豪ドル相場は底堅い展開へ(2019年1月)順調な景気、中国経済の持ち直し等が豪ドルの支援材料
豪ドル相場は底堅い展開へ(2019年1月)
【ポイント1】豪ドルは下降後、やや戻り歩調
1豪ドル=78円近傍で推移
■豪ドルの対円相場は、昨年末から今年の年初にかけ急落しました。1月3日に1豪ドル=75.43円を付けた後は、78円近傍まで戻しています。
【ポイント2】豪州景気は緩やかに拡大
2020年前半に利上げの見通し
■2018年の豪州の実質GDP成長率は、前年比+3.0%となったもようです。政府投資(インフラ投資)に支えられて、+2.7%前後と推計される潜在成長率を上回る成長を達成したと見られます。
■2019年は、潜在成長率並みの前年比+2.6%成長が見込まれます。インフラ投資に加え、民間部門の設備投資の持ち直しが見込まれること、雇用の拡大から個人消費が底堅く推移すると予想されること等によるものです。
■インフレ率は、失業率の低下を通じた賃金増を背景に、2019年から2020年にかけて緩やかなペースで上昇し、豪州準備銀行(RBA)の目標の中心値である+2.5%に接近すると予想されます。
■RBAの金融政策は、当面、中立を維持する見通しですが、インフレ率の緩やかな加速を受け、2020年前半の利上げを予想します。
■豪州経済が底堅く推移すると予想されること、日銀の緩和姿勢維持に対しRBAは当面、中立姿勢であること、中国政府による金融財政両面の景気浮揚策の効果で、減速傾向にある中国経済も2019年後半には緩やかに持ち直す見込みであること等から、豪ドルの対円相場は底堅く推移する見通しです。米中貿易摩擦が豪ドルに及ぼす影響は限定的と考えますが、不確実要因として警戒を続ける必要はあるでしょう。
(2019年1月25日)
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