トリプルレッドで日本株はどうなる?

2024/11/15

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◆事前予想と違いトランプ・共和党が大勝に

13日午後(米国時間)、米主要メディアは、米大統領選挙と同時に実施された連邦議会選挙で、上院に加え下院でも共和党が多数となったと報じました。これで、大統領と上下両院の多数を共和党が占める、いわゆる「トリプルレッド」が達成されました。事前の世論調査では、大統領・議会選挙ともに接戦が予想されていましたが、実態としては投票日のうちに米大手メディアがトランプ氏勝利と報道し、翌6日未明(現地時間)にはトランプ氏が勝利宣言を行いました。
2016年の大統領選挙でも、民主党のヒラリー・クリントン氏が優位といった事前予想に反し、トランプ氏が当選、2020年の時は、民主党のバイデン氏が大差でリードという事前報道だったものの、接戦となりました。世論調査の精度に対する問題点は従来から指摘されています。「トランプ支持」と回答しなかった人が実際の投票ではトランプ氏に投票している、いわゆる「かくれトランプ」の存在や、調査自体がトランプ氏の支持層を捕捉できていないとも言われています。

◆日本株への影響は!

大統領選挙直後、日米株価はともに上昇しましたが、5日から14日時点まででNYダウは1,500ドル余り(約4%)上昇したのに対し、日経平均株価はほぼ横ばいにとどまっています。トランプ氏の当選は今後の日本株にどう影響すると考えておけばよいのでしょうか。

選挙の結果がトリプルレッドになったことで、トランプ氏の政策は実現可能性が高まりました。選挙期間中に掲げていた政策では、関税の引き上げが最も日本株に影響しそうです。「中国からの輸入品に60%の関税をかける。中国以外からの輸入品に10~20%の関税をかける」というものです。実際に、これらの追加関税がかかると、相手国も報復関税を発動し、貿易戦争に発展する懸念が生じます。世界中で輸出の低迷と輸入インフレが発生するとみられます。日本の輸出産業にとって、直接輸出のボリューム減少に加え、第三国の工場からの対米国輸出にも同様の影響がありそうです。更に、中国で製造して米国に販売しているようなケースでは、多大な影響が出るとみられます。トランプ政権がどこまで関税強化を打ち出すのかを見極める必要があります。一方、法人税の引き下げや個人所得減税など(いわゆるトランプ減税)の恒久化といった、米経済に追い風となる政策も掲げられています。米国景気が良好な状態が続けば、輸出だけでなく、直接投資をしているサービス業や製造業なども含め、日本企業は多大な恩恵を受けることになります。2025年1月20日の大統領就任式に向けては、新政権の政策が断片的に報道され、株式市場も大きく振らされる可能性があります。トランプ政権がどこまで政策を実行するのか見守る必要があります。

トランプ氏はもともとビジネスマンであることから、最終的には経済を優先するとみられます。米国景気が良好であれば、日本株にもプラスに働くものと期待されます。 

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