中国の19年1-3月期GDPについて
2019/04/17
<投資信託>
- 実質GDPは前年同期比+6.4%で前期と同水準。前期比年率+5.7%と3年ぶりの低水準でした。
- 国内の景気は春節を境に好転の兆しが見られます。景気対策の効果が出てきたと見られます。
- 通貨、株価共に上昇し、割安状態はほぼ解消。今後は中長期を見据えつつ落ち着いてくると考えます。
景気対策が奏功
本日、中国国家統計局が発表した19年1-3月期の実質GDPは前年同期比+6.4%と、前期に並んで+6%台前半の低水準にとどまりました。前期比年率(季節調整済み)は+5.7%となり、16年1-3月期以来3年ぶりの低水準でした。中国の景気減速が続いていることが示されました。
個別の経済指標を見ると(前年同月比の1-3月平均)、小売売上高は+8.3%と、18年10-12月平均と同水準、鉱工業生産は同+6.5%と+5.7%から加速しました。固定資本投資は同+6.3%と、+7.4%から減速しました。1-3月期の貿易黒字(ドルベース)が763億ドルと、前年同期の黒字幅449億ドルと比べて拡大し、固定資本投資の減速を外需の拡大がカバーしたと見られます。
ただ、3月単月の前年同月比を見ると、小売売上高が+8.7%、鉱工業生産が+8.5%、固定資本投資が+6.7%(年初累計を基に試算)と高まっており、春節(旧正月、2月4~10日)を境に、景気が好転する兆しが見られます。景気対策の効果が出てきたと見られます。
市場は中長期的な視点に立ち戻る段階へ
通貨と株価は、景気対策を好感し、年末年初を底に反発に転じています。昨年末比で見ると、元(対ドル)は+2.9%、上海総合指数は+30%で、特に株価は大幅に上昇しました。
株価は急落前の水準を回復し、今後は、動きが落ち着いてくると見込まれます。景気対策効果が一巡すれば、中国は、中長期的な成長鈍化の方向に戻ると予想され、上昇余地は狭まってくると考えます。
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