日銀は金融政策の枠組みを一部変更(2018年7月)長期金利の変動を容認、ETFは購入割合を変更
日銀は金融政策の枠組みを一部変更(2018年7月)
【ポイント1】金融政策の枠組みを変更
オペレーションを柔軟化
■日銀は、政策金利のフォワードガイダンスを導入して「現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」としました。
■長期金利の操作目標である10年物国債金利を現状のゼロ%程度で維持しつつ、「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるもの」としました。買入れ額は保有残高の増加額の年約80兆円をめどとしながら「弾力的な買入れを実施する」としました。株価指数連動型上場投資信託(ETF)の年間買入れ額は6兆円に維持しつつTOPIX型を増額し、日経平均型を減額としました。
【ポイント2】GDP見通しは概ね不変
物価は見通しを引き下げ
■同日、日銀は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を発表しました。従来の見通しから比べると、「成長率は概ね不変、物価については下振れている」としました。
■物価(生鮮食品除く)については、中央値を18年度を+1.1%(前回4月比▲0.2%)、19年度を+2.0%(同▲0.3%)、20年度を+2.1%(同▲0.2%)へ引き下げました。
【今後の展開】決定は想定内、引き続き欧米との金利差拡大は円安要因
■日銀が長期金利の誘導目標をゼロ%程度で維持したことを受け、発表後一時的に円安となりましたが、ETFの買入れ方法の変更も含め市場の想定内であったため、影響は限定的となりました。
■6月の消費者物価指数は生鮮食品を除くベースで前年同月比+0.8%の上昇にとどまっており、日銀は物価目標達成に向けて、金融緩和を継続していくとみられます。欧米との金利差拡大は円安要因と考えられます。
(2018年 7月31日)
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