鉄鉱石・石炭価格の動向(2018年8月)緩やかに持ち直す鉄鉱石価格

2018/08/16

鉄鉱石・石炭価格の動向(2018年8月)緩やかに持ち直す鉄鉱石価格

【ポイント1】持ち直しつつある鉄鉱石価格
石炭は燃料炭価格が上昇

■2018年の鉄鉱石価格は、やや軟調に推移しています。年初1月2日に1トン当たり72.85ドルだった鉄鉱石価格は、7月5日の同62.19ドルまでの下落を経て、8月15日の同66.62ドルまで戻しています。

■一方、石炭の価格は、原料炭が18年1月2日の同261.40ドルから直近8月15日の同183.70ドルへと下落したのに対し、燃料炭は同期間に同102.65ドルから118.15ドルに上昇しました。

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【ポイント2】中国の鋼材生産が回復
燃料炭は中国の気温上昇が影響

■米国が2018年3月に、中国や日本等を対象に、鉄鋼・アルミに対して高関税を賦課したことが、鉄鉱石の価格低迷につながったと考えられます。しかし、世界最大の鉄鉱石消費国である中国では、鋼材の在庫調整が進んでいます。粗鋼生産も、持ち直してきました。

■一方、中国における石炭需要は、政府による環境規制強化の影響を強く受けてきましたが、18年は猛暑の影響等から、火力発電用の燃料炭需要が増大し、価格も上昇しています。

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【今後の展開】今年後半から鉄鉱石需要、価格は持ち直しが見込まれる

■鉄鉱石、石炭の一大消費国である中国では、景気下支えのため、18年後半からインフラ投資の拡大といった経済対策が打たれる予定です。鉄鉱石等の需要、価格にも好影響を及ぼすと見られます。

■鉄鉱石需要、価格が持ち直せば、資源国である豪州の為替を押し上げる要因になります。豪州の経済が堅調に推移していることと合わせて考えると、豪ドルの対円相場は底堅い展開が期待されます。

(2018年 8月16日)

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