来週の金融市場見通し(2024年9月30日~2024年10月4日)

2024/09/27

■来週の見通し

米連邦準備理事会(FRB)による大幅利下げを背景に、米経済は底堅さを維持できるとの見方が広がっており、年内の大幅利下げ観測がやや後退しています。他方、中国は追加の金融緩和や株式・不動産市場の支援策を打ち出しています。中国人民銀行は、市中銀行から強制的に預かるお金の比率(預金準備率)と政策金利を引き下げました。中国の一連の政策を受け、内外の投資家心理が上向いています。とはいえ、新しい自民党総裁となる石破氏の経済政策への思わくに振らされることには注意が必要です。

◆株価 :値動きの激しい展開か

来週の株価は、国内政治動向や米経済指標発表を受けて、値動きの激しい展開となりそうです。自民党総裁選では、石破氏が勝利しました。また、米国では雇用や景況感に関する経済指標が相次いで発表される予定です。石破氏が打ち出す政策や、米経済指標の結果を受けて株価は大きく変動する可能性があります。事業法人による自社株買いとみられる資金流入が高水準で継続していることから、株価は下落しても下落幅は限定的とみられます。

◆長期金利 :一段の上昇も

植田日銀総裁が、政策判断に「時間的な余裕はある」との認識を示したことを受け、利上げ時期が後ずれするとの見方が広がり、長期金利は一時0.8%を割り込みました。ただ、FRBの大幅利下げにより、米景気が支えられるとの期待から米長期金利が上昇したことや、総裁選に利上げに前向きなタカ派とみられている石破氏が勝ったことで、上昇する動きになりました。来週は、一段と国内金利に上昇圧力がかかる可能性があります。

◆為替:レンジ内の動き

ドル円は、上値は限定的とみられるものの、底堅い展開が見込まれます。年内、再度の米大幅利下げ観測が高まる中、米長期金利の上昇余地は限定的とみられます。他方、植田日銀総裁は、物価の上振れリスクは減少したとしており、日銀の早期利上げ観測は後退しています。そのような環境下、ドル円は底堅いものの、レンジ内の動きに終始しそうです。とはいえ、来週末発表される9月の米雇用統計の結果次第では、変動性が高まる可能性があります。

◆Jリート :下落する展開か

来週のJリート市場は、自民党総裁選の結果を受け、下落する展開が想定されます。植田総裁が政策判断に「時間的な余裕はある」との見解を示したことや自民党総裁選のメディア予想を受けて、長期金利は低下していたものの、石破氏の総裁選選出を受けて長期金利の上昇が見込まれることから、Jリート市場は株式市場とともに下落することが見込まれます。但し、下落した場合でも下値も限定的になると見込まれます。

来週の注目点

日銀短観(9月調査) 10月1日(火) 8時50分発表

日銀短観6月調査では、大企業・全産業の業況判断DI(ディフュージョン・インデックス)は前回調査から横ばいとなりました。価格転嫁の進展から素材関連を中心に製造業の景況感が改善した一方、個人消費の弱含みなどを受け非製造業の景況感が小幅に悪化しました。

9月調査では、大企業・全産業の業況判断DIは横ばい圏での推移が見込まれます。製造業では、円安の修正や中国経済の減速などが重しとなるとみられますが、不正認証問題の影響が和らぐ自動車では景況感が持ち直すと予想されます。また、非製造業では、災害による影響が懸念されますが、好調なインバウンド需要が景況感の支えとなる見込みです。

 

米雇用統計(9月) 10月4日(金) 21時30分発表

8月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月差14万2,000人増と、市場予想を下回りました。失業率は4.2%と前月(4.3%)から低下しました。また、平均時給は前月比0.4%、前年比3.8%増加と、いずれも伸びが拡大しました。

9月の非農業部門雇用者数は前月差14万人増程度、失業率は4.2%程度、平均時給は前月比0.3%増程度を想定しています。解雇の増加が限定的であるなか、労働市場の減速ペースは緩やかになりそうです。

 

 

図表、スケジュール入りのレポートはこちら

https://www.skam.co.jp/report_column/weekly/02/

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
しんきん投信「来週の金融市場見通し」   しんきんアセットマネジメント投信株式会社
来週の金融市場の見通し、注目点を、コンパクトにまとめてお伝えします。
<本資料に関してご留意していただきたい事項>
※本資料は、ご投資家の皆さまに投資判断の参考となる情報の提供を目的として、しんきんアセットマネジメント投信株式会社が作成した資料であり、投資勧誘を目的として作成したもの、または、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。
※本資料の内容に基づいて取られた行動の結果については、当社は責任を負いません。
※本資料は、信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、当社はその正確性、完全性を保証するものではありません。また、いかなるデータも過去のものであり、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。
※本資料の内容は、当社の見解を示しているに過ぎず、将来の投資成果を保証・示唆するものではありません。記載内容は作成時点のものですので、予告なく変更する場合があります。
※本資料の内容に関する一切の権利は当社にあります。当社の承認無く複製または第三者への開示を行うことを固く禁じます。
※本資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。

しんきんアセットマネジメント投信株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会

このページのトップへ