ブラジル経済動向(2020年1-3月期GDP)~景気、市場見通し

2020/06/01 <>
  1. 実質GDPは前年同期比-0.3%、前期比-1.5%と低調でした。個人消費と輸出の減少が目立ちました。
  2. コロナ対策をめぐり中央と大都市圏が対立し、収束が遅れて経済の混乱が長引くリスクが増しています。
  3. 景気減速を背景に追加緩和の公算が大きく、株価は底堅い一方、レアル相場は頭が重いと予想されます。

大都市圏が経済活動抑制

5月29日、IGBE(ブラジル地理統計院)が発表した2020年1-3月期の実質GDPは、前年同期比-0.3%、前期比-1.5%でした。前期比は4期ぶりのマイナスで、経済活動の抑制が続く中、景気後退の可能性が高まりました。

個人消費と輸出の減少がGDPを押し下げました。米国、中国、EU(欧州連合)など、大経済圏に向けた輸出が軒並み減少した影響で、純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度が押し下げられました。また、3月にはサンパウロ州、リオデジャネイロ州といった大都市圏が経済活動の制限措置に踏み切ったこともあり、個人消費が前年同期比-0.7%と、3年ぶりのマイナスに落ち込みました。両州は6月から制限を徐々に緩和する方針です。

新型コロナウイルスへの対策については、経済優先を掲げるボルソナロ大統領と上記2州が対立したほか、保健相もコロナ対策をめぐる対立で、1ヵ月で2人更迭されるなど内政が混乱しています。こうした混乱が国民の不安感を強め、経済活動の委縮が長引いてしまうリスクが出てきています。厳しい景気後退が避けられない2020年に対し、2021年も回復が覚束ない可能性があります。

追加緩和なら株価に追い風も、レアルは難しい環境

ブラジルレアル(以下、レアル)は、市場のリスク回避指向が強まり、新興国通貨全般が売られる流れに沿って、対円では5月中旬に1レアル18円台前半まで下落しました。足元は20円を回復しています。新興国通貨の中で下落が大きかった反動で、戻りも大きくなっています。

一方、株式市場は、代表的な株価指数のボベスパ指数で見ると、年初来高値から安値までの下落に対して40%強戻した水準にあります。新興国全般の動きより若干鈍い状況です。ブラジル中央銀行が追加利下げを実施する公算が大きく、株価には今後追い風になりやすいと見られますが、低金利や内政の混乱はもっぱら通貨価値を押し下げる方向に働き、レアルは難しい環境にあると思われます。

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