注目される『インフルエンザ新薬』

2019/01/25

 

注目される『インフルエンザ新薬』

インフルエンザは冬季を中心に流行し、国内での年間推計患者数は1,000万人程度と言われます。今年も厚生労働省によると、13日までの1週間に全国で推計約163万人の患者が医療機関を受診しました。ここにきて従来のインフルエンザ薬に加えて、予防のためのワクチンと治療薬で独自性の高い『インフルエンザ新薬』が登場してきており、注目されます。

【ポイント1】『インフルエンザ新薬』の発売と開発が進む

■インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染して起こる急性の呼吸器感染症です。人に流行を起こすのはA型とB型です。国内で毎年冬季を中心に流行し、年間の推計患者数は1,000万人程度と言われます。

■インフルエンザ対策はワクチンの接種による予防と発症後の治療薬の使用が必要です。ここにきてワクチンと治療薬で独自性の高い『インフルエンザ新薬』の発売や開発が進み始めており、注目されます。

【ポイント2】「ゾフルーザ」は1回飲むだけの経口治療薬190128MK

■塩野義製薬は昨年3月に『インフルエンザ新薬』である「ゾフルーザ」を発売しました。競合薬と異なり細胞内でウイルスの増殖を防ぐ仕組みのため効果が早く表れて長く続き、1回の服用で治療できます。1日2回、5日間服用が必要な競合薬に比べて1回の服用ですむため、患者の負担が軽くなり、飲み忘れも防ぎやすいというメリットがあります。市場規模が最大の米国で昨年10月に承認を得たことで、年間売上高1,000億円以上の大型新薬となる期待も出てきました。

■田辺三菱製薬は、インフルエンザワクチンをタバコの葉を使って、世界最速の1カ月で製造する技術を開発しました。早ければ2018年度内に、まず米国で承認申請する見込みです。ワクチンを作るには一般的には鶏卵を使い6カ月以上が必要なため、政府が非常用ワクチンを備蓄しています。ワクチンが短期間で量産できる体制が整えば、国がワクチンを備蓄する必要性は大きく低下します。

【今後の展開】今後も独自性の高い『インフルエンザ新薬』が注目される

■『インフルエンザ新薬』である「ゾフルーザ」は自主開発を重視する塩野義製薬が約10年かけて開発した自社開発品です。田辺三菱製薬のワクチンは長らく続いた製造方法をかえ技術革新を起こす可能性があります。今後も独自性の高い『インフルエンザ新薬』への取り組みが注目されます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2019年1月28日)

印刷用PDFはこちら↓

注目される『インフルエンザ新薬』
関連マーケットレポート

2018年11月26日 注目される『自動車部品』企業の再編の動向

2018年11月07日 注目される『脱プラスチック』の動き

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ