良好な内容だった米国の雇用統計(2018年7月)失業率は低下、雇用者数、賃金は緩やかに増加
良好な内容だった米国の雇用統計(2018年7月)
【ポイント1】雇用者数は15.7万人増
雇用の基調は強い
■2018年7月の非農業部門雇用者数は、前月比15.7万人の増加となりました。
■ブルームバーグ集計による市場予想の同19.3万人増には届きませんでしたが、過去2カ月の雇用者数が合計で5.9万人ほど上方修正されたことを踏まえると、実質的には上振れだったと判断されます。
■月毎の振れを均すため、3カ月移動平均をとると、同22.4万人増となります。雇用情勢は極めて良好といっても、差し支えないでしょう。
【ポイント2】失業率は低下
賃金は引き続き緩やかな増加
■失業率は前月の4.0%から3.9%に低下しました。労働力人口(労働供給)は増えましたが、それを上回るペースで就業者数(労働需要)が増えたためです。
■一方、賃金は前月比0.3%増、前年同月比では2.7%の増加となりました。失業率の低下が示す通り労働需給は引き締まってきています。今後も賃金は、増加を続ける見込みです。
【今後の展開】米連邦準備制度理事会(FRB)は漸進的な利上げを継続へ
■雇用統計が公表された8月3日の米国市場では、7月の雇用者数や、同月のISM非製造業指数が市場予想を下回ったこと等から、債券利回りが低下(債券価格は上昇)しました。一方、株式市場は、同月の雇用統計を、「労働市場の安定を示すものであり、FRBの漸進的な利上げ方針と整合的な内容」と評価。よって株価は、上昇しました。
■米景気・雇用が順調に拡大しているため、FRBは今後も継続的に政策金利を引き上げていくと予想されます。利上げの着地点としては、中立金利(景気を刺激も抑制もしない金利の水準)とみなされる3%が、ひとつの目処になると考えられます。FRBは、この3%に向けて、四半期に1回程度の緩やかなペースで利上げを進める見通しです。
(2018年 8月 6日)
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