第2次高市内閣始動

当社サイトはこちら→三井住友トラスト・アセットマネジメント 投資INSIDE-OUT

◆全閣僚へ指示書を出す

18日午後、衆議院選挙を受けた特別国会が召集され、高市早苗首相は第105代首相に選出されました。同日夜に第2次高市内閣が発足し、首相は記者会見で「高市内閣2.0の始動」と宣言し、「重要な政策転換の本丸は責任ある積極財政」と強調しました。特別国会の会期は7月17日までの150日間で、20日の施政方針演説を経て、いよいよ中身の議論に入っていきます。

具体的に何をどう進めていくのか、首相は第1次内閣発足時に全閣僚に「指示書」を渡しました。そこには、それぞれの閣僚が何をどうしたらいいのかが列挙されており、まさに首相の「やりたいこと」が掲げられていました。今回も第2次内閣発足にあたり改めて「指示書」を出しています。

全閣僚向けの取り組みについては「飲食料品に係る消費税減税や給付付き税額控除の検討を含めた物価高・手取り増加対策」が盛り込まれました。食料品の消費税減税は衆議院選挙の公約にも掲げていましたが、今回、改めて記されたことで実現可能性は高まったと言えそうです。

◆片山大臣への指示書

片山財務大臣への「指示書」は全部で9つあり、金融市場に関係する項目も見られます。

まず、【2】では「歳出・歳入両面からの改革を推進し、経済成長と財政の持続可能性を両立させる」とあり、【3】には「租税特別措置や補助金の適正化を進める」とあります。「積極財政」という言葉が強調されるあまり、とかく「放漫財政では?」といった報道も見受けられますが、ここでは、「歳出・歳入の両面」としています。つまり、「お金を出すところもあるが、逆に減らすところもある」と読み取れます。事務局の資料には、今後の方向性として「税負担軽減措置、及び補助金の見直し」も明記してありますので、財政を使って予算を増やすところもあるが、減らすところもあるというのが「責任ある積極財政」だということでしょう。

また、前出の【2】には「財政の単年度主義の弊害是正に取り組む」ともあります。単年度主義の場合、年度ごとに収支を合わせなくてはならず、中長期的な計画投資などが行いにくいと従来より言われてきました。今回、ここを変えるということは、予算の策定を抜本的に変えていくということになります。

【7】には「貯蓄から投資への移行を更に進めるとともに、企業統治の強化や資産運用の高度化等に取り組む」とあります。昨年10月に「第1回コーポレートガバナンスコードの改訂に関する有識者会議」が開かれており、近く改訂内容が公表されるとみられます。設備投資、研究開発投資、人的資本投資など、多様な投資機会を認識することの重要性が示され、その上で企業が現状の資源配分が適切かを検証することになります。注目は、「現預金を投資等に有効活用できているかどうかの検証・説明責任の明確化」です。各企業がそれぞれ適正な現預金とはどのくらいなのかをその根拠とともに明示し、それが適正でないのであれば、今後の計画や改善案の開示などが求められる可能性があります。

総選挙の結果を受けて、金融市場では株高、円高、債券高となりました。ここからは、改革を伴う政策が着実に実行されていくかが焦点になっていくとみられます。

(チーフストラテジスト 上野 裕之)

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社
三井住友トラスト・アセットマネジメントの金融情報調査室が、投資にまつわるコラムをお届けします。
【ご留意事項】
  • 当資料は三井住友トラスト・アセットマネジメントが投資判断の参考となる情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません
  • ご購入のお申込みの際は最新の投資信託説明書(交付目論見書)の内容を必ずご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
  • 投資信託は値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクを伴います。)に投資しますので基準価額は変動します。したがって、投資元本や利回りが保証されるものではありません。ファンドの運用による損益は全て投資者の皆様に帰属します。
  • 投資信託は預貯金や保険契約とは異なり預金保険機構および保険契約者保護機構等の保護の対象ではありません。また、証券会社以外でご購入いただいた場合は、投資者保護基金の保護の対象ではありません。
  • 当資料は信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。また、今後予告なく変更される場合があります。
  • 当資料中の図表、数値、その他データについては、過去のデータに基づき作成したものであり、将来の成果を示唆あるいは保証するものではありません。
  • 当資料で使用している各指数に関する著作権等の知的財産権、その他の一切の権利はそれぞれの指数の開発元もしくは公表元に帰属します。