Cross Eホールディングス(231A)ハウステンボス向けに建設及びファシリティ・マネジメントを提供

2024/08/30

環境設備や発電プラントへの機器類の据付・撤去、配管工事、メンテナンスを行う
ハウステンボス向けに建設及びファシリティ・マネジメントを提供

業種:建設業
アナリスト:髙木伸行

◆ 建設及び機械設置工事とファシリティ・マネジメントを提供
Cross Eホールディングス(以下、同社)グループは、同社と連結子会社であるハウステンボス・技術センター及び西日本エンジニアリングの3社で構成されている。エイチ・アイ・エス(9603東証プライム)は同社株式の70.6%を保有しており、同社の親会社となる。

同社はハウステンボス・技術センターの親会社として、22年11月に設立された純粋持株会社である。ハウステンボス・技術センターは1995年9月に、中世ヨーロッパの街並みを再現したテーマパークであるハウステンボスを運営するハウステンボス株式会社(長崎県佐世保市)の施設部が分社化し設立されたものであり、30年近い業歴がある。

また、西日本エンジニアリングの全株式を17年12月にハウステンボス・技術センターが取得し子会社としたが、22年11月の同社の設立とともに西日本エンジニアリングは同社の子会社となった。西日本エンジニアリングの子会社化により、同社グループの業績拡大ペースは加速した。

同社グループは建設及び機械設置工事事業とファシリティ・マネジメント事業を主たる事業としている(図表1)。23/9期売上高の約4分の3を建設及び機械設置工事事業が、約4分の1をファシリティ・マネジメント事業が占めている(図表1)。

同社グループの主な販売先はハウステンボス、JFEホールディングス(5411東証プライム)傘下のJFEエンジニアリングであり、ハウステンボス向けは23/9期売上高の35.9%、JFEエンジニアリング向けは23.0%を占めている。ハウステンボス向け売上高は建設及び機械設置工事事業及びファシリティ・マネジメント事業の両方に、JFEエンジニアリング向けは建設及び機械設置工事事業に関連するものである。

また、自治体や公共団体が最終顧客となる案件の売上高に占める割合は23/9期では48.6%となり、ハウステンボスを含む民間向けの売上高とほぼ拮抗している。

なお、ハウステンボスはエイチ・アイ・エスの連結子会社であったが、エイチ・アイ・エスは22年9月末に保有する全株式を投資ファンドに譲渡しており、同社の関連当事者ではなくなっている。

◆ 建設及び機械設置工事事業
建設及び機械設置工事事業は、(1)産業用機械の設置工事分野、及び(2)建物・構造物建設工事分野に区分される。売上内訳は公表されていないが、産業用機械の設置工事分野が23/9期の同事業の売上高の約3分の2を、残りの約3分の1を建物・構造物建設工事が占めたものと推定される。

(1)産業用機械の設置工事分野
自治体などが保有する廃棄物焼却炉、資源リサイクル施設などの環境関連プラントや民間企業が保有する製造工場の発電プラントなどへの機器類の据付やメンテナンス工事を行っている。JFEエンジニアリングを始め、タクマ(6013東証プライム)、神戸製鋼(5406東証プライム)の子会社である神鋼環境ソリューションといった大手環境プラントメーカーの一次請けとして業務を受託している。

同分野は西日本エンジニアリングが担当しており、西日本エンジニアリングは北九州地区に限らず千葉県以西において積極的に事業を展開している。23/9期の西日本エンジニアリングの売上高は1,357百万円となっている。

(2)建物・構造物建設工事分野
建物・構造物建設工事分野はハウステンボス・技術センターが担当している。ハウステンボス・技術センターはハウステンボスの多種多様な建築物や設備を一元管理しており、そのノウハウを活かして各種施設の新築・改修工事や設備の改修や更新工事に対応している。また、ハウステンボス向け以外の民間企業や自治体、個人も対象としている。

◆ ファシリティ・マネジメント事業
ファシリティ・マネジメント事業はハウステンボス・技術センターが担当している。ハウステンボスのテーマパーク施設やホテルなどの管理、エネルギー管理、修繕・営繕等に加えて、長崎県や佐世保市などの自治体施設の指定管理者業務や施設管理業務を行っている。ハウステンボスを始めとする民間や自治体施設との管理契約件数は23/9期末で5件となっている。

顧客との業務委託契約に基づいて業務をおこなっていることから、安定した売上高及び利益が見込める事業である。

>>続きはこちら(1,2MB)

一般社団法人 証券リサーチセンター
ホリスティック企業レポート   一般社団法人 証券リサーチセンター
資本市場のエンジンである新興市場の企業情報の拡充を目的に、アナリスト・カバーが少なく、適正に評価されていない上場企業に対して、中立的な視点での調査・分析を通じ、作成されたレポートです。

このページのトップへ