ベルテクスコーポレーション(5290) 前期比で増収増益 中期経営計画に注目

2024/06/13

 

 

 

土屋 明秀 社長

株式会社ベルテクスコーポレーション(5290)

 

 

企業情報

市場

東証スタンダード市場

業種

ガラス・土石製品(製造業)

代表取締役社長

土屋 明秀

所在地

東京都千代田区麹町五丁目7番地2

決算月

3月

HP

https://www.vertex-grp.co.jp/

 

株式情報

株価

発行済株式数

時価総額

ROE(実)

売買単位

1,795円

25,647,017株

46,036百万円

11.5%

100株

DPS(予)

配当利回り(予)

EPS(予)

PER(予)

BPS(実)

PBR(実)

50.00円

2.8%

160.55円

11.2倍

1,309.37円

1.4倍

*株価は5/22終値。発行済株式数は24/3期末の発行済株式数から自己株式を控除。数値は四捨五入。
*2022年7月1日付で1:3の株式分割を実施。配当利回り、PER、PBRはこの株式分割を考慮。
*ROE、BPSは24年3月期実績、EPS、DPSは25年3月期会社予想。

 

業績推移

決算期

売上高

営業利益

経常利益

当期純利益

EPS

DPS

2021年3月(実)

37,763

5,290

5,635

3,759

142.80

30.00

2022年3月(実)

37,514

6,143

6,434

4,242

160.90

26.27

2023年3月(実)

39,095

5,560

5,837

3,742

140.86

30.00

2024年3月(実)

36,833

5,727

5,849

3,728

143.86

40.00

2025年3月(予)

40,000

6,000

6,200

4,050

160.55

50.00

*単位:百万円、円。予想は会社側予想。当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。以下同様。
*2022年7月1日付で1:3の株式分割を実施。DPSとEPSは遡及して再計算。2021年3月期の配当には記念配当10.00円/株(1:3の株式分割前30円)を含む。

 

株式会社ベルテクスコーポレーションの2024年3月期決算概要などをお伝えします。

目次

今回のポイント
1.会社概要
2.2024年3月期決算概要
3.2025年3月期業績予想
4.第2次中期経営計画の振り返り
5.今後の注目点
<参考1:第3次中期経営計画>
<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

 

今回のポイント

  • 24年3月期決算は、売上高が前期比5.8%減の368億33百万円、営業利益が同3.0%増の57億27百万円。売上面では、その他事業を除き、コンクリート事業、防災事業、パイル事業ともに減少し、2月8日に修正した会社予想を下回った。一方、利益面では、販売価格引き上げを進めていた効果により、各段階利益は修正した会社予想を上回った。その他事業は、2022年10月4日付で完全子会社としたプロフレックス株式会社の買収効果などにより、前期比で増収増益となった。 
  • 25年3月期の会社計画は、売上高が前期比8.6%増の400億円、営業利益は同4.8%増の60億円の予想。既存製品・新製品の販売強化と絞り込んだ製品群の更なる付加価値化により、前期比で増収・増益を目指す。配当は前期より10.00円/株増加の普通配当50.00円/株の予定。予想配当性向は31.1%。配当性向30%を目処に安定的かつ継続的な増配を意識し、総還元性向50%以上を機動的に実施する方針。 
  • 同社は2025年3月期から2027年3月期までの3か年を対象とする第3次中期経営計画を策定した。VERTEX Vision 2034の実現に向けた第1歩として事業ポートフォリオの強化に向けた成長投資を行い、基盤を整えたコア事業の再成長と長期的な成長の軸となる新規事業の育成に取り組む。新たにスタートした第3次中期経営計画の各種施策が今後どの様な成果をもたらすのか、第3次中期経営計画の進捗状況が注目される。 

1.会社概要

暮らしを支える、様々なプレキャストコンクリートの製造・販売を主な事業として展開している。

 

(1)沿革

2014年、日本ゼニスパイプ株式会社、株式会社ハネックス(羽田ヒューム管株式会社が商号変更)、株式会社羽田コンクリート工業の3社が合併し、ゼニス羽田株式会社が発足し、その後「ゼニス羽田ホールディングス株式会社」に商号変更。
2018年10月1日、ゼニス羽田ホールディングス株式会社と株式会社ホクコン(福井県)が共同株式移転により株式会社ベルテクスコーポレーションを設立(ゼニス羽田ホールディングス株式会社と株式会社ホクコンは完全子会社)。
両社が新たな事業グループを創設した。
2019年4月、ゼニス羽田株式会社が存続会社として、ゼニス羽田ホールディングス株式会社(消滅会社)を吸収合併。
2021年4月1日、株式会社ベルテクスコーポレーション傘下の中核事業会社であるゼニス羽田株式会社と株式会社ホクコンが、株式会社ホクコンを消滅会社、ゼニス羽田株式会社を存続会社として吸収合併を行い「ベルテクス株式会社」が誕生。
事業シナジー創出、経営効率化等を進め、成熟市場であるコンクリート及びパイル、並びに成長市場である防災領域でのシェア拡大、収益性向上による売上・利益の成長を目指している。

 

(2)業績推移

経営統合後も経営基盤の整備と利益創出に取り組み、業界最高水準の収益性を確保しながら成長を継続している。25/3期からは次なる成長期入りを目指す。

 

*15/3期~18/3期ゼニス羽田ホールディングス、19/3期〜ベルテクスコーポレーション

 

(3)長期ビジョン

◎パーパス
「オンリーワンの技術」と「ユニークな発想」で、世界の人々の未来に 安心の新しいカタチを提供します。

 

同社グループは、自然環境や社会の変化に向き合い、新しい価値と安心を創り出してきた。今後も成長し続ける企業として、困難なニーズに応え続ける、オンリーワンの技術と誰も思いつかなかった、ユニークな発想で、どこに住んでいても安心して暮らせる持続可能な社会の実現に貢献していく。これからも、世界の人々の未来に安心の新しいカタチを生み出すために、同社グループは挑み続ける。

 

◎VERTEX Vision 2034
同社は、パーパスとともに、10年後目指す姿としてVERTEX Vision 2034を策定した。
第1次中期経営計画(20/3期~21/3期)は、経営統合に伴う事業・経営基盤の基礎固めの期間であり、第2次中期経営計画
(22/3期~24/3期)は持続的成長を確実にするための事業・経営基盤の強化の期間であった。続く第3次中期経営計画(25/3期~27/3期)では、①事業ポートフォリオの強化、②サステナビリティ経営の推進、③人的資本、R&D、DX強化を重点的に実施する。その後の第4次~第5次中期経営計画(28/3期~33/3期)の実施を経て、2034年に売上高1,000億円、営業利益150億円を目指す。

 

【10年後のありたい姿】
また、同社は労働人口減少、インフラの老朽化、地球温暖化、災害の激甚化など10年後に向けて同社が対応しなくてはならない課題を整理するとともに、その対策として「10年後のありたい姿」を定義した。

10年後のありたい姿

対策

みらい工場 人手不足等を踏まえ、自動化や集中管理等のスマートファクトリー化を進める。
ワンストップ・メンテナンス インフラの維持・管理を上流から巻き取り、ワンストップで対応可能なプレーヤーとなる。
オンサイトプレキャスト プレキャストコンクリートについて工場からの配送という体制から現場でのプレキャスト化に対応。
スマート斜面防災 衛星等から様々なデータを収集し災害等の危険を事前に察知し防ぐスマート斜面防災を実現。

 

【長期的な事業ポートフォリオ構想 】
同社は、VERTEX Vision 2034に向け、事業ポートフォリオの強化に取り組んでいく。

(同社資料より)

 

(4)市場環境

同社を取り巻く事業環境を見ていくうえでは、下記のような点を踏まえておく必要がある。

 

◎防災・減災投資需要の継続
建設業界において重要な公共事業関係費は過去10年にわたり安定的に推移している。特に、インフラの補修や公共工事は毎年一定額が拠出されている。また、今後建設後50年を経過する既存インフラの割合が上昇することから、今後も高水準の防災・減災投資需要が継続するものと予想される。こうした中、同社では同社のビジネスモデルに沿って、実績の積み重ね製品の採用シェアを引き上げていくことが成長の上で重要と認識している。

 

(建設後50年以上経過する主な社会資本の割合)

農業用用排水路(約5万km、基幹的農業水利施設)

2019年

2029年

50%

67%

道路橋(約73万橋、橋梁 2m以上)

2020年

2030年

2040年

30%

55%

75%

下水道管きょ(総延長約47万km)

2020年

2030年

2040年

5%

16%

35%

港湾岸壁(約5,000施設、水深 -4.5m以深)

2020年

2030年

2040年

21%

43%

66%

防火水槽(約52万基)

2020年

2025年

2035年

35%

40%

58%

(同社資料より)

 

◎建設現場の働き方改革・人手不足:プレキャスト工法の拡大
プレキャストコンクリートとは工場であらかじめ製造されたコンクリート製品であり、作業効率において優れ、現場の人手不足の解決や人件費の高騰に対するソリューションとして期待が高い。一方、現場打ちとは、工事現場で鉄筋を組み、生コンクリートを打設する工法である。プレキャストコンクリートは、現場における作業効率が、現場打ちの1/2~1/5程度とメリットがある反面、工場から運搬する必要があるため輸送路上の制約が発生し、距離によっては運搬費で高コストとなるデメリットがある。一方、現場打ちは、輸送路の制約がない特殊な構造や大型構造にも柔軟な対応が可能というメリットがある反面、作業効率でプレキャストに劣後し、天候や作業者により品質にばらつきが出るというデメリットがある。現在は、直接工事費の観点から予算上は経済性で優位という認定により現場打ち工が大半を占め、プレキャスト工は全体の13%を占める程しかない。しかし、熟練工の不足や現場の働き方改革に伴い施工の効率化が求められる中で、長期的にはプレキャスト工を選択するケースが今よりも高まっていくことが期待される。海外並みの使用比率となれば、中長期的にプレキャスト工の比率が50%を超える可能性もある。

 

(5)事業内容

セグメントは「コンクリート事業」「パイル事業」「防災事業」「その他事業」の4つ。なお、「防災事業」は25年3月期より「斜面防災事業」に名称変更。

 

各事業、以下のグループ会社が事業を担っている。

セグメント

グループ会社

コンクリート事業 ベルテクス株式会社(東京都)

ベルテクス建設株式会社(大阪府)

株式会社ホクコンプロダクト(福井県)

北関コンクリート工業株式会社(群馬県)

九州ベルテクス株式会社(福岡県)

パイル事業 ホクコンマテリアル株式会社(福井県)
斜面防災事業 ベルテクス株式会社(東京都)

ベルテクス建設株式会社(大阪府)

九州ベルテクス株式会社(福岡県)

その他事業 株式会社ウイセラ(岐阜県)

アイビーソリューション株式会社(福井県)

プロフレックス株式会社(埼玉県)

株式会社エヌエクス(東京都、持分法適用関連会社)

 

【コンクリート事業】
プレキャストコンクリートを製造販売。売上高の約70% 、営業利益の約67%を占める同社の主力事業領域である。中でも下水道・浸水対策用製品を主力とし、当該領域では業界トップの実績を誇る。
(各写真は同社資料より)

 

事業名

概要・主要製品

下水道・浸水対策用製品

【基盤事業】

浸水・洪水などの自然災害への対策や水資源の有効活用を目的とするプレキャストコンクリート。

 

道路関連製品

【基盤事業】

新設道路や高速道路などの改修に使われるプレキャストコンクリート。

 

インフラメンテナンス

【育成事業】

長年の使用年数に及んだコンクリート構造物の補修・補強。

 

鉄道関連製品

【育成事業】

運行に支障なくスピーディーに工事を行うためのプレキャストコンクリート。

 

防衛関連製品

【育成事業】

シェルターなどの防衛関連製品。

 

【パイル事業】
建築の基礎工事に用いるコンクリートパイルの事業を展開している。

【再構築事業】 建築の基礎工事に用いられるコンクリートパイルの製造販売および杭打ち工事。

 

 

【斜面防災事業】
斜面防災のための製品を製造販売している。

【基盤事業】 落石、土砂崩れなどの災害が予想される山岳道路や住宅地域に対して、性能検証実験を経て自社開発した工法・製品を多くラインナップ。

 

 

【その他事業】
その他事業は、油圧ホースメンテナンスやセラミックスの事業などで、子会社群にて手掛けている。

【育成事業】  

 

 

(6)特徴と強み

◎ビジネスモデルの特徴
同社の直接の製品の販売先はゼネコンであるものの、案件の初期段階から設計コンサルタントや発注者 (官庁・デベロッパ)に対して提案・サポートを行い、自社製品を売り込むことができるモデルとなっている。また、社会課題対策として他社に先駆けて新製品を市場に投入し、先行メーカーとして実績を積み上げ市場を開拓すると同時に当該分野でのブランドを確立し、売上を伸ばしていくモデルにもなっている。

 

(同社資料より)

 

◎強み
①技術力・開発力
取得特許の数やNo.1ブランド製品の数などが示す技術力・開発力を軸に営業や技術など全てのスタッフが組織的に連携を取ることで高い提案力・競争力を実現している。

 

(同社資料より)

 

②業界内で最も高い水準の利益率
技術力・開発力・営業力・組織力を掛け合わせ、業界内で最も高い水準の利益率を達成している。

 

(同社資料より)

(7)株主還元方針

創出したキャッシュは更なる成長と株主還元に向けて適切に配分する。今中期経営計画においても継続的な株主還元の強化を行う予定であり、配当性向30%を目処に安定的かつ継続的な増配を意識し、総還元性向50%以上を機動的に実施する方針である。

 

 

(8)資本コストを意識した経営

現在の資本コストを8%前後と捉え、引き続き長期的なROE改善と資本コスト抑制を目指す。

 

また、中期経営計画期間においては英文対応や開示の拡大等をはじめ、IR活動の充実化も意識し、株主・投資家との対話を通した企業価値向上を目指す。

 

(同社資料より)

2.2024年3月期決算概要

(1)連結業績

 

23/3期

構成比

24/3期

構成比

前期比

会社予想

2/8修正計画

予想比

売上高

39,095

100.0%

36,833

100.0%

-5.8%

37,200

-1.0%

売上総利益

11,817

30.2%

12,173

33.0%

+3.0%

販管費

6,257

16.0%

6,446

17.5%

+3.0%

営業利益

5,560

14.2%

5,727

15.5%

+3.0%

5,500

+4.1%

経常利益

5,837

14.9%

5,849

15.9%

+0.2%

5,720

+2.3%

当期純利益

3,742

9.6%

3,728

10.1%

-0.4%

3,650

+2.2%

*数値には株式会社インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
*単位:百万円

 

前期比5.8%の減収、同3.0%の営業増益
24/3期の売上高は、前期比5.8%減の368億33百万円となった。売上面では、その他事業を除き、コンクリート事業、防災事業、パイル事業ともに減少し、2月8日に修正した会社予想を下回った。
営業利益は、同3.0%増の57億27百万円となった。利益面では、販売価格引き上げを進めていた効果により、各段階利益は修正した会社予想を上回った。その他事業は、2022年10月4日付で完全子会社としたプロフレックス株式会社の買収効果などにより、前期比で増収増益となった。売上総利益率は、前期比2.8ポイント上昇の33.0%となった。人件費等の増加により売上高対販管費比率が前期比1.5ポイント上昇したものの、売上高営業利益率は15.5%と同1.3ポイント上昇した。その他、営業外費用で計上した損害賠償金54百万円や特別損失で計上した固定資産除却損76百万円と減損損失86百万円などがマイナス要因の大きなものとなり、経常利益の増益率は営業利益の増益率を下回り、当期純利益は若干の減益となった。

 

下期の業績推移

24/3期下期は、前年同期比で減収減益となったものの、売上高営業利益率は上昇した。20/3期下期以降との比較では、売上高、営業利益、売上高営業利益率ともに高水準で安定している。

 

(2)セグメント動向

 

23/3期

構成比

24/3期

構成比

前期比

コンクリート事業

27,202

69.6%

25,726

69.8%

-5.4%

パイル事業

4,045

10.3%

2,783

7.6%

-31.2%

防災事業

4,909

12.6%

4,765

12.9%

-2.9%

その他事業

2,938

7.5%

3,557

9.7%

+21.1%

売上高合計

39,095

100.0%

36,833

100.0%

-5.8%

コンクリート事業

4,882

17.9%

4,899

19.0%

+0.3%

パイル事業

263

6.5%

81

2.9%

-69.0%

防災事業

1,276

26.0%

1,557

32.7%

+22.0%

その他事業

544

18.5%

788

22.2%

+44.8%

調整額

-1,407

-1,600

営業利益合計

5,560

14.2%

5,727

15.5%

+3.0%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高営業利益率。

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

◎コンクリート事業(前期比5.4%減収、同0.3%増益)
24/3期に見込んでいた案件が翌年度以降にずれ込むなど、期初の計画段階よりも出荷量が減少したことから、売上高は前期比5.4%減の257億26百万円となったものの、高付加価値製品へのシフトを加速させ進めてきた結果、セグメント利益は同0.3%増の48億99百万円となった。また、売上高営業利益率は、前期比1.1ポイント上昇の19.0%となった。
24/3期のコンクリート事業の製品単価は、20/3期を100%とした値に対し159%の水準まで上昇し、23/3期の136%から23ポイント上昇した。また、24/3期は、現在販売を強化している雨水貯留槽、エスホール、SJ-BOX、特殊製品(軌道スラブ)などの高付加価値製品の比率がコンクリート事業全体の68%まで拡大した(前期は66%)。

 

 

製品販売価格改定効果25億28億円の内訳は、付加価値製品で17億8百万円、汎用品で8億20万円となり、製品販売単価は、前期比17.2%の上昇となった。マンホールや雨水貯留槽などの販売単価の上昇率が大きくなった。また、販売量減少15億98百万円は、複数の大型プロジェクトにおける工事進捗の遅れによるボックスカルバートや汎用品の減少が大きく影響した。

 

◎パイル事業(前期比31.2%減収、同69.0%減益)
販売地域と案件の絞り込みによる効率化と強みに特化した受注活動を進めたものの、絞り込み地域における需要の低迷などにより、売上高は前期比31.2%減の27億83百万円となった。セグメント利益は売上量の減少と原材料高騰の影響を受け、前同69.0%減の81百万円となった。また、売上高営業利益率は、前期比3.6ポイント低下の2.9%となった。

 

◎防災事業(前期比2.9%減収、同22.0%増益)
激甚化する風水害への対策として「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が進行しており基調としては上向きであるものの、24/3期は、期初計画段階で見込んでいた一部案件の遅れなどもあり、売上高は前期比2.9%減の47億65百万円となった。セグメント利益は前年以来取り組んできた原材料価格高騰に伴う売価引き上げに加えて生産拠点の分散による生産効率の向上が奏功し同22.0%増の15億57百万円となった。また、売上高営業利益率は、前期比6.7ポイント上昇の32.7%となった。

 

◎その他(前期比21.1%増収、同44.8%増益)
2022年10月4日付で完全子会社化したプロフレックス株式会社の買収効果により、売上高は前期比21.1%増の35億57百万円、セグメント利益は同44.8%増の7億88百万円となった。また、売上高営業利益率は、前期比3.7ポイント上昇の22.2%となった。

 

(3)財政状態及び

キャッシュ・フロー(CF)

財政状態

 

23年3月

24年3月

 

23年3月

24年3月

現預金

11,017

13,921

仕入債務

6,015

7,145

売上債権

12,720

13,283

短期有利子負債

3,591

3,296

たな卸資産

5,123

4,904

流動負債

12,901

13,817

流動資産

29,977

32,803

長期有利子負債

1,714

1,458

有形固定資産

12,596

12,538

固定負債

5,357

4,348

無形固定資産

4,105

3,784

純資産

31,584

33,859

投資その他

3,163

2,898

負債・純資産合計

49,843

52,024

固定資産

19,866

19,221

有利子負債合計

5,301

4,755

*単位:百万円。売上債権には電子記録債権を、仕入債務には電子記録債務を含む。有利子負債にリース債務を含む。

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

24年3月末の総資産は、前期末比21億81百万円増加の520億24百万円となった。資産面では、現預金、売上債権、投資有価証券などが主な増加要因となり、たな卸資産、のれん、繰延税金資産などが主な減少要因となった。負債・純資産面では、仕入債務、未払法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益の増加に伴う利益剰余金などが主な増加要因となり、短期と長期の有利子負債、退職給付に係る負債、自己株式の取得などが主な減少要因となった。24年3月末の自己資本比率は64.5%と前期末比1.6ポイント上昇した。

 

キャッシュ・フロー

 

23/3期

24/3期 

前期比

営業キャッシュ・フロー

3,859

5,592

+1,732

+44.9%

投資キャッシュ・フロー

-2,941

-526

+2,415

フリー・キャッシュ・フロー

918

5,066

+4,148

+451.7%

財務キャッシュ・フロー

-2,066

-2,152

-86

現金及び現金同等物の期末残高

10,982

13,896

+2,914

+26.5%

*単位:百万円

 

*株式会社インベストメントブリッジが開示資料を基に作成。

 

CFの面から見ると、退職給付に係る負債の減少額の縮小や仕入債務の増加、法人税等の支払額の減少などにより営業CFのプラスが拡大した。また、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の減少などにより投資CFのマイナスが縮小し、フリーCFのプラスが拡大した。一方、短期借入金と長期借入金の減少などにより財務CFのマイナスは拡大した。この結果、期末のキャッシュ・ポジションは前期比で26.5%増加した。

 

(4)主な投資実績

(単位:百万円)

コンクリート事業(型枠、機械等)

685

パイル事業(機械等)

44

防災事業(機械等)

20

その他(セラミックス金型、工場改修等)

293

全社共通(基幹システム構築等)

173

合計

1,217

製品製造に必要な型枠、機械、金型類及びセラミックスの製造設備などへ設備投資を行った。

 

(5)株主還元

◎配当金
配当金は、1株あたり 40円 の予定で、配当性向は27.8%となる見込み。

 

◎自己株式の取得を実施
同社は、株主還元の充実と資本効率の向上及び経営環境の変化に応じた機動的な資本政策を実行するため、継続的に自己株式の取得を実施している。

 

取締役会において自己株式の取得決議した日

取得した株式の総数

取得価額の総額

2022年5月 12日

588,700株

699,950,700円

2023年3月9日

220,000株

298,282,600円

2023年5月11日

202,000株

299,993,200円

2023年11月9日

328,500株

499,861,900円

取締役会において自己株式の取得決議した日

今後取得する株式の総数

今後の取得価額の総額

2024年5月10日

420,000株

800,000,000円

 

3.2025年3月期業績予想

(1)連結業績

24/3期

構成比

25/3期 予想

構成比

前期比

売上高

36,833

100.0%

40,000

100.0%

+8.6%

営業利益

5,727

15.5%

6,000

15.0%

+4.8%

経常利益

5,849

15.9%

6,200

15.5%

+6.0%

当期純利益

3,728

10.1%

4,050

10.1%

+8.6%

*単位:百万円

 

前期比8.6%増収、同4.8%営業増益の予想
2024年4月1日にパーパス『「オンリーワンの技術」と「ユニークな発想」で、世界の人々の未来に安心の新しいカタチを提供します。』を制定した。また、新たに制定したパーパスの実現に向けて、10年後の2034年に目指す姿「長期ビジョンVERTEX Vision 2034」と、2024年~2026年までの「第3次中期経営計画」を新たに策定した。「第3次中期経営計画」において掲げた経営戦略を着実に実行することで、未来の安心と更なる企業価値向上を実現する。
25/3期の会社計画は、売上高が前期比8.6%増の400億円、営業利益が同4.8%増の60億円の予想。資材価格の高騰や物流コストの上昇など厳しい事業環境が続いているものの、既存製品・新製品の販売強化と絞り込んだ製品群の更なる付加価値化により、前期比増収・増益を達成する。売上高営業利益率は、前期比0.5ポイント低下の15.0%を予定。
また、配当は前期より10.00円/株増加の普通配当50.00円/株の予定。予想配当性向は31.1%。配当性向30%を目処に安定的かつ継続的な増配を意識し、総還元性向50%以上を機動的に実施する方針である。

 

(2)セグメント動向

 

24/3期 実績

構成比

25/3期 予想

構成比

前期比

コンクリート事業

25,726

69.8%

28,500

71.3%

+10.8%

パイル事業

2,783

7.6%

3,000

7.5%

+7.8%

斜面防災事業

4,765

12.9%

5,000

12.5%

+4.9%

その他事業

3,557

9.7%

3,500

8.8%

-1.6%

売上高合計

36,833

100.0%

40,000

100.0%

+8.6%

コンクリート事業

4,899

19.0%

5,350

18.8%

+9.2%

パイル事業

81

2.9%

150

5.0%

+83.1%

斜面防災事業

1,557

32.7%

1,350

27.0%

-13.3%

その他事業

788

22.2%

820

23.4%

+3.9%

調整額

-1,600

-1,670

営業利益合計

5,727

15.5%

6,000

15.0%

+4.8%

*単位:百万円。営業利益の構成比は売上高営業利益率。
*防災事業は、25/3期より斜面防災事業に名称が変更となった。

 

コンクリート事業における売上高とセグメント利益の増加が、全社における前期比での増収増益に寄与する見込み。一方、斜面防災事業は、前期比で増収減益の見込みとなっている。

 

(3)上期の業績見込み

同社の業績は例年下期に偏重する傾向がある。上期は、前年同期比増収ながら営業利益が同減益となり、売上高営業利益率が前年同期比で低下する保守的な会社計画となっている。

 

4.第2次中期経営計画の振り返り

(1)数値実績

最終年度(2024年3月期)の売上高と利益は当初の目標を下回ったものの、同社側でのコントロールが難しい工事進捗が影響している。3か年累計では目標を概ね達成できた。案件数や将来にわたっての案件額という観点からは概ね順調と同社では分析している。また、収益性の向上により営業利益率とROEは計画を超過した。

 

 

22/3期(計画)

22/3期(実績)

23/3期(計画)

23/3期(実績)

24/3期(計画)

24/3期(実績)

売上高

390.0

375.1

400.0

390.9

410.0

368.3

営業利益

55.0

61.4

58.0

55.6

61.0

57.2

営業利益率

14.1%

16.4%

14.5%

14.2%

14.9%

15.5%

経常利益

57.0

64.3

60.0

58.3

63.0

58.4

当期純利益

38.0

42.4

40.0

37.4

42.0

37.2

ROE

15.4%

12.4%

10.0%以上

11.5%

*単位:億円

 

(2)基本方針の評価

同社では、第2次中期経営計画において、計画通りに各施策に取り組むことが出来たと評価している。

 

5.今後の注目点

第2次中期経営計画は、最終年度の売上と利益については当初目標を下回ったものの、同社側でのコントロールが難しい工事進捗が影響した。3か年累計では目標を概ね達成できており合格点の内容と言えよう。また、①主力事業の深掘りによるオーガニック成長の推進、②成長事業の育成と新たな収益機会の拡大、③持続的成長を可能とするための経営基盤整備からなる3つの重点施策について、いずれも計画通り達成できたと同社では評価している。更に、製品販売単価の引き上げと高付加価値製品比率の上昇の推進により収益性の向上が図られ、最終年度のROEと営業利益率は当初目標を上回った。実りの多い第2次中期経営計画となった。こうした中、同社は2025年3月期から2027年3月期までの3か年を対象とする第3次中期経営計画を策定した。VERTEX Vision 2034の実現に向けた第1歩として事業ポートフォリオの強化に向けた成長投資を行い、基盤を整えたコア事業の再成長と長期的な成長の軸となる新規事業の育成に取り組む。基盤事業と位置付けるコンクリート事業では、既存製品・新製品の販売強化、絞り込んだ製品群の更なる付加価値化、コンクリート工場の統廃合による効率化を実施する。また、斜面防災事業では、引き続き崩壊土砂対策や落石対策に向けた製品の拡販と更なる研究開発・付加価値化に取り組む。更に、育成事業と位置付けるインフラメンテナンス、鉄道、防衛及び油圧ホースメンテナンス事業に対する成長投資を推進する。インフラメンテナンスでは、設置シェアNo1の防火水槽関連や農業水利関係に注力し販売を強化する。鉄道では、同社、ゼネコン、鉄道事業者の連携を深め、同社が有する新材料を活用し、顧客ニーズに合致した製品開発を推進する。油圧ホースメンテナンス事業では、関東圏で既に強みを活かして成功した事業モデルを他地域へ横展開する。これまで有言実行で目標を達成してきた同社であるが、こうした取り組みが今後どの様な成果をもたらすのか今から楽しみである。新たにスタートした第3次中期経営計画の進捗状況が注目される。
加えて、同社は第3次中期経営計画期間において100~150億円の投資枠の中で積極的なM&Aを計画している。これまで以上の成長性で事業を拡大するためにM&Aは避けて通れない。既存事業の機能強化・周辺領域展開が見込める企業、育成事業に対して提供するプロダクト・サービスを有する企業などがそのターゲットとなりそうだ。今度のM&Aの実施状況にも期待を込めて注目していきたい。

 

<参考1:第3次中期経営計画>

同社は、2025年3月期から2027年3月期までの3か年を対象とする第3次中期経営計画を策定した。
VERTEX Vision 2034 に基づく1期目の計画として、オーガニックで売上430億、営業利益65億を計画する。将来の売上1,000億、営業利益150億を見据えた第1歩として事業ポートフォリオの強化に向けた成長投資を行い、基盤を整えたコア事業の再成長と長期的な成長の軸となる新規事業の育成に取り組む。

 

【数値目標】

数値目標(計画発表時の数値)

 

24/3期(実績)

25/3期(中計)

26/3期(中計)

27/3期(中計)

3か年累計

Vision 2034

売上高

368

400

410

430

1,240

1,000

営業利益

57

60

62

65

187

150

ROE

11%

14%

20%

*単位:億円

 

【重点項目】

事業ポートフォリオの強化

◆基盤事業 - コンクリート・斜面防災

市場成長を踏まえた安定的な収益拡大を図る。

◆育成事業 - メンテナンス・鉄道・防衛・油圧ホースメンテナンス

将来の注力ドメイン化を考えた成長投資を実施する。

人的資本・R&D・DXの推進強化

サステナビリティ経営の推進

 

 

◎基盤事業における施策
【コンクリート事業】
主力事業であり、市場環境が堅調である雨水浸水対策領域のコンクリート事業については更なる強化を推進する。前中計までで製品ポートフォリオの体制は整い、今後は販売強化や更なる付加価値化を通してより売上と利益を積み上げていくフェーズとして取り組む。

 

(主な取組み)
◆既存製品・新製品の販売強化
<コンクリート事業の新製品群>

ボルテックスバルブ

 

スパイラルホール

 

無動力で貯留槽からの流量を水位に応じてコントロールし、雨水貯留施設の貯留

機能を従来式から最大20%向上させる装置。

雨水をマンホール内壁に

沿ってらせん状に落水させることで騒音と振動の発生を回避し、スムーズに流出

管に流し込むことが出来るマンホール。

 

◆絞り込んだ製品群の更なる付加価値化
◆コンクリート工場の統廃合による効率化
過去の経営統合を通して保有する工場や拠点についての統廃合に着手。2024年運送問題や市場動向を踏まえ、各工場から
の運送範囲の再設定と効率化に取り組む。

 

【斜面防災事業】
近年激甚化する自然災害への対策として、防災・減災や国土強靭化に対する意識は高まる傾向にある。また、国土強靭化に向けた対策の拡大も予定されいている。こうした環境下、引き続き崩壊土砂対策や落石対策に向けた製品の拡販と更なる研究開発・付加価値化に取り組む。

 

<主な製品>

ループフェンス

崩壊土砂防護工・土石流・流木対策工

 

◆メンテナンス性の高さ

◆ケーブル取り付け位置の調整による柔軟な配置の実現

◆土砂、落石、積雪などに対応可能

 

◎育成事業における施策
将来の注力ドメインとしてコンクリート事業におけるインフラメンテナンス、鉄道、防衛及び油圧ホースメンテナンス事業に対する成長投資を推進する。第3次中期経営計画終了時点では合計で80億円程度の売上規模を目指す。

 

事業

主な施策

インフラメンテナンス ◆設置シェアNo1の防火水槽関連や農業水利関係に注力し販売を強化

◆調査・診断に始まり維持保守管理までワンストップでの対応を通し顧客の拡大・深掘り

鉄道 ◆同社、ゼネコン、鉄道事業者の連携を深め、同社が有する新材料を活用し、顧客

ニーズに合致した製品開発を推進

油圧ホースメンテナンス事業 ◆2023年に完全子会社化したプロフレックスは、豊富な在庫品番数で1個から全国へ即納する優れたオペレーションとオリジナル加締機自社企画品の設計力を強みとしている。関東圏で既に強みを活かして成功した事業モデルを他地域へ横展開する。

 

 

◎M&A戦略
オーガニック成長に加え、M&Aを通した事業ポートフォリオの強化・拡大を狙う。

中期経営計画期間のM&A戦略投資枠

◆M&A投資枠は、100~150億円を予定、主に借入を活用したM&A戦略投資枠を設定

今後のM&A強化に向けた社内体制

◆M&A対応人員強化により案件情報の量と質を高める

◆量:あらゆるチャネルを駆使して案件情報を収集

◆質:良好な関係性を構築し、良質な情報収集を目指す

M&Aターゲットの方向性

◆防災・減災・国土強靭化を軸とし、既存事業の機能強化・周辺領域展開が見込める企業

◆同社が選定する育成事業(インフラメンテナンス、鉄道、防衛)に対して提供するプロダクト・サービスを有する企業

◆官公庁に強いプロダクト・サービスを提供する企業

◆事業ポートフォリオの強化・拡大が見込める事業を有する企業(既存事業の強みが活かせシナジーが期待できる事業)

 

【既存事業成長とM&A成長のイメージ】
第3次中期経営計画期間において、売上成長についてはM&Aによる成長ポテンシャルは大きい一方、利益についてはオーガニック成長が中心となる想定 (M&A初期の利益貢献は見込まずPMIフェーズの改善想定)としている。

 

(同社資料より)

 

◎財務戦略
同社は、資本効率を意識したバランスシートを目指し、今中計のキャッシュ・アロケーションを策定した。

(同社資料より)

 

【成長投資・更新投資の詳細】
同社は、通常の研究開発や設備投資に加え、「10年後にありたい姿」を意識した投資予算を設定した。

 

<参考2:コーポレート・ガバナンスについて>

◎組織形態、取締役、監査役の構成

組織形態 監査等委員会設置会社
取締役 8名、うち社外3名

 

◎コーポレート・ガバナンス報告書
最終更新日:2024年2月8日

 

<基本的な考え方>
当社は、経営の透明性・健全性を確保しつつ、効率的な意思決定を可能とするコーポレート・ガバナンス体制の構築が重要であるとの認識のもと、当社グループ経営において主体的な役割を果たし、グループの戦略・方針の策定、グループ各社に対する指導・助言を通じ、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則を実施しない理由(抜粋)>

原則

実施しない理由

【補充原則2-4 ① 中核人材の登用等における多様性確保】 当社は、人材の多様化とそれら人材の育成が中長期的な企業価値向上に繋がるものと考え、女性・中途採用者を積極的に採用しております。

中途採用者についてはスキル・経験等を総合的に判断し、管理職への登用を行っている一方、女性につきましては、元々土木業界において女性社員が少ないことなどもあり、管理職への登用数が現状十分ではないと認識しております。まずは女性の母集団を増やすため、現在新規採用者の女性比率を50%以上としており、今後、当社の中核人材として、その比率が高まるよう人材育成及び社内環境の整備に努めてまいります。

外国人の管理職登用については当社グループの事業ドメインが国内に限られていることから実績がないものの、今後の事業ドメインの拡大及び企業規模の拡大に応じて、スキル・経験等を総合的に判断してまいります。

【補充原則 4-11③ 取締役会全体の実効性の評価】 取締役会全体の実効性の分析・評価及びその開示については、今後検討してまいります。

 

<コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示(抜粋)>

原則

開示内容

【原則 3-1 情報開示の充実】 (i)経営理念等や経営戦略、経営計画

当社の経営計画等を当社ホームページで開示しております。

(ii)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と基本方針

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方を定めたガイドラインを当社ホームページで開示しております。

(iii)取締役会が経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続

取締役(社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬と業績指標を基礎としてその数が算定される非金銭報酬(以下「業績連動非金銭報酬」という。)としてのストックオプションにより構成し、社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみとしております。

取締役(監査等委員である取締役を除く。以下同じ。)の種類別の報酬割合の目安は、基本報酬:業績連動非金銭報酬(短期インセンティブ):業績連動非金銭報酬(長期インセンティブ)=70:15:15(業績指標を 100%達成の場合)とし、任意の報酬委員会が審議並びに取締役会に対する答申を行い、取締役会は当該答申内容を尊重し、決定いたします。

取締役の個人別の報酬額については、任意の報酬委員会が審議並びに取締役会に対する答申を行い、取締役会は当該答申内容を尊重し、決定いたします。

監査等委員である取締役の報酬については、任意の報酬委員会が審議並びに監査等委員である取締役全員に対する答申を行い、監査等委員である取締役全員が当該答申内容を尊重し協議した上で決定いたします。

(ⅳ)経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行うに当たっての方針と手続

(方針)

監査等委員でない取締役候補は、当社グループの企業価値向上のために、グループの発展に寄与できる幅広い視野と経験を有し、マネジメント能力と経営センスを持った人材を選任しています。

監査等委員である取締役候補は、数多くの経験や見識からの視点より、監査等委員でない取締役の業務執行を公正に監査・監督できる人材を選任しています。

(選任手続き)

当社は任意の指名委員会を設置しております。指名委員会は取締役選解任案を審議し、取締役候補者の提言をいたします。それぞれの提言を踏まえ、監査等委員でない取締役候補者案は監査等委員会に報告、監査等委員である取締役候補者案は監査等委員会の同意を得た上で、取締役会において決議しております。

(v)経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行う際の、個々の選解任・指名についての説明

取締役の選解任につきましては、株主総会招集ご通知参考書類において、指名委員会の推薦に基づいて取締役会が決定した新任取締役候補者の個々の略歴、選解任理由等を掲載してまいります。

(経営計画:https://www.vertex-grp.co.jp/ja/ir/management/plan.html)

(コーポレートガバナンスガイドライン:https://

www.vertex-grp.co.jp/ja/ir/management/governance.html)

【補充原則3-1③ サステナビリティについての取組み等】 当社グループでは、経営理念(ブランド・ビジョン)「安心のカタチを造る。」の実現に向け、「持続可能な社会の実現への貢献」 と「企業の持続的成長の実現」の両立が経営課題の一つであるとの認識に立ち、マテリアリティ(重要課題)の特定を行い、具体的な対応策や目標設定を推進させてまいります。

今後もサステナブルな社会の実現に向けた取リ組みを強化し、新たな価値創造の創出を通じて社会とステークホルダーからの満足と信頼が得られる企業を目指してまいります。

なお、当社におけるサステナビリティについての取組み及びTCFDに基づく開示の詳細は、当社ホームページをご覧ください。

(当社ホームページ:https://www.vertex-grp.co.jp/ja/sustainability.html)

【原則5-1 株主と建設的な対話に関する方針】 当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、株主総会以外における株主や投資家との建設的な対話が重要であると認識し、経営企画部をIR担当部署として個別面談への対応、会社情報のホームページへの掲載、東京証券取引所の任意開示を活用した情報公開を行うほか、個別面談においては、株主の希望や面談の内容の重要性等によって取締役の中から適任者が対応するなど、社内体制を整備しております。

また、半期に1回決算説明会を開催し、代表取締役社長を含めた役員が登壇し、決算報告や事業戦略等について説明しております。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応

(検討中)】

当社は、資本コストの把握等の現状分析、計画の策定・開示について検討を行っております。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた具体的な計画については、次期中期経営計画策定とあわせて公表を予定しております。

 

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