順張りか、逆張りか、どちらがお好き?
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◆9月下旬以降の中国株急騰に見た、中国人のアニマル・スピリッツ!
中国株式は9月24日発表の一連の景気刺激策を受けて急騰し、上海総合指数は国慶節休暇明けの10月8日までのわずか6営業日で+27%の急騰を見せました。この背景には、中国景気の低迷、米中対立の激化が続く中、中国株のウェイトを下げていた機関投資家に加えて、中国の個人投資家の存在も大きかったようです。10月初旬の連休中に、オンラインで個人の証券口座開設の申し込みが殺到したと報じられています。
日本株式における「アベノミクス相場」の起点を仮に2012年末とすると、当時の日経平均株価(10,395円)が+27%超の上昇となったのは2013年4月10日(13,288円)で、3カ月強の時間を要しています。無論、中国当局の支援策が待ち望まれていた中国と、当初はアベノミクスに「半信半疑」の感があった日本とを同列には比べられないものの、両国間での「上げ相場」に対するメンタリティの差を感じざるを得ません。
◆日本人は、「逆張り」志向が強いとされるが・・・
上げ相場に追随して買い、下げ相場では売る手法を「順張り」、上げ下げに逆らって売買する手法を「逆張り」と言います。上記のように中国人投資家は「順張り」志向が強そうな一方、日本人は「逆張り」志向が強い印象があります。「逆張り」志向の人には、自分が妥当だと判断する水準まで下がったから買うという「信念」や、前日比で下落する分、「割安」となったから買うといった「理屈」がありそうです。一方、「順張り」志向の人は、「売られる理由があって下がっているのに何で買うの?」、「上昇トレンドに乗って買って何が悪い」といった「言い分」がありそうです。
投資はあくまで自己責任ですので思うようにやれば良いのですが、株式と外国為替の異なる点については知っておく必要があります。株価のベースは「企業業績」です。業績と比べた株価水準や長期的な上昇期待などを勘案すれば、「逆張り」の買いに一定の根拠がありそうです。一方、為替市場は基本的には「ゼロ・サム」の世界であり、株式市場以上にトレンド(相場の方向性)が重視されます。日本のFX個人投資家は逆張りを好むとされますが、外国為替ディーラーでは順張りが基本とみられます。
ところで、1980年代の話ですが、とある運用機関で若手ファンドマネージャーが上司に買い下がり※を提案した際、「どうして下がっているときに買うんだ。オレは、底値で買えなどと無理を言うつもりはない。底値をつけて、上げに転じていく場面で何故買えないのか?」と叱責されたそうです。「底値をつけた」との判断が的確に行えるのであれば、誰も苦労はしないのですが・・・・・。
※買い下がり:購入する株価などの水準を定めた上、一定の水準から買い始め、価格が下がるごとに買い増しし、平均購入価格を低くする手法
「逆張り」とは、昨今のネット上や若年層では、天邪鬼や注目を得ようと奇をてらうといった意味として「わざと良識を嘲笑うような意見や、常識的にありえない主張を行う」ことを指すようです。
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