インドの経済・市場動向(2018年7月後半)株式市場は高値更新、インド準備銀行は追加利上げへ
インドの経済・市場動向(2018年7月後半)
【ポイント1】インド株式市場は高値更新
景気加速や企業業績改善期待
■インド株式市場は、他のアジアの株式市場が米中貿易摩擦の激化を受けて調整するなか、逆行高となりました。主要株式指数のSENSEXは、12日に過去最高値を更新するなど、堅調に推移しています。インド経済の成長が加速する見通しの下で、ITセクターを中心に業績改善予想が続いており、4-6月期決算への期待が高まったことが背景です。インド証券取引委員会のデータによれば、外国人投資家の売り越しが続くなかで、国内の投信を通じた買いが株式相場を押し上げています。
【ポイント2】インドの消費者物価は上昇加速
インド準備銀行は追加利上げへ
■インドの6月の消費者物価上昇率は前年同月比+5.0%と、5月の同+4.9%からやや加速しました。原油高や通貨安を受けた生産コストの上昇が加速の要因とみられます。更に、食料と燃料を除いたコアの消費者物価上昇率でみると、同+6.5%と、インド準備銀行(RBI)の物価目標レンジ(+2~6%)を上回っています。RBIは、6月の金融政策決定会合の議事録で、期待インフレ率の上昇に強い警戒感を示しており、次回8月の金融政策決定会合で6月に続き利上げを実施するとみられます。
【今後の展開】株式市場は底堅い展開、通貨は対円でレンジ相場
■株式市場は、RBIによる利上げが見込まれるものの、インド経済の成長加速や企業業績の拡大を背景に今後も底堅い展開が期待されます。
■インドルピーは、米利上げに伴うドル高地合いのなか、対ドルで弱含みで推移してきましたが、RBIの利上げにより、一段の下落には歯止めがかかるとみられます。なお、インドルピーは対円では3月以降もみあいが続いており、今後もレンジ相場が見込まれます。
(2018年 7月19日)
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