2026年の日本株見通し
2026年の日本株見通し
- 2026年の日本株は、近年株価を押し上げたマクロとミクロの環境変化が続き、堅調推移を予想。
- 企業業績は2026年度2ケタ増益へ、高市政権の危機管理投資や成長投資の具体化も追い風。
- 日経平均は来年末54,500円を予想、いくつかのリスクに注意は必要も長期上昇トレンドは不変。
2026年の日本株は、近年株価を押し上げたマクロとミクロの環境変化が続き、堅調推移を予想
弊社は2026年の日本株について、総じて堅調に推移すると予想しています。11月6日のレポートで解説した通り、「物価の上昇」と「賃金の上昇」という近年の国内「マクロ」環境の変化は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)を大きく押し上げた要因と推測されます。2026年も、物価上昇のモメンタム(勢い)と賃上げの流れが続き、日本株にとって好ましいマクロ環境が維持される可能性が高いと思われます。
企業レベルの「ミクロ」においても、東京証券取引所(以下、東証)が市場を再編し(2022年4月)、資本コストや株価を意識した経営を企業に要請した(2023年3月)ことを受け、株主還元強化や事業再編などによる資本効率改善の動きがみられるようになりました。2026年はコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂に伴い、企業が現預金を成長投資などに活用すれば、ROE(自己資本収益率)の更なる改善も期待されます。
企業業績は2026年度2ケタ増益へ、高市政権の危機管理投資や成長投資の具体化も追い風
弊社は、金融とソフトバンクグループを除く372社を調査対象としており、2025年度の業績は前年度比で売上高が+1.0%、営業利益は+2.7%、経常利益は+1.8%、純利益は+0.6%と控えめな見方をしています。ただ、2026年度は人工知能(AI)向けを含む半導体およびデータセンター需要の増加や、米関税引き上げへの企業対応の進展などから、業績は大きく持ち直し、順に+3.7%、+14.6%、+13.2%、+15.0%と2ケタの増益を予想しています。
国内では、高市早苗政権が「責任ある積極財政」を掲げ、「危機管理投資」と「成長投資」によって強い経済の構築を訴えています。また、日本成長戦略本部が設置され、AI・半導体や造船、量子、合成生物学・バイオ、航空・宇宙など17項目が戦略分野として位置づけられました。各戦略分野における危機管理投資や成長投資の具体化は、日本経済や日本株の追い風になると思われます。
日経平均は来年末54,500円を予想、いくつかのリスクに注意は必要も長期上昇トレンドは不変
弊社は、2026年12月末におけるTOPIXの12カ月先予想1株あたり利益(EPS)を約235ポイント、株価収益率(PER)を約15.3倍と想定した上で若干の調整を加え、2026年12月末のTOPIXの着地水準を3,630ポイントとしています。日経平均については、日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率を約15倍と想定し、2026年12月末の着地水準を54,500円に設定しています。
2026年の日本株を取り巻く好材料とリスクをまとめたものが図表1で、リスクについては特にAI相場への期待が揺らぐ材料には注意が必要と思われます。なお、日経平均は2012年以降の長期上昇トレンドの上値抵抗線をすでに上抜けており、より右肩上がりの上昇トレンドが形成されつつあります(図表2)。この点を踏まえると、2026年に多少大きめの調整が発生しても、長期上昇トレンド自体が大きく崩れる恐れは小さいと考えられます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
(2025年12月24日)
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