来週の金融市場見通し(2023年7月31日~2023年8月4日)

■来週の見通し

米連邦公開市場委員会(FOMC)では事前予想通り、利上げが再開されました。今後については経済データ次第としています。他方、日銀は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)で長期金利の上限を0.5%とし、国債の大量購入で長期金利の上昇を抑え込んでいましたが、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認し、国債購入が過度に膨らまないように運用を柔軟化しました。来週は、米雇用統計などの経済指標や本格化する決算発表に加え、日銀の政策運営も確認したいところです。

◆株価 :底堅い展開か

日本株は、底堅い展開が見込まれます。国内景気の拡大などを期待した海外投資家の日本株への投資意欲は根強く、株価を下支えしそうです。また、国内企業の4-6月期決算発表において堅調な業績が確認されれば、株価の一段の上昇が期待できそうです。ただ、日銀の政策運営の柔軟化などを受け、長期金利が一段と上昇することには注意が必要です。そうした中、来週に発表が予定される米国の雇用や生産に関する経済指標が注目されます。

◆長期金利 :上昇余地を探る

長期金利は、日銀が許容上限の0.5%超えを容認する柔軟な運用を決定したことを受け、0.5%を超える動きになりました。米連邦準備理事会(FRB)による利上げについては年内にあと1回あるかないかで、米金利の上昇が限定的になる中、国内金利の上昇も徐々に落ち着いてくるとみられます。それまでは、これまで抑えられていた分を取り戻しながら、0%台後半での上昇余地を探る動きが続きそうです。不安定な動きには注意が必要です。

◆為替下値模索

ドル円は、変動性の高い中、下値を模索する展開が見込まれます。市場の想定通り、7月のFOMCでは0.25%の利上げが実施されました。また、28日に行われた日銀の金融政策決定会合では、想定外にYCC政策が修正され、長期金利の変動幅を柔軟に運用するとの決定がなされました。米利上げサイクルの終了観測が広がっていることでドル円の上値は限定的とみられる中、今回の日銀の決定を受け、ドル円は下値模索の展開が見込まれます。

◆Jリート :落ち着き待ち

東証REIT指数は、日銀が大規模な金融緩和を維持するとの見方などから、連日で年初来高値を更新し、26日には節目の1,900ポイントを回復しました。ただ、週末は日銀が0.5%超えを容認する政策運営を決定し、長期金利が上昇したことを嫌気し、売りが優勢になりました。もっとも、Jリート市場は日銀が政策修正に動くことをある程度織り込んでいることから、長期金利の動きが落ち着いてくると、戻りを探る動きも出てきそうです。

来週の注目点

鉱工業生産指数(6月、速報値)  7月31日(月)午前8時50分発表

鉱工業生産指数は5月に前月比2.2%低下し、103.2(2020年=100)となりました。業種別では、半導体製造装置などの生産用機械の生産が特に増加した一方、自動車工業などが低下しました。

6月の鉱工業生産指数は、前月比で上昇が見込まれます。半導体不足などの供給制約が解消に向かっており、生産用機械等の生産が増加しそうです。ただ、海外景気の下振れ懸念が続いていることから、当面は緩慢な生産拡大にとどまりそうです。

米雇用統計(7月) 8月4日(金)午後9時30分発表

6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比20万9,000人増となり、増加数が前月よりやや鈍化しました。他方、平均時給は前月比0.4%増(前年比4.4%増)と、前月比、前年比とも前月と同じ伸びとなり、また、失業率は3.6%と前月から低下するなど、総合的にはやや堅調な結果となりました。

米労働者市場はやや勢いを失いつつあるとみられるものの、賃金動向は今後も堅調な推移となりそうです。7月の非農業部門雇用者数は前月比19万人増程度、平均時給は同0.3%増程度、失業率は3.6%程度を想定しています。

 

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