深刻な人手不足を背景に『賃金上昇率』が加速

2018/08/22

深刻な人手不足を背景に『賃金上昇率』が加速

深刻な人手不足などを背景に『賃金上昇率』に加速感が出てきました。厚生労働省が8月7日に発表した毎月勤労統計によると、6月の名目賃金は前年同月比+3.6%となりました。また2018年度の都道府県別の最低賃金の改定額も+26円の874円となり、ともに高水準の上昇となりました。一方、総務省が発表した6月の実質消費支出は5カ月連続で減少しました。賃金上昇が消費の増加につながっていくか注目されます。

【ポイント1】『賃金上昇率』に加速感

現金給与総額、最低賃金ともに上昇

■毎月勤労統計によると、6月の名目賃金にあたる1人当たり現金給与総額は44万8,919円となり、前年同月比+3.6%、実質ベースでも同+2.8%と、ともに21年5カ月ぶりの高い伸びとなりました。

■2018年度の都道府県別の最低賃金の改定額は、全国平均で前年比+26円の874円となり、過去最大の引き上げ幅となりました。都道府県別では時給800円以上が28都道府県となり、今回13県増えました。

【ポイント2】一般労働者・パートともに『賃金上昇率』は高水準

個人消費は低調

■名目賃金の内訳をみると、現金給与総額の内、基本給にあたる所定内給与は前年同月比+1.3%、所定外給与が同+3.5%、賞与が同+7.0%となりました。この要因として、企業収益の改善で支給額が増えたことに加え、賞与支給が6月に前倒しされた影響の可能性もあるとみられます。パートタイム労働者の待遇改善も進んでおり、時給は同+1.8%で一般労働者の所定内給与の同+0.9%を上回りました。

■一方で消費は低調です。総務省が8月7日に発表した6月の家計調査によると、2人以上世帯の1世帯あたり消費支出は26万7,641円でした。物価変動の影響を除いた実質で前年同月比▲1.2%と、5カ月連続で前年同月を下回りました。パック旅行費など教養娯楽関連が同▲8.2%、諸雑費も減少しました。一方、自動車等関係費といった交通・通信は同+3.4%、エアコンなど家具・家事用品は同+7.7%となりました。

 

180822MK

 

【今後の展開】賃金上昇が消費増の好循環につながるか注目

■人口構成や働き方改革による正社員の勤務時間減少などから、人手不足が更に強まるとみられるなか、企業は好調な業績を背景に人材への投資を拡大しています。一方で将来への不安や、ガソリン、食料品価格の上昇などの影響もあり、個人消費に力強さはありません。加速感の出始めた『賃金上昇率』が、今後消費の増加につながるか注目されます。

(2018年 8月22日)

印刷用PDFはこちら↓

深刻な人手不足を背景に『賃金上昇率』が加速

関連マーケットレポート

2018年 8月14日 日本の『実質GDP』は2四半期ぶりにプラス

2018年 8月10日 豪雨や猛暑が影響した7月の『街角景気』

三井住友アセットマネジメント株式会社
SMAM マーケット・レポート   三井住友アセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向、関連する旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく説明します。また、“教えて!Q&A”では、投資に関する様々な疑問をタイムリーに取り上げ、解説します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友アセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会