9月の米国企業景況感~米国景気は後退に向かうのか?

2019/10/04 <>
  1. PMINMI共に下落しました。企業景況感を見る限り、米国経済は景気後退が近付いた状態です。
  2. 現在の企業景況感状況は、景気拡大期にも何度かありましたが、景気後退には至りませんでした。
  3. 在庫調整圧力に対する企業の対応、世界的な金融緩和で景気は半年程度で持ち直すと見込まれます。

+1%台への減速を示唆

ISM(全米供給管理協会)が1日に発表した9月の製造業PMIは前月比-1.3の47.8、3日に発表した非製造業NMIは同-3.8の52.6でした。米国経済は2009年6月を底にした景気拡張局面にありますが、企業景況感を見る限り、景気減速の度合いが増し、景気後退が近付いた状態にあると見られます。

ISMによると、実質GDP成長率ゼロに相当するPMIは42.9、NMIは48.6とされています。実質GDPにおける製造業、非製造業のウエイトで加重平均すると、47.6になります。今回の加重平均値は51.8であり、まだ景気減速の状態にあります。これを実質GDP成長率に引き直すと年率+1.4%となります。

企業対応の進捗と金融緩和が景気を下支え

PMI、NMI共に、2012~2013年、2015~2016年に現在とほぼ同水準まで低下した局面がありました。しかし、景気後退には至りませんでした。これは、企業活動の波によって生じる比較的短期間の景気循環(在庫循環といい3~4年サイクル)に沿うものです。積み上がった在庫水準がある程度削減されれば自律的に景気は回復に向かいます。今回は、貿易摩擦という政治的な要因が絡んでいますが、状況は当時と基本的には変わらず、企業の対応(在庫削減等)が進捗すれば、景気は下げ止まると期待されます。

また、世界的に金融緩和が進められています。現在では米国、ユーロ圏、オーストラリア、BRICS諸国すべて、トルコ、インドネシア、メキシコなどと、世界的に利下げの動きが広がっています。これらが、景気を刺激し、半年程度先には景気が持ち直しに転じてくると期待されます。

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