米国FOMCの『ドットチャート』は政策金利予想を下方修正

2019/01/10

 

米国FOMCの『ドットチャート』は政策金利予想を下方修正

米連邦準備制度理事会(FRB)は、年に8回開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)のうち3、6、9、12月に開く会合で、FOMCメンバーによる米国経済と政策金利の見通しを公表しています。米国の政策金利はフェデラルファンド(FF)レートですが、FOMCメンバーが予想するFFレートの水準を “点(ドット)”の分布で表現したグラフは『ドットチャート』と呼ばれ、将来の政策金利の動きを予測するうえでの判断材料とされます。

【ポイント1】2018年12月開催のFOMCで0.25%の利上げを決定

全会一致の決定

■FRBは2018年12月18日、19日に開催したFOMCで、市場の予想通りFFレートの誘導目標レンジを0.25%引き上げ、2.25%~2.50%とすることを決定しました。全会一致の決定です。

【ポイント2】政策金利の予測値を下方修正

19年の利上げ予想回数は3回から2回に修正                190111MK   

■FOMC参加者によるFFレート予測値の分布を示す『ドットチャート』からは、18年9月時点に比べ、予想の中央値(数値を小さい順に並べた時、中央に位置する値)が全体的に下方に移動しているのが見て取れます。

■まず19年末は3.13%から2.88%、20年末および21年末は3.38%から3.13%に引き下げられました。FOMC1回当たりのFFレート変動幅を0.25%とすると、19年の利上げ回数は3回から2回に引き下げられたことになります。続く20年は前回18年9月時点と同じく1回の引き上げが想定され、そこで利上げは打ち止めとなる見込みです。

■右図には示されていませんが、景気を刺激も抑制もしない、いわゆる中立金利に相当する長期の均衡値も、3.00%から2.75%に下方修正されました。


【今後の展開】実際のFFレートは下方修正された『ドットチャート』より低くなる公算

■18年12月に開催されたFOMCの議事要旨は、経済および政策金利見通しを下方修正した背景のひとつとして、株価の急落や、社債と国債の利回り格差拡大といった金融市場の不安定化、金融環境の引き締まりを挙げました。

■景気の下振れがやや急速に進み、金融市場の動揺が著しいことを考慮すると、実際の利上げ経路は下方修正された今回の『ドットチャート』が示す水準よりも、さらに低くなる公算が大きく、19年の利上げは年後半の1回にとどまると予想されます。

(2019年1月11日)

印刷用PDFはこちら↓

米国FOMCの『ドットチャート』は政策金利予想を下方修正

関連マーケットレポート

2019年 1月 8日 『米雇用統計』は上振れ、米株市場は急反発

2018年12月20日 米国の金融政策は利上げを継続(2018年12月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ