円(前期比3.4%増)、営業利益706 百万円(同29.6%減)であった。同社の期初予想に対する達成率は、売 上高で92.3%、営業利益で61.3%であった。
・売上高未達の要因は、内定案件の開始時期の遅れや開発中止案件が あったためである。減益要因は、増収見通しに沿った人員増等固定費負 担が増す一方で、売上高が想定を下回ったことである。

◆ 15 年3 月期は豊富な受注残を背景に大幅営業増益へ
・15/3 期について同社は、売上高4,846 百万円(前期比30.2%増)、営 業利益1,023 百万円(同44.9%増)を見込んでいる。
・当センターも、同社予想とほぼ同じ水準を予想する。14/3 期末受注残が 5,604 百万円(前期末比18.0%増)と豊富であり、決算公表時には、さら に6,038 百万円に積み上がる等受注活動も活発なためである。

◆ 投資に際しての留意点
・同社の業績は、顧客都合により開発案件が中止となるリスクに晒されて いる。同社は規模の拡大を図ることでリスクの低減を目指している。しかし ながら顧客都合により同社の業績が左右される可能性は避けられないと 思われる。

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一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。