米国社債市場の動向(2018年6月)底堅く推移するハイイールド債、高い利回りが魅力
米国社債市場の動向(2018年6月)底堅く推移するハイイールド債、高い利回りが魅力
【ポイント1】底堅く推移するハイイールド債
利回り格差の拡大も小幅にとどまる
■米国社債トータル・リターン指数の6月27日までの年初来騰落率は、投資適格債が▲2.7%と低下したのに対し、ハイイールド債は+0.4%と小幅ながら上昇しました。
■社債スプレッド(国債と社債の利回り格差)も広がりつつありますが、投資適格債のスプレッドが昨年末比で+0.35ポイント広がったのに対し、ハイイールド債は+0.13ポイントの拡大にとどまっています。
【ポイント2】相対的に高い利回りが魅力
FRBによる利上げのペースは緩慢
■米景気・雇用の順調な拡大を背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和の解除を進めていますが、インフレ率が低い水準で落ち着いていることから、利上げの速度は緩やかなものとなっています。
■こうしたなか、相対的に利回りの高い社債への需要には、根強いものがあります。しかも、企業業績が堅調に推移し、デフォルト(債務不履行)率も低位で安定しているため、社債の中でも利回りのより高いハイイールド債への注目が集まっていると考えられます。
【今後の展開】ハイイールド債は底堅い展開へ
■インフレが落ち着いていることを踏まえると、今後もFRBによる利上げは緩やかなものとなる可能性が高いと考えられます。従って、国債利回りの急激な上昇は、避けられる見通しです。
■景気拡大、減税効果により、企業業績は堅調を維持する見通しです。これはハイイールド社債のスプレッド拡大の抑制要因となります。今後も、ハイイールド社債は底堅い展開が続くと予想されます。
(2018年 6月28日)
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